相次ぐ利上げで気になる金利

定期預金の中途解約は損?金利上昇中の今、高利率に預け替えたほうがよいのか

提供元:Mocha(モカ)

TAGS.

定期預金の預け替えはトク?

預け替える前の定期預金を、満期解約・解約予約によって解約する場合には、定期預金の高い金利が適用されています。
そのため、その定期預金のメリットはしっかり得ています。
そのうえで、さらに高い金利の定期預金に預けるのであれば、有利に運用できます。
満期解約・解約予約をする場合には、解約前に次の預け先を選んでおくことがポイント。解約後、すぐに預け替えれば、運用する日数を無駄なく活用できます。

ただし、中途解約の場合には注意が必要です。
中途解約をしたら、それまでの預け入れ期間は普通預金金利と同程度しかつきません。
そのため、預け替え後の利率が高く、また預け入れ期間も状況に合っているのでなければ、かえって損をしてしまいます。

たとえば、100万円を金利0.5%の定期預金1年ものに預けたとします。
この定期預金で、1年後の満期に得られる利息は5000円です(税引前、以下同じ)。

100万円×0.5%=5000円

しかし、定期預金がスタートして半年後に金利0.8%の定期預金1年ものを見つけたので、0.5%の定期預金は中途解約して預け替えたとします。
最初に預けた定期預金では、中途解約では普通預金と同じ金利(0.1%)になるとしたら、受け取れる利息は500円に減ってしまいます。

その後の半年は金利0.8%になったとはいえ、利息は半年で4000円です。
合計で4500円ですから、0.5%で1年間預けておいたほうがいい計算です。

【0.5%で1年間預けた場合】
100万円×0.5%=5000円

【上の例で預け替えた場合】
100万円×0.1%×(6カ月÷12カ月)=500円
100万円×0.8%×(6カ月÷12カ月)=4000円
500円+4000円=4500円

しかも、金利0.8%の定期預金が1年ものだった場合には、半年後で中途解約したら金利が下がりますので、さらに損が大きくなります。半年後に中途解約せず、1年間預けておけばもう4000円受け取れる計算ですが、金利上昇時代ですから、1年後にはもっと金利の高い定期預金が出ているかもしれません。

金利差が大きければトクになることも

資金の運用は、利率と期間でメリット・デメリットを考えます。
上の例で、もし半年後に見つけた定期預金が「1%の6カ月もの」だったら、預け替えたほうがトクになります。

はじめの半年は金利0.1%で再計算して、利息は500円。
その後の半年は、金利1.0%で、利息は5000円。
合計で5500円ですから、0.5%で1年間預けておくよりも、1000円増やせます。

【上の例で預け替えた場合】
100万円×0.1%×(6カ月÷12カ月)=500円
100万円×1.0%×(6カ月÷12カ月)=5000円
500円+5000円=5500円

既に預けている定期預金があり、もっと高い金利の商品を見つけたら、まずはシミュレーションをしてみましょう。
損になってしまっては、本末転倒。高い金利の定期預金を見つけたからといって、すぐに中途解約して飛びつくのは、避けた方がよさそうです。

[執筆:ファイナンシャルプランナー タケイ啓子]

用語解説

"※必須" indicates required fields

設問1※必須
現在、株式等(投信、ETF、REIT等も含む)に投資経験はありますか?
設問2※必須
この記事は参考になりましたか?
記事のご感想や今後読みたい記事のご要望などをお寄せください。
(200文字以内)

This site is protected by reCAPTCHA and the GooglePrivacy Policy and Terms of Service apply.

注目キーワード