年金は「老齢年金」だけじゃない
年金はいつからもらえる?65歳より前にもらえる年金も意外とある
提供元:Mocha(モカ)
【55歳・60歳】夫が遺族厚生年金をもらえるかは年齢次第
遺族厚生年金における男女差をめぐっては、もう一つ大事な年齢を押さえておきましょう。実は、妻を亡くした夫は、(生計維持要件等を満たしていても)妻が亡くなった当時に55歳以上でなければ、遺族厚生年金の受給権を得られません。また、遺族基礎年金の受給権を有する場合を除いて受給開始は60歳からです。それに対して妻は、夫の死亡時に30歳未満で子どもがいない場合は5年間の有期給付ではあるものの、子どもがいるもしくは30歳以上であれば、再婚等をしない限り一生涯支給されることになります。
遺族厚生年金の男女差はその問題点が度々指摘されてきました。2025年に予定されている年金制度改正では、男女差を解消して40歳(20年かけて60歳に引き上げ)未満の子どものいない配偶者を原則5年の有期給付とする案が議論される模様です。先ほど紹介した中高齢寡婦加算もまた、段階的な縮小および将来的な廃止が厚生労働省の審議会で議論されるなど、2025年は遺族年金の見直しに向けた動きから目が話せません。
【60歳】iDeCo(個人型確定拠出年金)は加入期間で受給開始年齢が決定
公的年金の上乗せとして、加入の申込から掛金の拠出、運用方法、受給方法(年金・一時金・年金と一時金の併用)、すべてをみずから決定することができるiDeCo。今回は主に、公的年金の受給に関わるさまざまな年齢を紹介していますが、iDeCoを活用して資産形成に取り組んでいる人は、その出口も気になることでしょう。
iDeCoで積み立てた資産を、老齢給付金として受給を請求する時期は、60歳から75歳になるまでの間で選択可能です。なお、60歳で受給を開始するためには10年以上の加入期間等が求められるなど、それぞれの受給開始年齢に必要な加入期間等が定められています。いつどのような方式で受け取るのが適切かどうかは、60歳以降の就労状況や、公的年金等の額、退職金といった、老後資金全体の枠組みの中で判断することが望ましいでしょう。その際、手取り額ベースで受給計画を立てる点も重要なポイントです。
<iDeCoの受給開始年齢と必要とされる加入期間等>
【60代前半】特別支給の老齢厚生年金(男性:1960年度・女性:1965年度以前生)
詳しくは次の項目で紹介しますが、老齢年金(老齢基礎年金・老齢厚生年金)の標準的な受給開始年齢は65歳です。しかしながら、厚生年金保険への加入歴が1年以上ある、1961年4月1日以前生まれの男性と1966年4月1日以前生まれの女性は、65歳を迎えるより前に「特別支給の老齢厚生年金」がもらえることを知っていましたか。例えば、1960年4月2日生まれの男性は64歳、女性は62歳から報酬比例部分の受給が可能です。
<特別支給の老齢厚生年金の受給開始年齢>
特別支給の老齢厚生年金には、繰り下げ制度はありません。そして、受給開始年齢から5年を過ぎても請求をしていない場合、その後1ヶ月分ずつ時効が発生して、本来受け取れるはずだった年金が受け取れなくなってしまいます。受給開始年齢に到達したらすぐに請求を行うとともに、請求手続きを忘れていないかを家族とともに今一度確認しましょう。
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