TOPIXに詳しくなる(5)

【JPX総研】TOPIXを区分して見る(サイズ・スタイル編)

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2.パフォーマンス

まずはサイズインデックスのパフォーマンスについて見てみましょう。

直近5年間(2020年1月6日~2024年12月30日)において、2020年1月6日時点の指数値を100とし、TOPIXと主要なサイズインデックスであるTOPIX 100(大型)・TOPIX Mid 400(中型)・TOPIX Small(小型)の終値を比較したものが下のグラフになります。前半もパフォーマンスに一定の差は見られますが、特に直近1~2年間は大きな変化があり、一貫して大型がTOPIXよりアウトパフォームしていることが分かります。

【グラフ1:直近5年間パフォーマンス(TOPIX・主要なサイズインデックス)】

これは、小型株に比べて大型株は海外投資家の資金が入りやすい傾向がある中で、近年は海外投資家を中心に、特に円安の恩恵を受けやすい大型の輸出関連株など外需株に資金が流入したことが要因と言われています。

長期のパフォーマンスについても見てみましょう。1998年以降の期間で比較したものが以下のグラフになります。また、大型の指数値を小型の指数値で割った値(右軸)の推移(※)も載せており、過去との比較で上昇傾向にある時は大型株優位な相場で、下落傾向にある時は小型株優位な相場であることを示しています。

(※)比率は指数値の水準に影響を受けるため、あくまで上昇・下落の傾向を把握するもの。

【グラフ2:長期パフォーマンス(TOPIX・主要なサイズインデックス)】

近年はこの比率が上昇傾向にあり、大型のパフォーマンスが好調なことを示していますが、長期で見ると下落傾向にある期間、すなわち、小型のパフォーマンスが良い期間が長いことが分かります。また、時期によって大型株優位の相場と小型株優位の相場が移り変わっていることも分かります。

次はスタイルインデックスのパフォーマンスを見てみましょう。

直近5年間(2020年1月6日~2024年12月30日)における、TOPIXと主要なスタイルインデックスであるTOPIXバリュー・TOPIXグロースの終値を比較したものが下のグラフになります。前半はバリュー指数よりグロース指数のパフォーマンスが良い一方、後半はこの傾向が逆転していることが分かります。

【グラフ3:直近5年間パフォーマンス(TOPIX・主要なスタイルインデックス)】

2020年以降にグロース指数が好調であった理由としては、コロナ・ショック以降、世界中で積極的な財政政策・金融緩和政策が打ち出されたことに加え、非接触ニーズの高まりからデジタル化が加速したことなどを受け、ハイテク銘柄を中心とするグロース株が大きく上昇したものと思われます。

一方で、近年は米国の著名投資家であるウォーレン・バフェット氏による割安株への投資や、東京証券取引所による『資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応』の要請といったコーポレートガバナンス改革などの要因により、バリュー株が押し上げられたものと思われます。

用語解説

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