すべての人が「160万円」ではない
「年収の壁160万円」引き上げでいくら減税になる?【年収200万, 400万, 600万, 800万, 1000万円で試算】
提供元:Mocha(モカ)
年収200万円・400万円・600万円・800万円・1000万円の人の減税額は?
年収の壁が最大160万円に引き上げられることで、実際いくら減税になるのでしょうか。年収200万円・400万円・600万円・800万円・1000万円の人の減税額を筆者が試算しました。
<年収別の減税額>
年収200万円の場合、基礎控除は95万円、減税額は年間で2.4万円となりました。
年収が400万円・600万円・800万円と増加するにしたがって、基礎控除の上乗せが減るために基礎控除の合計金額が減ります。これにより、減税額は年間2万円〜3.1万円となっています。
給与収入が850万円を超えると基礎控除の上乗せがなくなります。年収1000万円、基礎控除58万円で計算すると、減税額は2万円となります。
つまり、減税額はおおむね2万円〜3万円程度ということになります。
手取り増の効果は期待薄?
自由民主党・公明党の「基礎控除の特例の創設について」には、今回の基礎控除の特例は「低所得者層の税負担に対して配慮する観点や、物価上昇に賃金上昇が追いついていない状況を踏まえ、中所得者層を含めて税負担を軽減する観点」から行われると記載されています。また、上で示したグラフにも書かれているのですが、基礎控除の上乗せは納税者の8割強、4600万人が対象になると記載されています。
基礎控除の上乗せによって減税が行われ、確かに手取りは増えます。しかし、「160万円の壁」となる給与収入200万円以下の人はそのうちの300万人しかいません。また、給与収入200万円を超える人の基礎控除の上乗せは段階的に減るうえ、現状では基礎控除の上乗せは2025年・2026年の2年限定です。2027年には基礎控除の上乗せがなくなるため、実質的な増税になります。
何より、制度がわかりにくいのが難点です。日本の税の三原則は「公平・中立・簡素」ですが、残念ながらまったく簡素ではありませんし、公平・中立なのかも疑問が残ります。
税金や社会保険料が高く、物価上昇が続き、給与がなかなか上がらない今、生活が苦しい人は年収を問わずたくさんいます。年2〜3万円程度の減税が行われても、手取り増はほんの少しだけです。
政府には国民のほうを向いていただき、効果があってわかりやすい制度を検討していただきたいものです。
[執筆:マネーコンサルタント 頼藤太希]
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