【JPX総研】2024年の東証指数ランキング ~パフォーマンスが良かった指数は!?~

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昨年7月11日にTOPIXは取引時間中の史上最高値の2,946.60ポイントを記録しました。一時、8月5日に歴代2位の下落率(-12.23%)となり、翌日には歴代4位の上昇率(9.3%)となるなど、不安定な値動きを見せる場面もありましたが、その後は堅調に推移し、TOPIXは1年間で20.5%の上昇となりました。

TOPIXの構成銘柄を時価総額などによって分類するサイズインデックス(TOPIX Core30, TOPIX Large70, TOPIX Mid400, TOPIX Small)を、2023年1月4日を100ポイントとして比較しました。(グラフ1)

TOPIXサイズインデックスの推移 [2023.1.4基準](グラフ1)

グラフ1を見てみますと2024年はCore30の上昇率が最も高く、次にLarge70が続きました。Core30のTOPIXに対する上昇率は、2023年においては+4.8%、2024年においては+6.8%と、TOPIX対比で比較すると、2024年は2023年に比べても時価総額の大きい銘柄で構成されるCore30のパフォーマンスが良い傾向にあったことが分かります。

TOPIXサブインデックスの中には、時価総額等によって銘柄を分類するサイズインデックスだけでなく、PBR等を用いて銘柄を分類するスタイルインデックスもあります。詳しくは、「【JPX総研】TOPIXを区分して見る(サイズ・スタイル編)」をご参照ください。

東証指数の一覧や各年のパフォーマンスの状況は「指数一覧表・パフォーマンス一覧」として取りまとめておりますので、こちらを利用してもう少し詳しい状況を見てみましょう。

【指数一覧表・パフォーマンス一覧】
https://www.jpx.co.jp/markets/indices/line-up/jr4eth0000000nby-att/mapping_j.pdf

「指数一覧表・パフォーマンス一覧」に掲載しており、先物やETF等の連動商品が組成されている指数のうち、2024年のリターン上位5指数は表1のとおりとなりました。

2024年リターン上位5指数(表1)

指数名 リターン
TOPIX高配当40指数 31.2%
TOPIX Core30 27.3%
TOPIX 100 24.0%
S&P/JPX 配当貴族指数 23.9%
S&P/JPX 500 ESGスコア・ティルト指数(0.5) 22.8%
TOPIX(参考) 20.5%

※「指数一覧表・パフォーマンス一覧」より抜粋

上位2指数のTOPIX高配当40指数、TOPIX Core30は、それぞれTOPIX100の構成銘柄の一部を構成銘柄としています。3位のTOPIX100も含め、時価総額の大きい銘柄を構成銘柄とする指数が、上位を占めています。

また、TOPIX高配当40指数やS&P/JPX 配当貴族指数といった、配当をテーマとした指数が、2023年に引き続きパフォーマンスが良いことが分かります。
【JPX総研】2023年の東証指数ランキング ~パフォーマンスが良かった指数は!?~

TOPIX高配当40指数とS&P/JPX配当貴族指数の概要(表2)

指数名 TOPIX高配当40指数 S&P/JPX 配当貴族指数
ユニバース TOPIX100 TOPIX
指数概要 実績配当利回りが高い銘柄から構成 過去10年間配当水準を維持、または増配した銘柄から構成
銘柄数 40 40~50
連動ETF iFreeETF TOPIX高配当40指数(1651) One ETF 高配当日本株(1494)

特に、1位であったTOPIX高配当40指数は、TOPIX100対比で+7.2%もの高いパフォーマンスを実現しています。TOPIX高配当40指数の構成銘柄(表3)は日本を代表する大企業の中から実績配当利回りが高い会社が選ばれており、皆さんもご存じの有名な企業が多く含まれているのではないでしょうか。

TOPIX高配当40指数の構成銘柄一覧(表3)

銘柄
コード
銘柄名 銘柄
コード
銘柄名
1925 大和ハウス工業 8001 伊藤忠商事
1928 積水ハウス 8002 丸紅
2503 キリンホールディングス 8031 三井物産
2914 日本たばこ産業 8053 住友商事
3407 旭化成 8058 三菱商事
4188 三菱ケミカルグループ 8306 三菱UFJフィナンシャル・グループ
4502 武田薬品工業 8309 三井住友トラストグループ
4503 アステラス製薬 8316 三井住友フィナンシャルグループ
5020 ENEOSホールディングス 8411 みずほフィナンシャルグループ
5108 ブリヂストン 8591 オリックス
5401 日本製鉄 8604 野村ホールディングス
5802 住友電気工業 8630 SOMPOホールディングス
6178 日本郵政 8697 日本取引所グループ
6301 小松製作所 8725 MS&ADインシュアランスグループホールディングス
7201 日産自動車 8750 第一生命ホールディングス
7203 トヨタ自動車 8766 東京海上ホールディングス
7267 本田技研工業 9101 日本郵船
7270 SUBARU 9432 日本電信電話
7751 キヤノン 9433 KDDI
7974 任天堂 9434 ソフトバンク

(2024年12月末時点の構成銘柄)

TOPIX高配当40指数に連動するETFは、2017年9月26日に上場しました。当時、大和証券投資信託委託(現 大和アセットマネジメント)は、高配当×大型優良銘柄というETFの組成に至った思いを、次のように記載しています。

安倍政権が「稼ぐ力の向上」を成長戦略に掲げてから、日本版スチュワードシップ・コードやコーポレート・ガバナンス・コードが制定され、企業は効率的な経営を行う機運が高まりました。そのなかでも、株主還元の重要性が意識されはじめ、高配当銘柄に注目が集まるようになってきました。
このような動きと相まって、世界的に低金利環境が続き、高配当銘柄の注目度はひときわ高くなってきており、我々は手軽に高配当銘柄への投資機会をご提供したいと考えました。さらに、昨今の不透明感が高まる相場環境では、大型優良銘柄への投資機会もご提供していきたく、高配当の大型優良銘柄に投資する当ETFの組成に至りました。
新規上場ETF・ETNの横顔 2017/09/20 大和投資信託
https://money-bu-jpx.com/news/article004822/

「世界的な低金利環境が続くなか、株式市場における配当利回りの期待は今後より高まっていき、さらに、不透明感が高まる相場環境において、大型優良銘柄への投資も注目されていく。」という思いに対し、高いパフォーマンスという結果として、実証されているのかもしれません。

S&P/JPX配当貴族指数も、TOPIX対比で+3.4%の高いパフォーマンスを実現しています。特に、過去10年間のリターン(表4)を見ると、S&P/JPX 配当貴族指数は+222.5%と3倍以上となっており、TOPIXの+148.8%に比べても高いパフォーマンスです。これは、10年以上前から算出しているJPX総研の指数(共同指数を含む)の中で1位であり、“長期でも”高いパフォーマンスとなっています。

過去10年リターン上位5指数(表4)

指数名 リターン
S&P/JPX 配当貴族指数 222.5%
JPX/S&P 設備・人材投資指数 191.2%
東証配当フォーカス100指数 187.2%
TOPIX Core30 169.0%
TOPIX 100 165.2%
TOPIX(参考) 148.8%

※「指数一覧表・パフォーマンス一覧」より抜粋

2023年に引き続き、2024年も時価総額の大きい銘柄若しくは配当に着目した指数のパフォーマンスが良好な結果でした。「指数一覧表・パフォーマンス一覧」は日本の各年のマーケットの動きを細かく分析するために便利な資料となっておりますので、ぜひご活用ください。

【指数一覧表・パフォーマンス一覧】
https://www.jpx.co.jp/markets/indices/line-up/jr4eth0000000nby-att/mapping_j.pdf

(東証マネ部!編集部)

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