3つのNG行動と備える方法を解説
株価が暴落したらどうすればいい?
提供元:三菱UFJモルガン・スタンレー証券
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株価は日々変動しており、ある日突然暴落することもあります。株価が暴落した際に慌てないためには、日頃から対処法を考えておくことが重要です。あらかじめ対策を講じておけば、いざというときに冷静な対応が可能となります。
この記事では、株価が暴落したときの対処法とやってはいけないこと、日常的な備えについて解説します。
株価暴落はなぜ起こる?
株価暴落は、市場に上場しているほとんどの銘柄が大きく値を下げる現象です。一般的に、株価は企業業績や景気動向に沿って変動しますが、何らかのきっかけで大量の売り注文が出て、それに見合う買い手がつかない状況になると急激に下落します。
株価変動の主な要因は以下のとおりです。
●企業の業績や成長性
●景気や金利の動向
●為替相場の変動
●国際情勢や政治的要因
●自然災害や重大事故
特に暴落時には、最初の売りをきっかけに投資家の不安心理が高まり、さらなる売りを誘発します。この「売りが売りを呼ぶ」連鎖的な動きによって、株価の下落が加速度的に進行していくのです。
また、災害や事故の発生時には、企業活動への直接的な影響や、将来の業績悪化を懸念した投資家の売り行動により、株価が急落する場合があります。
株価暴落時にやってはいけないこと
思いがけず株価が暴落し、資産が目減りすると精神的に動揺する方も多いでしょう。しかし、そのようなときこそ冷静になることが求められ、以下のような行動は避けるべきとされています。
狼狽売り
「狼狽売り」とは株価の急落に動揺して冷静な判断ができなくなり、パニック状態で持ち株を売却してしまう行動を指します。
狼狽売りを避けるべき理由は、売却のタイミングを誤りやすい点にあります。株価が急落したあとは、数ヶ月から数年で回復するケースが一般的です。一時の感情で売却してしまうと、その後の株価上昇の機会を逃し、損失を確定させてしまう可能性が高くなります。
株価が急落した場合は一呼吸置き、冷静に状況を分析する必要があります。あらかじめ決めていた投資計画や損切りルールに基づいて、感情的にならずに判断しましょう。
積立投資をやめる・金額を下げる
積立投資は長期的な資産形成を目指す投資手法であり、株価が暴落したとしても、中断したり金額を減らしたりすることは得策とはいえません。
積立投資の特徴は、定期的に一定額を投資することで、購入価格を平均化できる「ドル・コスト平均法」の効果が期待できる点にあります。そのため、株価が下がったときは同じ投資金額でより多くの株式を購入できるタイミングと捉えられるのです。
市場の短期的な値動きにとらわれず、コツコツ同じ金額で積立を続けていく姿勢が安定的な資産形成につながります。
株価暴落時にできること
株価が暴落した場合の対応は、値下がりの原因や投資の目的によって異なります。ここでは、4つの選択肢を紹介します。
動かず様子を見る
株価暴落時に真っ先に検討したい選択肢が「動かずに様子を見る」という対応です。特に長期投資を前提としている場合、突発的な株価の下落に過度に反応する必要はありません。株価の下落は一時的な現象であり、経済は長期的には成長する傾向といわれているためです。
特に投資初心者は、暴落時の短期的な売買で利益を得ようとするのは危険です。底値の見極めは、経験豊富な投資家でも難しい判断です。また、売却のタイミングを誤ると、かえって損失を確定させてしまうことにつながります。
冷静に保有を継続すると、長期的には市場の回復によって利益を得られる可能性があります。
買い増しする
株価暴落時は、優良企業の株式を割安な価格で購入できる機会とも捉えられます。長期的な値上がり益を期待して、保有している銘柄を買い増しすることも選択肢の一つです。
保有している銘柄の株価が下がったときに、さらに買い増しする方法は「ナンピン買い」と呼ばれ、平均取得単価を下げる効果があります。例えば、1万円で購入した株式が7,000円まで下落した際に同数量を買い増すと、平均取得単価は8,500円となります。
ただし、買い増しには慎重な判断が必要です。企業の財務状況や成長性を十分に分析し、一時的な下落なのか、他に問題があるのかを見極めましょう。
売却する
短期での利益確定を目指している場合や、暴落が長期化する可能性が高いと判断される場合は、売却が視野に入ってきます。ただし、株価暴落時の売却は、事前に定めた投資方針や損切りルールに基づいた判断が必要です。
損失を抱えたままやむを得ず保有を続ける「塩漬け」状態は資金が長期間固定化され、他の投資機会を逃す恐れがあります。また、回復の見込みが低い銘柄を抱え続けると、さらなる損失となる可能性もあります。
損失の確定には心理的なダメージを伴いますが、時には売却による損失確定が長期的に見て賢明な判断となる場合もあるでしょう。
買い増し・売却は分散する方法もある
株価暴落時の売買は一括ではなく、複数回に分ける方法もあります。これは「時間分散」と呼ばれる手法で、市場の急激な変動リスクを抑える効果が期待できます。
例えば、売却する場合は資産を3回から4回に分けて段階的に売ると、最悪のタイミングの回避が可能です。同様に、買い増しの場合も資金を分割して投資すると、平均取得単価を平準化できます。
この方法のメリットは、その後の相場の変動による大きな損失を防止できる点です。特に、相場の先行きが不透明な暴落時には、有効な方法といえます。
【保有資格】CFP®(日本FP協会認定)