乙武先生!金融教育、見にきてください まねぶー前編
お金と向き合う学習アプリ学習アプリ「まねぶー」はなぜ生まれたのか? 誕生秘話を乙武洋匡が直撃!
「ヒトに“HAPPY”を」の理念に基づいた取り組み
乙武 そもそもこの「まねぶー」は、どのような経緯で開発されたものなのでしょうか。
中村 KDDIグループとして、SDGsの4番目にあたる「質の高い教育をみんなに」への貢献を検討し始めたことがきっかけのひとつになります。ちょうど社会的にも、老後2000万円問題に端を発し、資産運用の重要性に対する注目が高まっていましたし、小中高での金融教育導入といった動きがあったことから、子どもの金融教育に白羽の矢を立てた形ですね。
乙武 教育とひとくちにいっても、外国語教育もあればプログラミング教育もあり、なかなか幅広い分野だと思います。そのなかで金融教育にフォーカスした要因は何ですか?
中村 私たち40~50代から見ると、投資の重要性がことさら強く言われるようになったのは、本当にここ数年のことだと思います。でも、関心を持ってこなかった人にとっては、何から始めればいいのかわからず、心理的ハードルが高いのが実情です。そこで、なるべく早期からそうしたテーマに触れられる環境が作れたら、我々世代のように大人になってから困る人を減らせるのではないかと考えたんです。
乙武 たしかに、いまだに銀行預金の残高を見て満足している人は、少なくないですものね。
中村 そうなんです。それに、弊社のクレドに「ヒトに“HAPPY”を」というミッションがありまして、ここにもシンクロする事業になるだろう、との思いもありました。
乙武 では、子どもたちにお金の大切さや経済の仕組みを伝えるうえで、このようなゲーム形式を採ったのはどのような理由がありますか。
高田 弊社がオファーを受けた時点で、ターゲットは子ども、そしてよりカジュアルにお金に関する知識が得られるコンテンツを、という前提が決まっていました。それならゲームが一番だろうと、そのあたりはわりと自然に着地したように思います。
中村 最初にオファーを差し上げたのが、2019年の終わり頃だったように記憶しています。そして「まねぶー」の正式リリースが、2021年の6月になります。
乙武 すると、実質1年強で企画からローンチまで漕ぎ着けたわけですね。
高田 そうですね。まずベータ版を作って、それを元にmedibaさん側でユーザーアンケートを募ってもらい、得られたデータを活用して本開発に移行した、という流れになります。
乙武 現在までの反響や成果はいかがでしょう。
中村 いまの時点で15万ダウンロード(※2024年12月時点)まで来ました。それなりの数字ではありますが、まだまだ伸ばせると思っています。