乙武先生!金融教育、見にきてください まねぶー前編

お金と向き合う学習アプリ学習アプリ「まねぶー」はなぜ生まれたのか? 誕生秘話を乙武洋匡が直撃!

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「お買い物」は誰もが親しんできた行為

株式会社ORSO サービスプロダクト事業開発本部・高田和彦氏

乙武 開発にあたって意識したことは何ですか。

高田 「まねぶー」はお金に関することを“勉強する”ものではなく、ゲームという媒体を使って、楽しみながら“触れてもらう”ことに主軸を置いています。そうしてまずは自然に興味を持ってもらうことが大前提ということですね。

乙武 しかし、子どもたちにお金や経済に関心を持ってもらうというのは、決して簡単なことではないのでは?

高田 おっしゃる通りなのですが、お買い物という行為自体には、誰しも幼い頃から馴染みがあるはずです。親御さんと一緒にスーパーへ行くという体験もあるでしょうし、テレビでも「はじめてのおつかい」というコンテンツがヒットしています。それに、家庭で初めて経験するお手伝いとしても、買い物はわりと定番だと思いますから、そのあたりはあまり心配していませんでした。

乙武 お買い物を疑似体験してもらいさえすれば、決して小難しいことではない、と。

高田 そうですね。そしてその疑似体験を通して、基本的なお金の流れや商売の仕組みに触れてもらう。これが最大のコンセプトです。だからこそ、わかりやすいものであることが絶対条件でした。

乙武 対象年齢が3~8歳となれば、そこは欠かせないですよね。

高田 大人の感覚で作ってしまうと、絶対に理解されない部分が出てきますから。そこでmedibaさんや弊社のなかで、ちょうどターゲットに近い年齢のお子さんを持つ家庭に協力してもらい、実際にプレイしてもらって意見を聞くようなことを何度も繰り返しました。

乙武 また、子どもを対象にするといっても、実際には未就学児から18歳の高校生まで幅広い層が「子ども」として括られると思います。そのなかでどこにターゲティングするかという点については、どのような議論があったのでしょうか。

中村 お買い物体験を通して早期に経済を知るというコンセプトからすると早いほどいいですから、3~8歳をイメージするのが妥当だろうと、すんなり決断しました。

乙武 しかし、3歳というとかなり幼い印象もあります。

中村 そうなのですが、最近の子どもはiPadを感覚的に使いこなしていたりしますから、意外とすんなり適応してくれるのではないかという期待もありました。

乙武 なるほど、たしかにそうかもしれません。親のiPadで勝手にYouTubeを見ているような子どもも、珍しくないですものね。後編ではゲームとしての「まねぶー」のさらなる詳細と、その世界観について掘り下げていきたいと思います。

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お話を伺った方
乙武 洋匡
1976年、東京都出身。早稲田大学政治経済学部卒。大学在学中に出版された『五体不満足』が600万部を超すベストセラーに。卒業後はスポーツライターとして活動。その後、小学校教諭、東京都教育委員などを歴任。地域に根差した子育てを目指す「まちの保育園」の経営に参画。2018年からは義足プロジェクトに取り組み、国立競技場で117mの歩行を達成。2000年、都民文化栄誉章を受賞。
著者/ライター
友清 哲
1974年、神奈川県生まれ。大学卒業後、編集プロダクション勤務を経て独立。主な著書に『日本クラフトビール紀行』『物語で知る日本酒と酒蔵』(共にイースト・プレス)、『この場所だけが知っている 消えた日本史の謎』(光文社知恵の森文庫)、『作家になる技術』(扶桑社文庫)、『一度は行きたい「戦争遺跡」』(PHP文庫)ほか。また近著に、『横濱麦酒物語』(有隣堂)がある。
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