2025年6月24日上場
379A:グローバルX S&P500 ETF(ダイナミック・プロテクション)
提供元:Global X Japan
2025年6月24日に【グローバルX S&P500 ETF(ダイナミック・プロテクション)】(銘柄コード:379A)が新規上場することから、この新しいETFの特徴、組成や設定のねらいについてご紹介いたします。
基本情報
銘柄名・ コード |
グローバルX S&P500 ETF(ダイナミック・プロテクション)(379A) | ||
ファンドの特色 | 主にS&P500指数の採用銘柄に投資するとともに、短期的に米国株式市場の相場変動が大きいと判断された場合のみ、S&P500指数を対象としたコール・オプションの売却を組み合わせたカバード・コール戦略を構築します。 | ||
対象指標 | S&P 500 Dynamic Covered Call Index(配当込み、円換算ベース) | ||
対象指標の概要 | S&P 500 Dynamic Covered Call Indexは、S&P Dow Jones Indices LLCが開発したインデックスです。基本的にはS&P500指数のロングポジションをとりますが、短期的なS&P500指数の値動きが激しいと判断された場合に、S&P500指数を対象とするコール・オプションの売却を組み合わせたカバード・コール戦略を構築します。
カバード・コール戦略実施の判断は週次で行います。カバード・コール戦略実施時はS&P500指数の終値に対して3%上乗せした水準の権利行使価格で、翌週金曜日に満期を迎えるコール・オプションを売却し、満期日の前営業日にポジションを解消します。 |
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計算期間 | 毎年1月11日~4月10日、4月11日~7月10日、7月11日~10月10日、10月11日~翌年1月10日 (※最初の計算期間は2025年6月20日から2025年10月10日まで) |
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分配金支払基準日 | 毎年1月10日、4月10日、7月10日、10月10日(年4回) | ||
管理会社 | Global X Japan株式会社 | ||
信託受託会社 | 三井住友信託銀行株式会社 | ||
売買単位 | 1口単位 | ||
信託報酬 | 0.10%(税込0.11%)以内 | ||
上場日 | 2025年6月24日(予定) |
新しいETF組成の思い
グローバルX S&P500 ETF(ダイナミック・プロテクション)は、基本的にはS&P500指数のロングポジションをとりますが、短期的なS&P500指数の値動きが激しいと判断された場合に、S&P500指数を対象とするコール・オプションの売却を組み合わせたカバード・コール戦略を構築するETFです。
長期間で見て良好なパフォーマンスを示してきた米国株式市場ですが、短中期的に見た場合に、金融政策や地政学リスク、外交・政治リスクなど様々な要因から急激な調整局面を経験してきたこともまた事実です。当ETFでは、堅調な相場への追随を目指しつつ、急激な相場変動に対しては機動的に下落耐性をポートフォリオに付与する戦略を採用しています。これによって、長期的に保有した場合、より優れた投資効率を投資家の皆様に提供できると考えています。
新しいETFの特徴
トランプ政策に揺さぶられる米国株式市場
生成AIを中心としたイノベーション関連銘柄の伸長や米国経済の底堅さが追い風となり、2024年は概ね堅調に推移してきた米国株式市場ですが、2025年に入ってからは、再び就任したトランプ大統領が打ち出す政策などによって、不安定な相場となっています。とりわけ4月前半には、S&P 500指数が1週間で約12%の下落を記録する急な調整局面を経験しました。
その主因となったのが、トランプ大統領による相互関税政策の発表です。米国への全輸出国に基本税率10%を、対米貿易黒字の大きい国・地域を対象に上乗せ税率を適用すると発言し、市場の混乱を招きました。関税政策による企業業績への影響が警戒され、市場全体に売りが波及し、リスクオフの流れが加速しました。
その結果、米国株式市場のボラティリティを測る代表的な指数であるVIX指数の値も、コロナショック時以来の水準に上昇しました。VIX指数は、相場の先行きに対する投資家の不安心理が高まると上昇する傾向があるため、今回の上昇は関税政策などに関する投資家の警戒感の高まりが反映されたと見ることができます。
ただし、4月後半からは好調な決算発表や関税政策に関する緊張緩和の兆しを受けて、株価は反発し、5月15日時点ではS&P500指数は4月前半の下落分を回復しています。とはいえ、市場には「いつどこで再び大きな相場変動が起きてもおかしくない」という警戒感が残っているのも実情です。
(出所)BloombergよりGlobal X Japan作成
急激なボラティリティの上昇が見られるタイミングで機動的にポジションを構築
このような「上昇相場を想定しながらも、急変動リスクも孕む局面」においては、柔軟かつ戦略的にリスク・リターンを調整する運用アプローチが求められます。当ETFでは、機動的にコール・オプションを売却するカバード・コール戦略でアプローチします。
この戦略は、S&P 500指数へのロング(買い)ポジションを基本としながら、短期的な市場の変動が顕著に高まったと判断されたときにのみ、週次のコール・オプションを売却する仕組みを採用しています。一般的に、カバード・コール戦略ではオプション・プレミアムを受け取る代わりに株価の上昇分をギブアップしますが、当戦略においては、オプションを売却する前営業日のS&P 500指数の引け値を基準に、3%アウト・オブ・ザ・マネーのコール・オプションを売却するため、カバード・コール戦略を構築している期間でも、一定程度は市場の上昇に追随することが可能です。
このようなダイナミックな戦略は、相場の局面に応じたポジションを取る柔軟性をファンドにもたらします。米国市場が安定して上昇している局面では、市場の上昇と同等のリターンを享受できる一方、急激なボラティリティの上昇が見られるタイミングでは、コール・オプションの売却によって獲得したプレミアムが、株価下落時の損失を抑える仕組みです。
重要なのは、この戦略が「常に守りの姿勢を取る」のではなく、「必要としているときにのみ守りを入れる」というアプローチを採っている点です。上昇相場への参加を妨げることなく、相場の変動が激しい局面では、機動的にリスク抑制的な対応へ切り替えることが可能となります。