ブルームバーグ発:インデックス投資の魅力発掘シリーズ
フォーカス型インデックス投資ってなんだろう
提供元:ブルームバーグ L.P.
インデックス投資と言いますと、やはり全世界の株式市場の値動きを表す「オールカントリー」や、米国株式市場の値動きを表す「S&P500」などを連想される方も多いのではないでしょうか。
確かに金融市場における「インデックス」の元々の意味としてはある市場全体の値動きを表す指標と言う定義でしたが、最近ではよりフォーカスした戦略をトラックする「フォーカス型」の投資戦略を「ルールに基づいたインデックス=指標」を利用して行う投資戦略も増えてきているようです。今回はそんなフォーカス型のインデックスと、その利用方法についてお話します。
フォーカス型インデックス投資とは
フォーカス型インデックス投資とは、特定の市場セクターやテーマに絞ってインデックス投資を行う戦略です。インデックス投資は、市場を表すインデックスに基づき投資信託やETFなどを運用する方法で、フォーカス型インデックス投資は、そのインデックスファンドを、例えば「テクノロジー株に特化したインデックスファンド」のように、特定のフォーカスしたテーマに絞って運用するものです。
フォーカス型インデックスと言っても様々な種類があります。例えば、特定のテーマへ投資するもの。最近人気のあるものとしてはAI、電気自動車、半導体、ロボティクス、再生可能エネルギー、など、その分野でのマーケットシェアなどが高い銘柄をテーマ別に集めたものや、「高齢化」をテーマとし高齢化が進む社会において、直接的または間接的に恩恵を受ける製薬やヘルスケア、または高齢者施設の運営などをする優良企業を集めたものなど、その種類は様々です。世界的にもテーマ型のETFに対する流入金額が増えており、2024年11月ではその運用額の総額は3240億ドルにも上ります。(図1)
さらには、弊社調べによりますと世界の73%のETF発行体が一年以内にテーマ型の新しいETFを発行する予定であるとし、米国ではさらに高く96%の発行体がテーマ型のETFを上場させる予定であるとのことです。(図2)今後も様々なテーマ型の商品が登場しそうです。
銘柄選定を企業のファンダメンタルズと呼ばれる業績や財務状況などをもとに、ある一定のコンセプトで行うフォーカス型インデックスも世界的に人気です。特に「インカム型」と呼ばれる高配当銘柄に注目した戦略や、ここ数年日本でもよく耳にするようになったコーポレートガバナンスを強化する銘柄に注目し、自社株買いや配当利回りの高い銘柄を選ぶことを目的とした「株主還元型」のコンセプトも注目を集めています。
フォーカス型インデックス投資のメリット
インデックス投資の一番のメリットはルールベースで銘柄を選定することにより、流動性や財務健全性、配当利回りなどのある一定の基準を満たしつつ、テーマやコンセプトに沿った銘柄を効果的に選定できるという面です。投資したいテーマやコンセプトが決まっている場合、インデックスを利用した投資は個別銘柄の動向を四六時中追いかけたり、プロ相手に勝つ戦略を見出す努力をするも、よりタイムパフォーマンスの良い投資方法であるともいえるかもしれません。
例えばですが、高配当や高い配当利回りをテーマにした投資を目標とした場合、個別銘柄の配当利回りは増配、減配や、コーポレートアクションなど様々な要因で変化し続けます。さらには株価の変動により配当利回りが変動するため、株価が上昇した際などに割高な銘柄となり「配当利回り」が低下することも考えられます。ルールベースで定期的に高配当の銘柄を選定するインデックスを利用すれば、これらのスクリーニングを定量的に行うことができます。
同じく、AIをテーマにしたインデックスを投資をした場合、新しくAI産業に参入した注目企業や関連銘柄を組み込むことも可能となりますし、逆にAI産業のなかでマーケットシェアが落ち込んだ企業や、企業の方向性の転換をしてAI事業に注力しなくなった銘柄の除外なども可能となります。
これらの高配当インデックスやテーマ型のインデックスをベンチマークとする投資信託やETFなどを利用することにより、銘柄の組み入れや除外がインデックスのルールに基づいて定期的に行われるため、個別銘柄の売買をする必要がなく、投資コストも抑えられます。さらには一口単位で売買できるETFや投資信託を利用することにより、日本の個別銘柄投資の障壁となりえる100株からの投資が必要となくなり、少ない金額での分散投資が可能となります。
フォーカス型インデックス投資のデメリット
より絞ったテーマ型の投資の場合、テーマの関連銘柄に集中することで分散投資ができなくなるというデメリットもあります。さらにはコンセプトが普遍的でない場合、長期的な投資戦略には向かない場合があることもご留意頂きたいと思います。前述のようにテーマを絞った後に個別銘柄を追う必要はないかもしれませんが、大きな経済の流れや、動向、メガトレンドなどを意識しながら時には戦略を見直すことが大切になります。
よりイノベーションが進むフォーカス型投資
上記のようなデメリットに対応するため、様々な新しいタイプのフォーカス型インデックス投資戦略も広がってきています。例えば、メガトレンドを一つに絞らず、その時々で最良なメガトレンドを組み込む全テーマ型や、同じ高配当をテーマにしたインデックス投資でも、より詳細な銘柄選定ルールを基にセクターの分散や投資先の国の分散ができるようにしたものなど、フォーカス型でもより普遍性のある構築方法を利用し、長期的視野を持ったインデックス投資の方法も増えております。
まとめ
弊社のフォーカス型のインデックスをベンチマークとしてご採用頂いたETFでも、よりインフレ時に効果的とされる「プライシング・パワー」の高い銘柄を集めたグローバルX社のグローバルXプライシングパワー・リーダーズ-日本株式ETF (ティッカー:328A)や、より先見的な配当予想データを利用して高配当と高パフォーマンスを目指す大和アセット様のiFreeETFブルームバーグ日本株高配50指数(ティッカー:354A)など、より普遍性の高い戦略を用いて作られたフォーカス型の上場商品もございます。
インデックス投資の方法には様々な種類がありますが、ご自身の興味のあるテーマやコンセプトなど、フォーカス型の戦略も多くの種類がございます。このようなフォーカス型のインデックスの利用は市場全体に投資するインデックス投資よりも、より自分に合った戦略とは何かを考えるいい機会を与えてくれるかもしれません。
ブルームバーグ・インデックス・プロダクト担当
ブルームバーグ・インデックスについて
ブルームバーグ・インデックスは従来の指数に革新的な視点をもたらし、ルールベースで独立した、透明性と汎用性の高い指数を提供しています。ブルームバーグ・インデックスは、資本市場、テクノロジー、データ、プライシング、分析、配信、リサーチに関する専門知識を駆使して、債券、株式、コモディティー、マルチアセット、通貨、仮想通貨、ESGインデックスなど、グローバルな投資コミュニティによるベンチマークニーズを満たす包括的なソリューションを提供します。
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