どれも大切な書類です

年金受給者に届く6つの書類と見るべきポイント

提供元:Mocha(モカ)

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年金に関する書類はいくつもありますが、それぞれの意味やチェックポイントをしっかり把握している方は、意外と少ないのではないでしょうか。

そこで今回は、「年金加入中」「年金受給直前」「年金受給中」の3つの時期に分けて、日本年金機構から届く書類の種類と、最低限ここは確認しておきたいポイントをわかりやすくご紹介します。受け取ったときに迷わないためにも、ぜひ参考にしてください。

年金加入中に届く大切な書類

まだ年金を受け取っていない現役世代の方にも、年金に関する書類はいくつか届きます。主なものが「ねんきん定期便」と「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」です。

●ねんきん定期便
「ねんきん定期便」は、自分がどれだけ年金に加入してきたか、将来どれくらい年金がもらえそうかを教えてくれる大切な書類です。日本年金機構から、毎年自分の誕生月にハガキまたは封書で届きます。

通常はハガキタイプで、直近1年間の年金加入記録が記載されていますが、35歳・45歳・59歳の年は特別に封書タイプで送られ、これまでのすべての年金加入記録や将来の見込額がより詳しく記されています。

とくに確認したいのは、「年金加入記録に抜けがないかどうか」。転職で厚生年金から国民年金に切り替わったタイミングに、うっかり納付を忘れている場合もあります。そのまま未納が続くと、将来の年金受給額が減ってしまうので注意しましょう。

また、50歳未満の人には「これまでの実績に応じた年金額」が、50歳以上になると「老齢年金の種類と見込み額」が表示されます。老後の生活設計を考えるうえでの重要な手がかりになります。

なお、「ねんきん定期便」の情報は、パソコンやスマホからも確認できる「ねんきんネット」でもチェックできます。書類を見逃してしまったときにも安心です。

●社会保険料(国民年金保険料)控除証明書
社会保険料(国民年金保険料)控除証明書は、国民年金の保険料を支払っている人に届く書類です。年末調整や確定申告で保険料の控除を受けるために必要になります。

10月~11月上旬に届くものには、1~9月までの納付額や見込み額が書かれています。2月初旬に届くものは、10~12月分の納付があった場合に再度送られてくるものです。

社会保険料(国民年金保険料)控除証明書をもし紛失してしまっても、ねんきん加入者ダイヤルや年金事務所に連絡すれば再発行が可能です。その際は、マイナンバーまたは基礎年金番号を用意してお問い合わせください。

また「ねんきんネット」のIDを取得している方は、「ねんきんネット」からでも社会保険料(国民年金保険料)控除証明書の再交付申請をすることができます。

年金受給直前(65歳の誕生日を迎える前)に届く大切な書類

65歳の誕生日を迎える前には、年金を受け取る準備が始まります。そのために、いくつかの重要な書類が届きます。

●年金請求書(事前送付用)
年金は、65歳になると自動的にもらえるわけではなく、自分で「受け取ります」と手続きをする必要があります。そのための書類を「年金請求書(事前送付用)」といいます。年金請求書は、65歳の誕生日の約3か月前に届きます。

年金請求書には、基礎年金番号、氏名、生年月日、性別、住所および年金加入記録があらかじめ印字されています。内容を確認して、「もれ」や「誤り」がある場合は、事前にお近くの年金事務所に問い合わせましょう。
また、年金の受給を希望する際は、必要な書類をそろえて、年金事務所やお住まいの市区町村の窓口に提出しましょう。

なお、「繰り下げ受給(年金の受け取りを遅らせて増額する方法)」を希望する人は、年金請求書の提出は不要です。

さらに、年金請求書の提出後から1~2か月ほどでハガキサイズの「年金証書・年金決定通知書」が届きます。年金証書・年金決定通知書には、これから受け取る年金額が書かれています。
この後さらに1~2カ月後に、年金の支払いを案内する「年金振込通知書」が送られてきて、年金の受け取りが始まります。

年金受給中に届く大切な書類

年金を受け取るようになると、毎年いくつかの書類が自宅に届きます。

●年金額改定通知書・年金振込通知書
「年金額改定通知書・年金振込通知書」は、毎年6月ごろに送られてくるお知らせです。年金の受給額は、法律に基づいて「物価や賃金の変動」に応じて毎年見直されます。

1つのハガキに、「今年度の年金額」「2カ月ごとの振込額」「振込先口座」などがまとめて載っています。内容を確認して、自分がいくら受け取っているか、どのくらい控除されているかを把握しておきましょう。

また、年金額改定通知書・年金振込通知書ではその年にいくら年金が支給され、そこから介護保険料、後期高齢者医療保険料、国民健康保険料、所得税、住民税などがどれだけ引かれるかがわかりますので、必ずチェックしましょう。

●扶養親族等申告書
老齢年金には所得税がかかるため、税金の控除を受けるには、「扶養親族等申告書」の提出が必要です。毎年9~11月ぐらいに封書が届きます。扶養家族がいる人や、自分が障害者や寡婦などに該当する人は、忘れずに記入・返送しましょう。提出にあたっては、同封している返信用封筒に、切手(110円)を貼って投函します。

なお、支払われる年金額が一定額(65歳未満は108万円、65歳以上は158万円)未満の場合は、扶養親族等申告書の提出は不要ですので送付されません。

●公的年金等の源泉徴収票
「公的年金等の源泉徴収票」は、1年間に受け取った年金の総額や、差し引かれた税金の金額を知らせる書類です。毎年1月に届き、確定申告が必要な人は必ず使う大切な書類なので、なくさず保管しておきましょう。

この源泉徴収票には、2月~12月に支払われた年金額が記載されています。「支払金額」の欄には、税金や社会保険料を引く前の年金の合計額が表示されています。

ただし、年金から天引きされた「住民税」や「森林環境税」はこの書類に記載されていません。そのため、記載された金額と実際に振り込まれた金額が一致しないこともあります。これは間違いではないので、あらかじめ知っておくと安心です。

年金の書類に目を通そう

年金に関する書類は、正しく年金を受け取るための大切な情報が詰まっています。届いたら封を開けずに放置せず、必ず内容を確認し、提出や手続きが必要な場合は、早めに対応しましょう。

また、「ねんきんネット」や「マイナポータル」と連携しておくと、年金情報の確認や手続きがオンラインでできてとても便利です。あらかじめ「ねんきんネット」のIDを取得しておけば、万一のときも慌てずに対応できます。

普段から少しずつ準備をしておくことで、将来の安心につながります。ぜひこの機会に、年金の書類と向き合ってみてください。

[執筆:ファイナンシャルプランナー 舟本美子]

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