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高利回り債券の運用方法

事業ハイブリッド債の投資機会とは?

提供元:JTG証券

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ハイブリッド債とは、株式(資本)に似た性質を持つ社債等のことで、資本性証券とも呼ばれます。無担保シニア債のような普通の社債に比べ、さまざまなリスクがある代わりに、利回りも高いことが一般的です。ここでは、ハイブリッド債への投資を検討するために重要な、商品の特性の違いを紹介します。

1.ハイブリッド債とは

一般に企業が資金調達のために発行する債券と普通株式には、大きく3つの違いがあります。(1)元本返済についての期限の定めや返済の義務があるか、(2)利息や配当等の定期支払いが義務かどうか、(3)破綻時における請求権(回収順位)の高低です。
こうした3つの異なる点について、両資産の特性を併せ持つのが、ハイブリッド債(証券)です。以下の図に債券・株式・ハイブリッド証券について、3つの特徴を比較しました。

2.なぜハイブリッド債の投資を考えるのか

上記のような特徴を持たせるために、どうしてもハイブリッド債は複雑な商品となりがちです。それでもハイブリッド債への投資を考える理由は、商品特性を反映して利回りや信用スプレッドが高くなっているからです。以下の図表で、通貨別、回収順位別の利回り・スプレッドを比較しました。

(*信用スプレッドは、社債と近い年限で基準となる国債との利回り格差を指します。)

この表が示す通り、同じ発行体の社債の利回りは、下記の傾向を示しつつ、それぞれ大きく異なる水準を取っています。

– 同じ種類の債券では、円建て(1.9~3.6%)より米ドル建て(4.7~8.5%)の利回りが高い。
– シニア債よりも永久劣後債などリスクが高い商品の利回り・スプレッドが高い。
– 社債の信用スプレッドも、円建てよりドル建ての方が大きくなりやすい。ただし、シニア債ではその差がより小さい一方、永久劣後債ではその差がより大きい。

また、同じ表に示した信用格付けについても、下記の傾向を見て取れます。
– 日系格付機関に比べ米系格付機関はより低い格付をつけやすい。
– 日米の格付機関から付与される信用格付の格差は、金融機関より事業会社のほうが大きくなりやすい。

著者/ライター
上田 祐介
Jトラストグローバル証券株式会社
経済調査室 チーフ・インベストメント・ストラテジスト
国内外の投資銀行・証券会社におけるクレジット関連業務の経験を経て2025年より現職に着任。グローバル債券を中心とした最新のリサーチ情報を発信している。
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