金投資について知ろう

提供元:ステート・ストリート・インベストメント・マネジメント

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「金」といえば、宝飾品や金地金や金貨といった実物で、裕福な人や権力を持つ人を思い浮かべるかもしれません。しかし、今や金は特別なものではなく、中央銀行から機関投資家、個人投資家などあらゆる層が上場投資信託(ETF)や投資信託といった形で投資対象としています。金投資を検討するにあたって、知っておきたい5つのポイントを説明しましょう。

金投資について知っておきたい5つのこと

金の希少性は2024年末時点での地上の在庫の総量がオリンピック公式競技用プールの約4.5杯分、埋蔵分の約1.1杯分を合わせても約5.6杯分といわれる限られた資産であることに裏付けられています(図表1)。この希少性の高さのために、危機時やインフレ時に資金の逃避先として選ばれやすい金を保有資産に加えることで、資産全体のパフォーマンスが衝撃に対する耐性を持ちうることが分かっています。以下、5つのポイントを説明しましょう。

図表1:限られた金の総量が希少性の高さを示す

1出所:メタルズ・フォーカス、リフィニティブGFMS、ワールドゴールドカウンシル。2024年12月31日時点のデータに基づいています。
2出所:ステート・ストリート・インベストメント・マネジメントによる推定計算。過去のパフォーマンスは、将来のパフォーマンスの信頼できる指標ではありません。上図は例示目的として記載。

1. 分散効果:金は株式や債券と異なる動きをする傾向があるため、組み入れによって保有資産が価格変動の影響を受けにくくなる可能性がある

– 金相場の動きは株式や債券の動きとの相関が弱いことから、保有資産が価格変動から受ける影響を抑えることができます。金と各資産の相関関係をみると、両者が同じ方向に動く順相関でも逆に動く逆相関でもなく、相関がほぼないゼロに近い結果です。このため株や債券の値動きにほぼ連動しない金を組み込むことで保有資産の多くが下落圧力にさらされた場合の衝撃吸収効果や、上昇している際にもパフォーマンスをよりよくすることに貢献します。

2. 危機時の備え:金は金融市場のさまざまなリスクに対し、金が逃避先として選ばれる傾向があります

– ロシアによるウクライナ侵攻や中東の地政学リスク、2008年の金融危機や新型コロナウィルスのパンデミック(世界的流行)、関税引き上げを中心とした貿易戦争など、金融市場はさまざまなリスクにさらされています。金は市場が混乱している状況で資金の逃避先として選好される傾向にあります。パフォーマンスベースでも危機下において高パフォーマンスをあげています。例えば過去に米国の代表的な株価指数であるS&P500指数が15%以上下落した際の金価格のパフォーマンスをみると、上昇か下げても株価指数よりも下げが限定されていました(図表2)。

図表2: 金は株価下落とショック発生時に上昇する傾向

出所:ブルームバーグ・ファイナンスL.P.、ステート・ストリート・インベストメント・マネジメント。米国株式は、S&P500トータルリターン指数を使用しています。金は金のスポット価格。データ期間は1987年8月25日から2025年4月30日まで。過去のパフォーマンスは、将来のパフォーマンスの信頼できる指標ではありません。インデックスのリターンには、インカム、利益および損失のすべての項目と、配当金の再投資が反映されています。インデックスのパフォーマンスは、ステート・ストリート・インベストメント・マネジメントが運用するいかなる商品のパフォーマンスも反映していません。

3. 長期的なリターン:金は株や債券と同じように、長期にわたってリターンを提供してきた実績があります

– 金は株や債券と同様に、長期にわたってリターンを提供してきた実績があります。例えば1971年8月15日の取引自由化以降、今年5月末までの長期的な目線では、ドル建て金価格の年平均リターンは約8.8%1と、株式や債券と比べても競争力のあるリターンを生み出しています。景気の不況時に買われる傾向にあることがポートフォリオの安定につながることに加え、インフレヘッジや需給の引き締まり傾向に伴う金相場の底堅さは長期的なリターンをもたらしています。

4. インフレへの備え:金は実物としての価値があり、物価高による通貨の価値の下落で魅力が高まりやすい

– 金価格は物価に連動して変動する傾向があります。物価が継続的に上昇するのに伴い通貨の価値は相対的に下落していきます。金は理論上無限に発行できるドルや円などの法定通貨と比べ、供給に限界があるためインフレに伴う通貨価値の下落に対するヘッジとして金が選ばれやすくなります。

5. 金の投資法:金への投資は、金地金や金貨、金を裏付けとするETFや投資信託などがあります

– 金投資は現物と金融商品に大別されます。現物は貴金属商で金地金やコインを購入することや宝飾品の購入があたります。ただし、金地金や金貨は売買の手数料が比較的高いことや現物の安全な保管場所の確保といった課題もあります。純金積み立ては定期的に一定額または一定量の金を購入して、積み立てる方法です。少額で投資できる手軽さがありますが、保管方法について購入者が所有権を持つ「混蔵寄託(特定寄託)」と運営会社が所有権を持つ「消費寄託」といった違いがあることに留意が必要になります。さらに、純金積立は、他の投資手法と比較して、買付手数料やスプレッド(売値と買値の差)などのコストが相対的に高くなる傾向があります。

– 金のETFや投資信託は現物保有のリスクがない上、売買がしやすいという利点があります。なかでもETFは取引所の取引時間中であればいつでも売買を行うことができる上、手数料も低く抑えられています。投資信託は基準価格のみでの取引で相対的に機動性は劣ります。しかし、短期や長期など投資家のスタイルによってETFや投信で使い分けられることは金の魅力の一つと言えます。

図表3:金投資の手段を比較してみよう

1:購入時手数料はありませんが、売買手数料および信託報酬は発生します
2:口座管理手数料は除く 3:購入時手数料はありませんが、取引手数料は発生します
出所:ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ 。過去のパフォーマンスは、将来のパフォーマンスの信頼できる指標ではありません。
用語解説

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