DC/iDeCoとNISAはライバルではなく友達?(1)

DC/iDeCoとNISAの利用は、この1年でどれだけ進んだ?

提供元:三井住友トラスト・資産のミライ研究所

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最近、日本では資産形成に取り組む人が少しずつ増えてきています。
背景には、長寿化や少子高齢化による将来のお金の不安や、物価の上昇などがあり、「お金の備えは自分でしっかりしておこう」と考える人が増えているようです。

この流れを後押ししているのが、「NISA」や「確定拠出年金(DC)」といった税制優遇制度です。

日本証券業協会「個人投資家の証券投資に関する意識調査(2024年)」によると、有価証券への投資について検討したり、興味・関心を持ったきっかけは「投資に関する税制優遇制度(NISA・確定拠出年金)があることを知った」が42.2%とトップでした。特に、20代~30代は「投資に関する税制優遇制度があることを知った」が62.3%、両制度がすそ野拡大に大きな影響を与えていることが伺えます。

そこで今回は、これらの税制優遇制度(企業型DC/iDeCo、NISA)の利用状況を、ミライ研が行ったアンケート調査結果から確認していきたいと思います。

1.税制優遇制度(企業型DC/iDeCo、NISA)は、およそ4人に1人が利用

まずは、DC(企業型DC/iDeCo)とNISAそれぞれの利用状況を確認してみます。

アンケート調査対象である約1万人のうち、資産形成に関する税制優遇制度を何らか利用している割合は26.6%となり、およそ4人に1人の割合であることが分かりました。

制度別では、DCが12.6%(グラフ上のオレンジ+青)、NISAが21.5%(青+緑)となっており、NISAによる資産形成実践者が相対的に多いことが分かります。

また、DCとNISAを両立している人は全体の7.6%(青)となりました。

【図表1】税制優遇制度の利用状況・両立状況

(出所)特に出所を示していない場合、三井住友トラスト・資産のミライ研究所「住まいと資産形成に関する意識と実態調査」(2025年)よりミライ研作成

2.DC・NISAは利用者・両立者ともにこの1年で増加

これらの制度の利用・両立状況は、この1年間でどのように変化したでしょうか。

1年前の2024年1月に調査したデータと比較したところ、どの年代でも「未利用者」が減少しており、税制優遇制度を活用した資産形成が進んでいることが分かります。

特に、「DC・NISA両立」の割合がどの年代でも増えていることも特徴です。

【図表2】DC・NISA利用者割合の時系列比較(2024年-2025年)

3.資産形成に取り組んでいる人の年間資産形成額平均は123万円

現在資産形成に取り組んでいる人は、年間どのくらいの金額の資産形成を行っているのでしょうか。
年代別に分析すると、どの年代でも「1年あたり1万円~50万円」が最多になっています。

一方で、平均額を見ると、全年代の平均は年間123万円であり、単純計算で月額10万円程度が資産形成に回っていることになります。これは50代に向けて年代が上がるにしたがって若干増加していきます。

【図表3】1年あたりの資産形成額 (対象:「資産形成に向けての取り組みあり」との回答者)

4.まとめ

いかがでしょうか。
DCやNISAなどの税制優遇制度は、この1年で利用が進みました。

両制度とも、投資を始める人にとって税金面でのメリットがある制度であり、かつ最近では両制度とも制度改正※により内容が充実してきています。これらの改正も、利用者の伸びにつながっているものと思われます。

次回は、両制度を“両立している人”にフォーカスを当てて分析してみます。

(筆者:三井住友トラスト・資産のミライ研究所 清永 遼太郎)

※参考
◆NISAについて(金融庁)
◆DCの法改正について(厚生労働省)

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