Morningstar Indexesで読み解く配当株の実態(2025年8月1日時点)

提供元:Morningstar Indexes(モーニングスター・インデックス)

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近年、配当株と呼ばれる高い配当を支払う株式のパフォーマンスは米国株式市場全体と比べて劣後してきました。しかし、投資家が何を重視すべきかを理解していれば、高配当株や配当成長株は依然としてポートフォリオに組み込む価値があるかもしれません。

Morningstar.comに掲載された最近の2つの記事「すべての配当株が安全とは限らない:配当トラップを避ける方法」と「配当成長株に関する意外な真実」において、Morningstar Indexesのストラテジストであるダン・レフコビッツ氏は、米国株式市場における配当株を分析し、「配当トラップ」のリスクに言及するとともに、Morningstar米国配当成長株式指数を通じて、配当成長株に対する認識と現実のギャップを検証しています。

投資家にとっての重要なリスクの一つは、高い配当利回りを求めて財務的に問題を抱える企業の株式に手を出してしまうことです。こうした企業の配当は最終的に持続不可能となる可能性があります。上がったものは、いずれ落ちる のです。実際、ダウ・ケミカルによる最近の配当削減や、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス、3Mによる過去数年の減配は、財務的な圧力のもとで行われました。レフコビッツ氏と同僚のサウムヤ・ガッタニ氏は、Morningstar Indexesが配当トラップを回避するために用いている3つのスクリーニング指標(配当性向、エコノミック・モート・レーティング、財務健全性に基づく「デフォルト距離」比率)の有効性を分析しています。

もう一つのよくある誤解は、配当成長株への投資がクオリティの高い成長株への道だというものです。実際には、Morningstar米国配当成長株式指数は現在、市場全体のクオリティの評価基準を下回っており、これは主に、マイクロソフト(MSFT)、アップル(AAPL)、エヌビディア(NVDA)といった非常に収益性の高い米国のテクノロジー株を、市場に対してアンダーウェイトしていたことに起因します。このアンダーウェイトが、この配当成長指数および配当株全体のグループが過去10年間にわたって市場全体をアンダーパフォームする要因となっています。

Morningstar Indexesのストラテジスト、ダン・レフコビッツ氏は次のように述べています。

「市場に対抗する他の取引と同じく、配当株も好調な時期と不調な時期を繰り返します。株式収益を求める投資家は、利回りとトータルリターンのバランスを取り、将来を見据えたスクリーニングを活用して配当トラップを避ける必要があります。配当成長株への投資は、特にリスクを避けたい投資家にとって、株式市場に参加するための合理的な手段です。心強いのは、配当成長株が市場全体よりも安定した値動きを示してきたことです。『クオリティ』という評判に常に応えているわけではないにせよ、配当成長投資は『ディフェンシブ戦略』として十分に正当性を主張できるでしょう。」

当指数に関するお問い合わせは index-jp@morningstar.com 宛までお願い致します。

(提供元:モーニングスター・インデックス)

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