本から開く金融入門

【三宅香帆の本から開く金融入門】

大学生が「お金」について学ぶのに最適な一冊――学生に読んでほしいお金の攻略本

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具体例も多数

本書は2025年に自費出版で生み出された一冊である。それゆえに、最新の知識が綴られているところも、安心して読むことができる点だろう。

学生に読んでほしい、と書いてはいるが、大人にとってもけして無駄な知識にはならない。

ファイナンシャル・プランニングについて書いているところでは、自分の人生をどうやって組み立てていくか、というところまで執筆される。たしかにライフプランを考える時、自分の経済状況を抜きにして考えることは難しい。お金について考えることは、人生について考えることでもある。

住宅ローンの考え方、賃貸契約書の見方、インフレ時代の投資、そして国債の価格変動……これから学生たちの人生にとって重要な知識を、本書は解説しようとする。それは大きな意味で、これから人生に何が起こる可能性があるのか、ということを示すことでもある。

しかしそんな大局観の話だけではなく、具体例も丁寧に本書は伝える。たとえば家計簿アプリの使い方や、新NISAの始め方、奨学金との付き合い方など、具体的かつ実用的な知識についても著者は執筆している。

本書を通して痛感するのは、お金の話は、早く知るのに越したことはない、ということだ。金融リテラシーは、早く知れば知るほど、損を避けやすくなる。

学生の時間はけして戻ってこない。だからこそ、学生のうちに、社会人になる前に、知っておくべき知識はたしかに存在する。そのために本書は堅実な知識を授けてくれる、金融を学ぶはじめの一冊として的確なのではないだろうか。

著者/ライター
三宅 香帆
京都大学大学院人間・環境学研究科卒。会社員生活を経て、現在は文筆家・書評家として活動中。 著書に『人生を狂わす名著50』『文芸オタクの私が教える バズる文章教室』『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』などがある。フリーランスになったことをきっかけに、お金の勉強を始めている。
用語解説

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