資産4億円の個人投資家に聞く「株式投資で資産を築くコツ」・前編

株式投資での資産形成のキーワードは「売買益」ではなく「配当金」

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「増配銘柄への長期投資」が兼業投資家にマッチする理由

立川さんは、「増配銘柄への長期投資は、働きながら資産運用したい人にこそ向いている手法」と話す。

「株式の売買で儲けるには、財務分析やビジネス分析が必要だと思いますが、財務に詳しい会計士やプロのアナリストでも将来伸びる企業や業界を探し当てることは難しいので、仕事をしながら分析するのは困難だといえます。そもそも株式の売買は証券取引所が開いている時間(※)しかできないので、フルタイムで働いている人には難しいですよね。その点、配当金を得る方法であれば株式を保有していればいいので、ハードルが下がります」

※東京証券取引所の場合は平日9:00~11:30、12:30~15:30。

先ほどの話にも出てきたが、継続的に配当を増やしている企業は、一般的に何年にもわたってビジネスが成功している企業が多く、安定感もある。

「実際に会社として利益を上げていて、増配が続いている銘柄を買っておけば、そこまで大きな事故なく資産形成できるのではないかと思いますし、売買と比べて手間も時間もかかりません。また、配当金は定期的に入ってくるので、その銘柄の配当利回りにもよりますが、多くの場合15~20年も保有していれば元本を回収できます。そうなるとほぼリスクフリーで株式を保有している状態になります。よくよく探してみると、配当を年率1割ぐらい増やしている銘柄はたくさんあります。財務諸表などを見るのが苦手であっても、配当を増やしているかどうかにフォーカスすることで投資先を探しやすくなるでしょう」

立川さんは2025年末現在で200銘柄ほど保有しているそうだが、一般的にはそこまで多くなくていいとのこと。

「増配銘柄を運用するのであれば、数十銘柄に分散できるといいのではないかと考えます。例えば、10万~20万円貯まるごとにひとつの銘柄を1単元ずつ買っていくという手法でも、資産形成には効果的でしょう」

ひとつの銘柄に絞ったほうが利益を得られそうな気もするが、あえて分散させるのは、万が一のリスクを抑えるためだという。

「株式投資をしていると、なかには配当や株価が下がってしまう銘柄や上場廃止となる銘柄もあります。しかし、自身の経験からすると、複数銘柄に分散投資していれば、突出して成長してくる銘柄も出てくるものです。保有しているうちの10分の1、20分の1でも2~3年で配当が倍増するような銘柄があれば、失敗した銘柄がどうでもよくなるくらいに成長した銘柄が補ってくれるんですよね。だから、各銘柄を詳細に分析する時間のない方にこそ、分散投資をしてほしいんです。私自身も多少自信のある銘柄への投資であったとしても、自分の資産に大きな影響が出てしまうほどの金額は投入しないようにしています」

お話を伺った方
立川 一
個人投資家。2004年から株式投資を本格的に始め、バリュー投資などを経て、現在は増配傾向にある銘柄を中心に運用している。Xやブログで自身の投資や配当に関する情報を発信している。
著者/ライター
有竹 亮介
音楽にエンタメ、ペット、子育て、ビジネスなど、なんでもこなす雑食ライター。『東証マネ部!』を担当したことでお金や金融に興味が湧き、少しずつ実践しながら学んでいるところ。
用語解説

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