資産4億円の個人投資家に聞く「株式投資で資産を築くコツ」・前編
株式投資での資産形成のキーワードは「売買益」ではなく「配当金」
「増配傾向にある銘柄」の見つけ方
ここで気になるのが、増配傾向にある銘柄の見つけ方だ。
「私は『PER(株価収益率)20倍以下』かつ『配当利回り2%以上』という基準で探してきましたが、最近は配当利回り3~4%の銘柄も増えてきたので、以前より高い水準で見つけやすいと思います。『配当性向(当期純利益のうち配当として株主に分配する割合)』も注目しています。同じ業界で配当性向10%のメーカーと30%のメーカーがあったとしたら、10%のメーカーのほうが先々配当を増やしてくれる可能性が高いといえます。配当として分配する余地があるからです。配当性向がそんなに高くないけど、配当を増やしてくれそうなビジネスを持っている企業の銘柄を買うようにしています」
もうひとつ重要なのが、増配が続いていること。過去のデータも確認し、配当が上がり続けているか確認してみよう。
「子どもや配偶者におこづかいを渡すとして、『毎月増やして』とお願いされたら困りますよね。増配は、それを実践しているということなんです。日本は減配に厳しい国なので、増配は少なくともその水準で維持できることの表れで、利益水準から想定される適切な増配を続けているということはビジネスが好調だという意味です。さまざまなメディアで増配が続いている銘柄のランキングが発表されているので、それを参考にして知っている企業に投資してみるのもいいと思います」
増配銘柄の探し方を教えてもらったが、立川さん自身は配当性向の高い銘柄への投資に動き出しているそう。
「配当性向の高い銘柄、つまり利益以上に配当している企業もチェックしています。配当を出すことで企業が抱える現金が減り、財務がスリムになって『ROE(自己資本利益率)』が上がるので、機関投資家の投資対象になりやすいと考えられるからです。『ROEが高い=株主が出資した資本を生かしている』と捉えられ、将来評価される可能性があるんじゃないかと感じていますし、いままでと違う視点で投資することで分散にもなるかなと。この選択が正しいかどうかは、数年後に答えが出ると思います」
増配銘柄への長期投資で、コツコツと資産を築いてきた立川さん。後編では、立川さんが経験したさらなる失敗と、株式投資だからこそ得られる経験について伺う。
(取材・文/有竹亮介)

