非課税保有期間無制限で「子どもの老後資金」も備えられる!?
2027年1月スタート予定の「こどもNISA」ってどんな制度?
重要な第一歩はNISA口座を開く「金融機関」選び
実質無制限の「こどもNISA」によって資産の備え方の幅が広がりそうだが、「新たな制度の登場による注意点もある」と川部さんは話す。
「既にNISAを利用し、制度内容もよく理解しているパパやママ、おじいちゃん、おばあちゃんであれば、『こどもNISA』もうまく活用できるでしょう。一方で、NISAを使ったことがない方が子どもや孫のために『こどもNISA』を始めようと考えている場合は、まずしっかりと制度内容を把握してほしいと思います」
「ジュニアNISA」も同様だったが、「こどもNISA」においても払い出しの制限がある。成人を対象にした通常のNISA口座であれば払い出し制限はなく、非課税保有期間は無期限で、生涯非課税限度額も一人あたり合計1,800万円(うち成長投資枠は最大1,200万円)と充実した制度であるため、まだNISAを利用していないという人は通常のNISA口座から開始しよう。
「NISAを使うと資産が増える」というイメージを持っている人もいるかもしれないが、NISAはあくまで「運用によって得た利益(売却益、配当・分配金)が非課税になる制度」であり、資産が増えることが確約されているものではない。また、実際に運用する商品(投資信託)は加入者自身が選ぶ必要があり、商品のラインナップはNISA口座を開設した金融機関によって異なる。
「相談者の方から、普段利用している銀行などで『お子さんのためにNISAで備えましょう』と勧められ、その銀行でNISA口座を開設したという話を聞くことがありますが、いざ運用する投資信託を選ぶ段階になるとラインナップが少なく、比較的手数料(信託報酬)が高い商品しかなかったというケースがあります。場合によっては、NISAに加えて保険商品などを勧められることもあるようです」
NISAで運用できる投資信託は金融庁の基準を満たしたものに限られているため、基本的には「長期・積立・分散」に適した手数料の低いものとなっている。つみたて投資枠で運用できる商品は、購入時手数料が無料の「ノーロード」といわれるもの。ただ、金融機関によって実際に取り扱っている投資信託には差があるため、口座開設前にチェックしよう。
「『こどもNISA』をうまく使えば子どもや孫のために資産を築くことができますが、金融機関や代理店業も行っているようなファイナンシャルプランナーに言われるがままにNISA口座を開くのは、あまりおすすめできません。『こどもNISA』がスタートするまでにはまだ時間があるので、制度内容を理解したうえで、口座を開設する金融機関を選びましょう」
金融機関を選ぶうえで、特に注目すべきは、先ほどから出てきている「商品ラインナップ」だという。
「『長期・積立・分散』での運用において大切なのは、手数料を安く抑えること。手数料が高いと、その分だけ利益を得にくくなるからです。そのため、手数料となる『信託報酬』が低い投資信託が揃っている金融機関を探しましょう。少し手間に感じるかもしれませんが、複数の金融機関で取り扱っている商品を比較することが大切です。インターネット上で口座開設や取引ができるネット証券は、手数料が低い投資信託が揃っている傾向にあります」
各家庭の収入や資産状況などによって「こどもNISA」の活用法は変わってくるが、資産運用の可能性が広がったことは確かだといえるだろう。制度内容を理解し、どのように活用していくか考えてみよう。
(取材・文/有竹亮介)

