高配当株投資で失敗しない5つのポイント
提供元:SBI証券
大事なのは「利回りの高さ」より「配当が続くか」
相場が不安定なときほど、高配当株は魅力的に見えます。
ただし、「高配当=安全」ではありません。配当利回りの高さだけで飛びつくと、
・業績悪化で減配・無配になる
・たまたま一度だけの記念配当だった
・株価が大きく下がって、配当以上に損をする
といった失敗につながりやすくなります。
失敗しないために大切なのは、目先の利回りではなく、安定して配当を出し続けられる会社かを見極めることです。
そもそも高配当株とは?
「高配当」という明確な定義はありませんが、一般的に1%や2%の配当利回りでは高配当とは呼ばれません。国内株式を前提に考えた場合、日本の長期金利も上がってきたので、高配当株というからには4%は欲しいところです。このため、このレポートでは配当利回り4%以上を高配当株の目安としています。
銀行に預けているだけではなかなか増えない今、4%という水準はとても魅力的に見えます。しかし、期待した通りの安定した配当を得ることができるのか、しっかり中身を確認する必要があります。
ドイマサ流の高配当株投資
2026年3月末時点でプライム市場1,570社、スタンダード市場1,571社あり、この2市場だけで3,141社もあります(今回は安定感を目指す高配当株への投資なのでグロース市場は対象としていません)。各種報道や取引ランキングに顔を出すのはほんの一部なので、裏を返せば多くの方が見逃している銘柄が無数にあることになります。
このため、高配当株への投資は知っている銘柄だけで選ぶのではなく、幅広い対象から機械的に候補を見つけてから絞り込む手法が効率的と考えられます。インターネットで株式取引ができる証券会社の多くでは、投資対象をスクリーニング(絞り込み)できるツールが提供されています。それを活用しましょう。
高配当株投資で失敗しない5つのチェックポイント(例)
高配当株を選ぶときは、「その時に高い配当」ではなく「今後も継続される配当」を見ることが重要です。そのためのチェックポイントとして、次の5つが役立つと私は考えています。
1. 株価が割高ではないか?
配当が高くても、株価が割高なら株価が下がって配当以上の損失を被る可能性が増すので、高配当銘柄としての魅力は薄れます。PERは10~20倍程度を目安とし、PEGレシオ※が0~2以内であることも併せて確認して、利益成長を踏まえて割高でないかを判断します。
※PEGレシオ:Price Earning Growthの略、PER÷1株当たり利益の成長率
1株当たり利益の成長率は%を外して数値化します。(例:5%成長 → 5)
2. 売買しやすいか?
いざ売りたいときに売れない銘柄は困ります。そのため、機関投資家の多くが売買対象と考える基準とされる時価総額500億円以上など、一定の流動性がある会社を選びます。
3. 売上がしっかり伸びているか?
配当の原資は結局、企業の稼ぐ力です。ここでは、今期の予想売上高が5%以上増加していて、過去3年間の実績で売上高が平均して5%以上増えているかも確認し、安定成長している会社を選びます。
4. 他の投資家が知っていて、自分だけ見落としている可能性はないか?
自分には良く見えても、市場は別のリスクを見ているかもしれません。そのヒントとして、信用売りが可能な銘柄であれば、極端に割高な株価が形成されにくくなります。また、業績に影響される懸念が存在する場合や株価の上昇スピードが早すぎる場合には、信用取引の売建が買建より大きく増加していることがあります。このため、ここでは、信用倍率が1倍以上(信用買い>信用売り)であることと、売建可能銘柄であることをチェックします。
5. 一時的な高配当ではないか?
特別配当や記念配当で、一時的に利回りが高く見えることがあります。過去の配当実績と今後の予想配当を比べて、突出した1回限りの配当ではないかを見ます。
実際の選び方は4ステップで(例)
(1)証券会社提供のスクリーナーで広く投資候補を探す
まずは証券会社が提供しているスクリーナーなどで検索条件を設定して投資先候補を絞り込みます※。
・予想PER10倍~20倍
・配当利回り4%以上
・PEG 0~2
・予想売上高成長率 5%以上
・過去3年平均売上成長率 5%以上
・時価総額500億円以上
・信用倍率1倍以上
・信用取引の売建可能銘柄
※上記はSBI証券がWEBサイトで提供している「銘柄スクリーニング」で設定可能な項目での例示です。2026年4月23日時点では、東証プライム市場とスタンダード市場の銘柄から16銘柄に絞り込むことができました(図表1~3)。
図表1 証券会社が提供する銘柄スクリーナーの探し方(SBI証券WEBサイト)
図表2 SBI証券の銘柄スクリーナーの検索結果(例)
図表3 検索条件の設定例
(2)企業業績を自分の目で確認する
スクリーニング結果をうのみにせず、証券会社の銘柄情報や企業のホームページで本当に増収増益予想になっているかを確認します。
(3)配当の過去と今後の予想を見る
過去の配当推移と予想配当金を比較して、今回だけ高い特殊な配当でないかを確認します。毎年ある程度安定して配当を出しているかを見ることがポイントです。
(4)1社に集中せず、分散する
どんなに良い銘柄でも1社だけに集中して投資することは、個別株投資のリスクを高めてしまいます。業種を分散して複数銘柄に投資することが、失敗を減らすうえで重要と考えられます。
まとめ
高配当株投資は、「配当利回りの高さだけを見る」のではなく、「この会社は今後しばらく配当を出し続けられるかを見抜く投資」です。派手さはなくても、安定して稼ぎ、無理なく配当を出し続ける企業を選ぶことともいえるでしょう。
また、業績がしっかりした企業に着目すれば、配当だけでなく、株価上昇も期待できる可能性があります。効率よく絞り込みつつ、最後は自分の目で確認、そして、1銘柄に頼らず分散する。この基本を守って、ストレスの少ない、長く続けやすい高配当株投資で目指すのも一案です。
(提供元:SBI証券)
大和證券での株式アナリスト(ゲーム、メディア業界)、大蔵省財政金融研究所勤務、金利デリバティブ営業に従事した後、ゴールドマン・サックス証券にて個人向け証券化デリバティブ事業を立ち上げる。ヘッジファンド系デリバティブハウスCOO、楽天証券常務執行役員(株式・デリバティブ事業本部長)を経て2025年9月より現職。米ノースカロライナ大学MBA、CFA協会認定証券アナリスト、日本証券アナリスト協会認定アナリスト
主な著書:『最強の「先読み」投資メソッド』(ビジネス社)、『勝ち抜け!サバイバル投資術』(実業之日本社)
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