NISAの認知・利用事情(2026年)2

年齢・地域・教育でどう違う?NISA利用のゆくえ

提供元:三井住友トラスト・資産のミライ研究所

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前回のコラムでは、NISAの認知と実際の利用状況、そして年代別の利用意向について整理しました。今回は、その続編として「利用意向の時系列変化」「金融教育やライフプランが与える影響」など、NISAを利用するかどうかを分ける要因に焦点を当ててご紹介します。

30-60代はNISA利用前向き層が増加 60代は「NISA意向なし層」が高止まり

この利用割合と利用意向は、新しいNISAが始まって以降、どのように変化してきたでしょうか。

2024年1月から2026年1月の調査結果を時系列で比較すると、利用前向き層は着実に伸びていることが分かります(30.8%⇒34.1%⇒35.8%)。意向がない層は、2024年から2025年にかけて増加したものの、今回は減少に転じている(29.0%⇒36.7%⇒33.4%)ことが分かります【図表1】。

【図表1】NISAの利用者と未利用者における利用意向の時系列比較(2024年-2026年)

(出所)特に出所を示していない場合、三井住友トラスト・資産のミライ研究所「住まいと資産形成に関する意識と実態調査」(2026年)

このデータを年代別に分析すると、おおむねどの年代でもNISA前向き層の増加が見て取れます【図表2】。一方で、18-29歳は利用前向き層が若干減少、60代は利用意向なし層が高止まりしている状況です。

【図表2】年代別:NISAの利用者と未利用者における利用意向の時系列比較(2024年-2026年)

NISAの利用率をエリア別で分析すると、NISA利用率は首都圏がトップ、NISA利用意向者まで含めると近畿圏がトップとなりました【図表3】。年代別では、40代において中京圏が利用者・利用意向者の割合いずれもトップとなりました。

【図表3】居住エリア別 NISA利用者・利用意向者の割合

大学生等・社会人における金融教育の経験やライフプランニングがカギ?

もう一つ、顕著に差が出ているのが、「金融教育の受講経験」や「ライフプランニング」です。

【図表4】のとおり、どこかの“場”で金融教育を受けた経験がある人は、NISAの利用済+利用意向ありの割合が、未経験者に比べて大きくなっています。特に、「短大生・大学生・大学院生・専門学校生」や「社会人」のタイミングで教育を受けた層は、NISA利用率が顕著に高い傾向がみられます。

自分名義で証券口座を開設でき、実際に投資行動へ移りやすい時期と重なるため、金融教育が行動変容につながりやすいものと考えられます。また、社会人になると安定した収入が得られることで余剰資金を投資に回せるようになり、NISAのような非課税制度のメリットを実感しやすくなるものと思われます。

【図表4】金融教育を受けた時期(複数回答可)とNISA利用者/利用意向者割合

また、【図表5】のとおり、ライフプランを立てている人は、そうでない人に比べて顕著にNISAの利用が進んでいます。自身の長期的な“家計のあり姿”を描くことで、そのプラン実現に向けたアクションとして「NISAを利用した資産形成」が選ばれているものと推察されます。逆に、ライフプランを立てていない人は6割以上がNISAの利用意向がありません。

【図表5】ライフプランを立てている度合いとNISA利用者/利用意向者割合

まとめ

NISAに関する今回の調査は、制度が急速に普及する一方で、その歩みが必ずしも均一ではないことを示しています。18~39歳では4割以上が前向きな姿勢を示している一方、高齢層では意向の低さが際立ち、60代では約半数が「利用しない」と回答しました。これらの層において、もしNISAが「現役世代向けの積立制度」と認知されているのであれば、資産活用期におけるNISA活用法などの丁寧な説明が求められるでしょう。

また、金融教育経験者で利用率が高いという結果は、お金に関する学びが行動につながることを物語っています。ライフプランを描く人ほど利用意向が強い点も、将来像の可視化が意思決定を後押しする好例といえます。

豊かな人生を送るにあたり、NISAの利用はマストではありませんが、誰もが自分に合った形で資産形成に踏み出せるよう、年代に応じた支援の充実が今後の鍵となるでしょう。

(三井住友トラスト・資産のミライ研究所 清永 遼太郎)

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