NISAで始める銀ETF比較
銀投資が注目される背景とは?AI・宇宙産業が支える需要
提供元:ブラックロック・ジャパン
近年、銀(シルバー)価格が大きな注目を集めています。一時1トロイオンス=100ドルを超える水準まで上昇し、足元では調整を挟みながらも歴史的な高値圏を維持しています*1。銀は価格変動が大きいというイメージを持たれやすい一方で、これほど高い水準が続いている背景には、単なる投資需要とは異なる構造的な要因もあると考える投資家も多いのではないでしょうか。
なぜ銀が今これほど注目されているのでしょうか?本記事では、銀の投資先としての魅力について深堀していきます。
*1 出所:ブルームバーグのデータを基にブラックロック調べ、2026年5月15日時点
工業用金属としての需要増加。銀はテクノロジー社会の基盤素材
銀は単なる貴金属ではありません。半導体、太陽光パネル、EV(電気自動車)など、現代の産業に欠かせない素材です。銀はすべての金属の中で最も高い電気伝導率と熱伝導率を持つほか、耐久性・耐腐食性も兼ね備えており、現時点では銀そのものを完全に代替できる技術はまだ限定的です。この工業用金属としての置き換えの難しさが、銀の価値を支える理由の一つです。
特に工業需要の拡大が注目されるのが、以下の3分野です。
AI・データセンター
AIの普及はChatGPTなどのソフトウェアの話に見えがちですが、その裏側では半導体、サーバー、データセンター、電力インフラなど、さまざまなフィジカルなインフラが必要になります。高度化する半導体やサーバーには高い性能や安定性が求められており、銀の「電気を通しやすく、熱を逃がしやすい」という特性が活かされています。実際、2026年にはデータセンター由来の銀需要だけで、電気・電子分野需要の10%超に達する見通しが示されています*1。
ブラックロックはデータセンターとAI半導体への投資が、2030年までに年間7,000億米ドルを上回る可能性があると予測しています*2。これは米国のGDPの2%を超える規模であり、今後の銀の工業用途としての需要を構造的に下支えする要因の一つと分析しています*2。
*1 出所:The Silver Institute “World Silver Survey 2026”、2026年4月時点。
*2 出所:BlackRock Investment Institute 「AI の進化と投資機会」、2024年11月末時点。
太陽光パネル
また、こうしたAIに特化したデータセンターは大量の電力を必要とします。ブラックロックの分析では、米国でのデータセンター電力需要は今後数年間で大幅に増加し、2030年までに約148GWの追加電力容量が必要になると予想しています*1。これは2025年時点の需要の4倍以上の規模であり、日本全体の電力需要にも匹敵する規模です*2。

この巨大な電力需要への対応策として、太陽光発電が注目されています。特に太陽光パネルはコストが低く、導入も天然ガス発電よりも早いため、急増する電力需要への対応策として期待されています。ブラックロックは2030年までに米国で太陽光発電容量が約35GW増加すると見込んでおり、これは天然ガス発電に続いて2番目に大きい増加幅となる見通しです*3。
そんな太陽光発電にも銀はかかせない素材です。銀は太陽電池セルの配線に使われており、太陽光用途が銀の需要全体に占める比率は2012年の約6%から2025年には約17%へと大きく拡大しています*4。再生可能エネルギーの普及とともに、今後も需要の中核を担う分野の一つとみられています。

*1 出所:BlackRock Fundamental Equities、2026年4月21日時点。(米国エネルギー情報局〈EIA〉2025年10月16日データ、およびSemiAnalysis(2026年1月12日)に基づく)
*2 出所:電気事業連合会/INFOBASE「月別最大電力の推移(2024年度)」。2024年度の月別最大電力の平均は約135GW。
*3 出所:BlackRock Fundamental Equities、2026年4月21日時点。ブルームバーグNEF(Bloomberg New Energy Finance)および米国エネルギー情報局(US Energy Information Administration)のデータに基づく。
*4 出所:The Silver Institute “World Silver Survey 2026”、2026年4月時点。
宇宙産業
銀の用途は、半導体や太陽光パネルだけにとどまりません。実は、宇宙産業での銀の活用も見逃せない成長領域です。世界の宇宙産業は拡大を続けており、McKinsey & Companyは世界の宇宙経済が2035年までに1.8兆ドル規模に達する可能性があると試算しています*。
宇宙経済の中でも代表的なのは、拡大するリアルタイムデータ処理や通信インフラ需要に対応するための、スペースXが展開するスターリンクなどに代表される低軌道(LEO)衛星の展開です。これらの衛星では、さまざまな重要部品において銀が使われています。高い電気伝導性を活用した宇宙用の電子部品等に加え、高い光反射率と熱伝導性を活用した熱制御の表面材としても銀は採用されています。
このように、銀は単に「たくさん使われる金属」というだけではなく、「失敗が許されない領域で選ばれている素材」でもあります。過酷な環境で長期間、メンテナンスをほとんど行えない条件下でも性能を維持することが求められる代替が難しい素材として、今後の宇宙産業の成長は、銀の用途の広がりを考えるうえで注目しておきたいテーマの一つといえます。
* 出所:McKinzey & Company “Space: The $1.8 trillion opportunity for global economic growth、2024年4月8日時点。
供給側の制約
需要の増加に対して、供給側には構造的な制約があります。銀は銀鉱山でだけ採れると思われがちですが、実際には7割以上が鉛・亜鉛・金などの鉱山の副産物として生産されています*。加えて、新規鉱山開発には数年単位の時間が必要であり、短期的に供給を増やすことは容易ではありません。こうした背景から、銀供給は「非弾力的」、つまり銀価格が上がってもすぐに増産しにくいという特徴があります。
実際、銀市場では、消費量が生産量を上回る状態が5年連続で続いているとされています*。2026年も6年連続の供給不足が見込まれており*、供給が増えにくい中で、需要は増え続ける、という構造が銀価格を押し上げる最大の要因となっています。
* 出所:The Silver Institute “World Silver Survey 2026”、2026年4月。データは2025年末時点
NISAで銀に投資する方法とは?
そんな投資先として注目される銀ですが、投資をする方法はさまざまです。最初に思いつく現物を購入する方法は「実物を保有できる安心感」が魅力ですが、一方で保管場所の確保や盗難リスクといった課題もあります。純銀積立も手軽に始められる反面、長期的にはコストが割高になるケースも少なくありません。また、これらはNISA制度の対象外です。
現状、日本国内において銀価格に連動する公募投資信託は確認されておらず*、NISAで銀に投資したい場合はETFが主な選択肢となります。
* 出所:投信総合検索ライブラリーをもとにブラックロック調べ、2026年5月26日時点
NISA対象の銀ETFの比較。おすすめのETFは?
NISA成長投資枠対象の銀ETFは以下の通りです。

ETFを選ぶ際には、取引の手軽さ、最低購入金額、そして信託報酬等のコストを比較することが大切です。「SLV」は米国上場ということもあり、残高が多い点が魅力ですが、外国証券口座の開設や為替手続きといったハードルが存在します。日本時間に、日本円で少額から投資したい場合は東証上場のETFが検討しやすいでしょう。
東証上場ETFの中でも「iシェアーズ シルバー ETF」(銘柄コード:568A)は最低購入金額が低く、信託報酬率も業界最安値*であるため、低コストで銀に投資できる選択肢として注目です。
*銀現物市場を代表する指標に連動する国内籍東証上場ETFの中で信託報酬率が最安値。日本取引所グループ、ETFデータベースに基づく。(ブラックロック調べ、2026年5月末時点)
銀投資のリスクの考え方
銀は魅力的な投資先である一方、銀市場は、金と比べて市場規模が小さいため、短期的には急騰と急落を繰り返すことがあります。特に景気後退や金融環境の変化が起きた場合、金以上に価格が調整する可能性も否定できません。
そのため、銀投資は長期的な需給構造を踏まえつつ、分散投資の一部として位置づけることが重要です。東証上場のETFであれば日中に好きなタイミングで、指値で価格を指定しながら売買できるため、こうしたリスク管理の観点でも活用しやすい選択肢となりえます。
また、ETFの価格が理論上の銀価格と乖離していないかをチェックするには、毎日日本取引所グループのウェブサイトにてリアルタイムで開示されるETFの「インディカティブNAV」を確認することがおすすめです。「インディカティブNAV」についての詳細・確認方法はこちら。
iシェアーズのメタルETFシリーズ
iシェアーズは銀の他にも、金やプラチナに投資できるETFもそろえております。「iシェアーズ ゴールド ETF」(銘柄コード:314A)は日本の金ETFの中で最も早く純資産総額500億円を突破した人気急上昇中のETFであり*1、「iシェアーズ プラチナ ETF」(銘柄コード:569A)は「iシェアーズ シルバー ETF」(銘柄コード:568A)と同様に業界最安値*2の信託報酬率が大きな魅力です。

純資産総額 500 億円に到達。ブルームバーグのデータに基づく。ブラックロック調べ、2026 年 4 月 22 日時点
*2 銀・プラチナ現物市場を代表する指標に連動する国内籍東証上場ETFの中で信託報酬率が最安値。日本取引所グループ、ETFデータベースに基づく。(ブラックロック調べ、2026年5月末時点)
iシェアーズのメタルETFシリーズについて詳しく知りたい方はこちら。
(ブラックロック・ジャパン)
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