「令和8年度税制改正」を読み解く ~金融編~
「暗号資産」「確定申告」「ふるさと納税」に関する税制改正をチェック!
インボイス制度の「2割特例」が「3割特例」になって延長
■インボイス制度導入に係る経過措置の見直し
インボイス制度が導入された2023年10月から2026年9月までの3年間、インボイス発行事業者の登録を受けたことによって課税事業者になった個人事業者に関しては、期間内の消費税の納税額を売上税額の2割にできる「2割特例」が適用されていた。
2026年10月以降は「2割特例」が終了するため、その後の消費税に関しては一般課税または簡易課税の計算方法に基づいて支払うこととなる予定だった。
「しかし、今回の改正で『2割特例』が2026年いっぱいまで延長となり、さらに2027~2028年の2年間は納税額を売上税額の3割にできる『3割特例』が新たに適用されます」
これまでと比べて1割負担が増えるものの、当初の予定より軽減されるため、個人事業者にとっては朗報といえるだろう。
「さらに、『3割特例』を受けた場合は、2029年から簡易課税制度への移行を行いやすくなる仕組みも導入されます」
本来、簡易課税制度の適用を受けるには、適用を受けようとする課税期間の初日の前日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出する必要がある。つまり、2029年分から適用を受けるには、2028年12月31日までに提出する必要があるということ。
しかし、今回の改正で、『3割特例』を受けた人に限っては、適用を受けようとする課税期間の申告期限となる2029年4月1日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出することで、2029年分から簡易課税制度の適用を受けることができるようになった。
「ふるさと納税」の特例控除額に上限を設定
■個人住民税における寄附金税額控除限度額(ふるさと納税制度)の見直し
「これまでふるさと納税において、特例控除額に上限はありませんでしたが、2026年度以降は『193万円』という上限が設けられます」
●ふるさと納税の特例控除額の見直し
道府県民税と市町村民税の上限を合計すると「193万円」となる。これ以上の額のふるさと納税を行うと、税額控除の対象外になってしまうというわけだ。
「ただ、193万円もふるさと納税して控除を受けられるのは、年収が数千万~数億円にのぼるような人に限られます。一般的な収入の人であれば、今回の改正の影響は受けないので、いままで通りにふるさと納税を行って問題ありません」
確定申告の際に関係しそうな改正もいくつかあった「令和8年度税制改正」。投資やふるさと納税をしている人、フリーランスで働いている人は、いま一度確認しておこう。
(取材・文/有竹亮介)


