ZEW景況感指数(景気期待指数)とは?公表時期やドイツ経済の特徴も解説
ZEW景況感指数(景気期待指数)とは、アナリストや市場関係者などに対して実施したアンケート調査に基づき、景気に対する期待感を示した指標です。基本的に毎月中旬の火曜日に、ZEWより公表されています。
世界経済についてチェックしていると、各国の景気動向を示すさまざまな経済指標を目にすることがあるでしょう。特にドイツや欧州経済の先行きを判断する際には、ZEW景況感指数が役に立つ可能性があります。
本記事で、ZEW景況感指数(景気期待指数)の概要や、ドイツ経済の特徴について押さえておきましょう。
ZEW景況感指数(景気期待指数)とは
ZEW景況感指数(景気期待指数)とは、ZEW(欧州経済研究センター)がドイツの景気見通しを数値にした指標です。
ZEW景況感指数の算出にあたって、ZEWは毎回アナリストや市場関係者などに対して今後6カ月のドイツにおける景気見通しについてアンケートを実施しています。アンケート結果を受けて、楽観的な回答割合から悲観的な回答割合を引いた値がプラスであれば「景気に対する期待感が改善している」、マイナスだと「景気に対する期待感が悪化している」と判断する点が特徴です。
ここから、ZEW景況感指数の公表時期や確認する方法について解説します。
公表時期
ZEW景況感指数は、基本的に毎月中旬の火曜日に公表されます。ZEWによると、2026年から2027年1月にかけての公表予定日は以下の通りです。
・2026年1月20日
・2026年2月17日
・2026年3月17日
・2026年4月21日
・2026年5月12日
・2026年6月16日
・2026年7月21日
・2026年8月18日
・2026年9月15日
・2026年10月20日
・2026年11月17日
・2026年12月15日
・2027年1月19日
毎月継続的に確認することで、アナリストや市場関係者のドイツ経済に対する見方の変化について掴めるでしょう。
確認方法
ZEWの公式ホームページで、「ZEW Indicator of Economic Sentiment」をチェックすれば、ZEW景況感指数の値や変化について確認できます。
グラフで直近2年間の動きを知りたい場合は「last 2 years」、1991年以降の長期的な動きについて確認したい場合は「since 1991」をクリックしましょう。また、グラフの右上に表示されている日付をクリックすれば、時期も調整可能です。
値を確認したい場合は、グラフで気になる箇所をクリックすれば、ポイントが表示されます。
参考:ZEW「ZEW Indicator of Economic Sentiment」
ZEW景況感指数の推移
ZEW景況感指数のグラフの中央には、太線「Zero-line」が表示されています。そのため、指数が「Zero-line」より上にあるのか下にあるのかによって、景気に対する期待感の変化を把握できるでしょう。
例えば、2026年2月17日は「58.3」だったのに対し、同年3月17日は「−0.5」、4月21日は「−17.2」と急速に下落傾向にあります。背景のひとつとして、中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー価格や物価の上昇に対する懸念があったと考えられます。
ZEW景況感指数を確認する際の注意点
ZEW景況感指数を確認する際は、以下の点に注意しましょう。
・英語もしくはドイツ語で書かれている
・景気を把握するには他の指標も確認する必要がある
それぞれ解説します。
英語もしくはドイツ語で書かれている
ZEW景況感指数をZEWの公式HPで確認する際は、英語もしくはドイツ語で記述されている点に注意しましょう。日本語に対応していないため、英語・ドイツ語が読めない場合は、翻訳機能を使ったり、辞書をひいたりするなどの手間がかかります。
なお、証券会社によっては、毎月ZEW景況感指数を自社のサイトで発表しているケースもあるため、確認してみましょう。
景気を把握するには他の指標も確認する必要がある
景気動向を正確に把握するには、ZEW景況感指数以外の指標についても確認しなければなりません。
ZEW景況感指数は、あくまでアナリストや市場関係者などの経済見通しに対する期待感を示したものです。そのため、値が高いからといって必ずしも景気が良いとはいえず、反対にマイナスだからといって現在の景気が悪いとも限りません。
また、指数が大きく変動した場合は、背景にある経済情勢や市場環境について確認することも大切です。
ドイツ経済の特徴
ZEW景況感指数をビジネスや投資などで効率的に活用できるように、ドイツ経済の特徴も押さえておきましょう。今回は、ドイツの主要産業やドイツ経済に関する主な指標、日本とドイツの貿易関係について簡単に解説します。
主要産業
ドイツの主要産業は、以下の通りです。
・自動車
・機械
・化学・製薬
Destatis(ドイツ連邦統計局)によると、2025年のドイツでは自動車および自動車部品が輸出全体の16.2%を占めています。次いで、機械(13.8%)、コンピュータ・電子・光学製品(8.7%)の割合が高く、製造業が輸出を支えていることが特徴です。
そのため、製造業の業況や輸出環境の変化が、ドイツ経済に大きな影響を与えているといえるでしょう。
ドイツ経済に関する主な指標
外務省の発表(出典:世界銀行・IMF・ドイツ連邦統計庁)によると、2024年におけるドイツ経済の主な指標は以下の通りです。
・実質GDP成長率:−0.2%
・失業率:6.5%
・貿易収支:2,400億ユーロ(輸出:1兆5,480億ユーロ、輸入:1兆3,080億ユーロ)
2024年は実質GDP成長率がマイナスで、景気の停滞がみられました。一方で、貿易収支については長年黒字を計上しています。
日本との貿易関係
ドイツは日本と経済的な結び付きが強い国のひとつとされています。ドイツは日本にとって欧州最大の貿易相手国で、日本はドイツにとってアジアで2番目の貿易相手国です。
外務省の発表(出典:財務省貿易統計)によると、2024年における日本の対独輸出は2兆6,229億円で、対独輸入は3兆2,240億円でした(日本にとっては6,011億円の貿易赤字)。日本からドイツには電気機器・一般機器・輸送用機器が主に輸出され、ドイツからは輸送用機器・医薬品・一般機器が輸入されています。
このように、日本とドイツの間では製造業関連製品を中心に活発な貿易が行われているため、ドイツ経済の動向が日本企業にも一定の影響を与える可能性があります。
ZEW景況感指数以外でドイツ経済の把握に役立つ指標
ZEW景況感指数以外で、ドイツ経済を把握するのに役立つ指標は、主に以下の通りです。
・ifo景況感指数
・ドイツの国内総生産(GDP)
・DAX40
それぞれ解説します。
ifo景況感指数
ifo景況感指数とは、ドイツのifo研究所(ifo Institute)が発表しているドイツ国内の経済指標です。約9000社のドイツ企業(製造業・サービス業・建設業・卸売業・小売業など)を対象に、ドイツ経済の現況と今後6カ月の先行きについてアンケート調査を実施し、2015年を100として指数化しています。
ZEW景況感指数はアナリストや市場関係者を対象にアンケートを実施しているのに対し、ifo景況感指数は企業を対象としている点が特徴です。また、ifo景況感指数のほうがZEW景況感指数よりも遅いタイミングで公表される傾向にあります(2026年5月は26日に公表)。
ドイツの国内総生産(GDP)
国内総生産(GDP)とは、一定期間内に国内で産み出された付加価値の総額です。ドイツの国内総生産をチェックすれば、ドイツで経済活動がどれくらい活発か把握できます。
世界銀行のホームページによると、2024年におけるドイツの国内総生産は46,856億ドルで、世界3位でした(欧州内では第1位)。前年と比較して、約1,300億ドル増加しています。
国内総生産について詳しく知りたい場合は、以下の記事も参考にしてください。
DAX40
DAX40とは、フランクフルト証券取引所に上場しているドイツの主要40銘柄を対象とした株価指数です。時価総額加重平均型で、基準日(1987年12月30日)を1,000として数値を計算しています。
そのため、DAX40を随時チェックすることにより、ドイツの主要企業に対する市場の評価や株式市場の動向を把握できるでしょう。DAX40の詳しい内容や、他のヨーロッパ主要国の株価指数について詳しく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。
ヨーロッパの株価指数にはどのようなものがある?4つの指数を紹介
ZEW景況感指数はドイツ経済の先行き判断に役立つ指標
ZEW景況感指数とは、ZEWがアナリストや市場関係者などに対して今後6カ月のドイツにおける景気見通しについてアンケートを実施し、数値化したものです。値がプラスなのかマイナスなのかをチェックすることにより、景気に対する期待感が改善しているのか・悪化しているのかを把握できます。
一方で、景気や経済状況を理解するにはほかの指標も確認することが大切です。ZEW景況感指数に加えてifo景況感指数や国内総生産、DAX40などの指標もあわせてチェックし、ドイツ経済の動向を多角的に分析しましょう。
参考:外務省「ドイツ連邦共和国」
参考:Destatis(ドイツ連邦統計局)「Foreign TradeThe main German export product:motor vehicles」
参考:ifo Institute「ifo Business Climate Index for Germany」
参考:WORLD BANK GROUP「GDP(current US$)」
ライター:Editor HB
監修者:高橋 尚
監修者の経歴:
都市銀行に約30年間勤務。後半15年間は、課長以上のマネジメント職として、法人営業推進、支店運営、内部管理等を経験。個人向けの投資信託、各種保険商品や、法人向けのデリバティブ商品等の金融商品関連業務の経験も長い。2012年3月ファイナンシャルプランナー1級取得。2016年2月日商簿記2級取得。現在は公益社団法人管理職。


