ファン株主とのコミュニケーションが企業価値を上げる
良品計画が「株式分割」「株主ミーティング」を通して個人株主との絆を深める理由
年に数回開催している「株主との対話の場」

株主を対象に、年に数回開催されている「株主ミーティング」。
株式分割や株主優待以外にも、良品計画が個人株主との接点として実施している取り組みがある。2021年からスタートした「株主ミーティング」だ。
「株主総会はどうしてもかしこまった質問に偏りがちなので、もう少しフランクな形で商品や店舗などに関する質問もいただきながら、対話できる場を設けたいと考えて開始しました」
2021年から2022年にかけては、株主総会後のイベントとして実施した。しかし、2022年に総会の開催日を平日から祝日に変更したことで参加者が100人強だったところから600人ほどに増加し、「株主ミーティング」の参加者も大幅に増えたことがきっかけで、2023年から全国各地で場を設けるようになっていった。

フランクな雰囲気で実施されている「株主ミーティング」。
「現在は年に数回、全国各地の店舗や本社などで開催しています。2023年の開始以来、累計52回開催し、約1800人の株主の皆様と直接対話してきました。『株主ミーティング』では当社全体の方針だけでなく、開催する店舗の取り組みや店長の思い、現場の声も届けるような内容を心掛けており、参加者の方々からも非常に好評です。イベントの半分以上は対話の時間としていて、できるだけ皆さんからのご質問やご意見に答えられるようにしています」
「株主ミーティング」では経営や配当、株主優待に関する質問だけでなく、「こういう商品があったらうれしい」「愛用していた商品がなくなって悲しい」「この店舗のオペレーションに感動した」といった話題も出てくるそう。ここで得た声をもとに、経営や商品開発などに結び付けていくのだ。
最後に星野さんは、「今後は新たな取り組みにもチャレンジしていきたい」と話してくれた。
「以前、当社の事業活動のひとつとして保全活動を行っている千葉の棚田に株主の方々をご招待して、田植え体験をしていただいたことがあり、大変好評でした。当社の商品を製造している工場の見学なども、株主の方からのご要望を数多くいただいているので、実現したい気持ちもあります。当社の商品や店舗はもちろん、事業活動にも触れていただき、当社がどのように社会に対していいインパクトを出そうとしているか、伝えていく機会を増やしていけたらと思っています」
お客様の声をもとに商品開発や店舗運営をしているからこそ、ファン株主を増やしていく意味を見出している良品計画。今後、さらに株主とのつながりを強め、企業としての魅力も増していくことだろう。
(取材・文/有竹亮介 撮影/森カズシゲ)


