日本:2026年4-6月期決算プレビュー 円安を追い風に好調な業績推移が見込まれる
提供元:野村證券 投資情報部
2026年4-6月期決算シーズン始まる
2026年7月下旬より、2026年4-6月期決算の発表が本格化します。2026年7月月初時点での市場コンセンサスでは、売上高が前年同期比+8.1%、営業利益は同+30.2%が見込まれています。
四半期 業績の推移

(注2)2026年1-3月期までは実績値で、2026年4-6月期は、2026年7月1日時点のQUICKコンセンサスが存在する1~3月決算企業のみで集計している。
(出所)QUICKなどより野村證券投資情報部作成
2026年4-6月期の業績を取り巻く環境は、米ドル円レートが前年同期比で15円/米ドル程度円安に振れたことに加え、2025年の中国経済の停滞などに伴う生産活動低迷から回復感が見られました。不透明なイラン情勢による原油価格高止まりや、供給網のボトルネックへの懸念はあるものの、製造業を中心に業績への追い風となったと思われます。
また、国内企業物価は2026年4月以降前年同月比5%を超える高い伸び、消費者物価(食品・エネルギー除く)も同2%弱程度で推移しており、内需・非製造業にとっても(価格転嫁が順当に進めばとの条件付きで)比較的良好な業績環境であったといえるでしょう。
過去、余程の急激な業績環境の悪化がない限り四半期業績は、事前の市場コンセンサスを上回って着地しています。今回は2桁台というここ数年では突出して高い増益が見込まれており、これが実現すれば業績に対する信頼感醸成につながる公算が大きいでしょう。
AI関連業種と金融が業績を牽引
2026年4-6月期に全体業績をけん引する業種として最も期待されているのは電機・精密です。2025年初冬以降、生成AI関連投資が世界的に急拡大し、これまでAI関連としてはやや蚊帳の外であった日本の製造業にも恩恵が及んでいることが既に確認されています。同様に化学、鉄鋼・非鉄(電線)などもAI関連投資の恩恵を受けて業績急拡大を見込む企業が増加しています。また、足元の金利上昇を受けて、金融(銀行)も相対的に大きな増益寄与が見込まれています。
四半期 2026年4-6月期 業種別経常増減益寄与額

(出所)QUICKなどより野村證券投資情報部作成
想定より大幅に円安で推移
前述のとおり2026年4-6月期の米ドル円レートは前年同期比で15円/米ドル程度円安に振れています。一方で、期初(2026年4~5月)に会社側より示された、2026年度通期の米ドル円レート前提は、ほぼ半数の企業が145円超150円/米ドル以下、3割超の企業が150円超155円/米ドル以下となっています。
2026年度 会社側為替前提と為替感応度(経常利益)

(注2)右図は、ラッセル野村Large Cap(除く金融)および構成業種別の為替感応度で、1円/米ドル円安の際の経常利益(2026年度)変動率。メディア、運輸は表示していない。 RNLはラッセル野村Large Capの略
(出所)QUICK、野村證券市場戦略リサーチ部などより野村證券投資情報部作成
4-6月期終了時点で通期(12ヶ月)に対して1/4しか時間が経過していないことから、円安を理由に通期会社見通しを変更する企業は少数にとどまると見られますが、アナリストによる2026年度以降の通期業績予想の変更は十分期待できます。
なお、想定よりも1円/米ドル円安に振れた場合のラッセル野村Large Cap(除く金融)の経常利益への影響は0.3%強の押し上げ要因とみられます。海外売上の比率が高い自動車や機械などの輸出型製造業の影響が大きくなっています。ただ、近年では内需・非製造業型の企業であっても、海外企業が連結対象になっている場合が少なくなく、円安が業績の追い風となる企業が幅広い業種から期待できるでしょう。
幅広い業種で上方修正が期待できる
2026年6月の日経平均株価70,000円突破には、株価面だけでなく、業績面でもAI関連とされる企業の貢献が目立ちました。実際、多くのAI関連企業が存在する米国では、AI関連(と思われる)情報技術、資本財といった業種のリビジョン・インデックス(RI)が際立って強く、その他業種との格差が明確です。
対して日本では、中東情勢(原油高)の悪影響が無視できない公益インフラを除く、全業種グループでRIがプラスです。AI関連と目される業種グループ以外でも、アナリストによる業績予想の上方修正が期待できる、と言ってよいでしょう。
業種グループ別リビジョン・インデックス(RI)の推移

(出所)野村證券市場戦略リサーチ部などより野村證券投資情報部作成
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