「AI関連技術」や「周辺機器」が要注目ポイント

個人投資家こそ押さえておきたい「AI業界」のこれから

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AI周辺の「技術」「装置」への注目度UP

AIエージェントがすぐに普及して盛り上がるとはいえなそうだが、AI業界全体を見てみると期待の高まりは感じられるだろう。投資においても、AI関連銘柄に注目が集まっている。

「現在は、フィジカルAI(ロボットや機械を動かすAI)に対する、投資家の関心が高まっています。フィジカルAIを実行するうえでのデバイスに搭載されている半導体やソフトウェアへの注目度も高まり、関連企業の株価も上がってくるのではないかと考えられます」

さらに、AIの活用が進むことによって、周辺の技術も盛り上がっていく可能性が高いとのこと。

「現在、AIの学習に必要なデータセンターの構築が盛んに行われています。そのため、データセンターに搭載される半導体に加え、発電機や電源装置の需要も上がっています。GPU(画像処理装置)やメモリも欠かせないため、これらの装置を開発する企業への注目は、今後も続くと考えられます」

いまのうちから注目しておきたい「AI開発企業の上場」

AI開発企業への投資は、積極的に行っていくべきだろうか。

「アンソロピックでは2026年秋頃、OpenAIでは2027年中の上場が検討されていると報じられています。注目されている方も多いと思いますが、先行投資の段階の会社が上場企業となり市場に参加すると、将来の成長利益への期待から、NASDAQ総合指数のPER(株価収益率)が上昇する可能性があります。上がること自体は悪いことではないのですが、仮にPER60~70倍のような状態になったら要注意です」

1999年から2000年にかけて生じたITバブルの際には、NASDAQ総合指数のPERが60~70倍になったという。アマゾンなど、IT革命をけん引した企業がまだ赤字か、ようやく黒字化し始めた段階で上場した時期の出来事だ。

「加えて、ITバブルでのPER上昇は、新興企業の上場とは別の理由がありました。当時は『コンピューター2000年問題』が懸念されていました。2000年になると銀行のシステムが誤作動を起こして、正常に決済できないかもしれないという不安感がありました。そのため、アメリカで『手元にお金を備えておくべき』という考えが広まり、口座から現金を引き出す人や企業が増えかねない状況だったのです。そのような状況に対応するため、FRB(連邦準備制度理事会)は1999年末に資金を大量供給しました。実際には『コンピューター2000年問題』は大きな問題にならなかったのですが、供給された資金が株式市場に流れ、人気銘柄に大量の資金が入ってPERが極端に上がり、バブルの状態になりました」

新興企業の上場に「コンピューター2000年問題」や「資金の大量供給」といったさまざまな要素が絡み合ったことで、バブル化してしまったのだ。

「現在は『コンピューター2000年問題』のような外的要因は見られないため、アンソロピックやOpenAIが上場したからといって、バブル化するとは考えにくいでしょう。ただ、日本企業の何倍もの利益を上げている企業が市場に入ってくるとなると、それらの企業の影響は大きいため、直接は投資しないとしても注目しておいたほうがいいと思います。ITバブルのときのように、思いがけない要因で株価が変動する可能性もあるので、世の中の変化も押さえておきましょう」

AIの進化の速さと比例して、多様な動きを見せているAI業界。今後ますます注目を集めることは間違いないため、さまざまな情報を集めながら、未来を予想していきたいところだ。

(取材・文/有竹亮介 撮影/森カズシゲ)

お話を伺った方
村山 誠
野村證券投資情報部 シニア・ストラテジスト
1990年野村総合研究所入社、1998年に野村證券転籍。エクイティアナリスト、クレジットアナリストとして勤務。2011年6月より米国株ストラテジー担当。投資環境の分析、個別株の投資アイデアを提供。テレビ東京「Newsモーニングサテライト」出演中。
著者/ライター
有竹 亮介
音楽にエンタメ、ペット、子育て、ビジネスなど、なんでもこなす雑食ライター。『東証マネ部!』を担当したことでお金や金融に興味が湧き、少しずつ実践しながら学んでいるところ。

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