AI相場とITバブル期の比較 ~AI相場のPER上昇は限定的~

提供元:野村證券 投資情報部

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AI相場のPERの推移はITバブル期とは異なる

ChatGPTの普及をきっかけとしたAI相場(2023年以降)において、ナスダック総合指数はITバブル期と同じような軌道で上昇しています。一方で、同指数のPER(株価収益率)の推移は、ITバブル期のような急上昇は現時点では見られません。一般的にPERは株式市場の期待により変動すると考えられますが、現在のAI相場はITバブル期のような期待感の高まりが急激に先行しているわけではなさそうです。

「ITバブル期」と「AI相場」のナスダック総合指数のPER(株価収益率)

(注)データは月次で、ITバブル期は1995年から2002年末、AI相場は2023年初からで、直近値は2026年7月10日。ナスダック総合指数のPERの計算に使用したEPSについては、ITバブル期は各月末時点におけるLSEG集計による12ヶ月実績EPS。足元については、各月末時点におけるLSEG集計による12ヶ月先予想EPS。一般的な利益拡大局面では、予想EPS基準のPERの方が、実績EPS基準のPERよりも低くなる傾向がある。
(出所) LSEG、ファクトセットより野村證券投資情報部作成

ITバブル期と比較して、利益の拡大ペースは速い

ITバブル期の1995年とAI相場の2023年における各ナスダック総合指数のEPS(1株当たり利益)を100として、それぞれEPSの推移をみると、現在のAI相場はITバブル期と比較して利益拡大のペースが速い、と市場では予想されています。現在のAI相場は、ITバブル期以上の企業業績の拡大が予想されますが、上場申請を行っている、先行投資期で期間損益が赤字である大型AI企業などが、今後上場する場合には、EPSが押し下げられる可能性には注意が必要です。

「ITバブル期」と「AI相場」のナスダック総合指数のEPS(1株当たり利益)

(注)データは年次で、ITバブル期は1995年、AI相場は2023年におけるナスダック総合指数のEPSをそれぞれ100として指数表示。2026年以降の予想はファクトセット集計による市場予想平均(2026年7月10日時点)。
(出所) LSEG、ファクトセットより野村證券投資情報部作成

<執筆者紹介>
野村證券投資情報部 ストラテジスト
大坂 隼矢・長岡 里緒

ご投資にあたっての注意点

著者/ライター
大坂 隼矢
野村證券投資情報部 シニア・ストラテジスト
2010年 野村證券入社。3店舗での支店業務を経て、2015年3月より投資情報部。現在は月刊誌「Nomura21 Global」等、個人投資家向け株式資料の作成をはじめ投資情報の提供を行う。
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