独自の理論で資産を築いた投資家VTuberに聞く「会社員でもできる投資術」・前編
株式投資成功の秘訣は「月次情報」から企業の調子を汲み取ること
企業が公表する「月次情報」が投資のヒントになる
好調に始まったように見えた株式投資だが、すぐに「そんなに甘くない」と感じたとのこと。
「ITバブル崩壊の影響を受けて、勤務先の株価が100分の1になったんです。そのときに『もっとちゃんと勉強しないとダメだな』と思いましたね。そこから四季報や日経新聞、決算について解説する本を読むといった正攻法で学び始めました。当時は持ち合い株(※)が多かったこともあり、主に持株比率や自己資本比率を見て選別していました。いま振り返ると、とても危ない状況での投資もありましたが、結果的に危機管理の勉強になり、リーマン・ショックや東日本大震災を超えたところわずかな含み損でとどめることができました。その後、日経平均株価が10倍になり、私の資産も10倍になったので、売却せずに持っていてよかったなと」
※2つ以上の企業が、互いに相手の株式を保有し合うこと。
拠出し続けていた持株会も、時間をかけてトータルで6倍になった。持株会の資産が1000万円を超えたら引き出し、株式投資に充てたという。
「投資や決算について勉強するなかで、行きついたのが『月次情報を見る』という手法でした。主に小売業などが毎月の決算をニュースリリースで発表しているので、それをもとに判断していくというものです。月次の業績が好調な企業の株式を買うと、株価が上がるということに気付いたんです」
2001年9月11日に起こったアメリカ同時多発テロ事件の影響を受けて、飛行機を利用する人や海外に行く人が減ったため、旅行会社のHISの株価が下がっていた。そのときにはっしゃんさんはHISの月次情報を見て、株価との関連性に気付いたそう。
「毎月の業績を見て流れに乗るという手法を実践するきっかけになったのは、ゼンショーホールディングスです。20年ほど前にゼンショーが手掛けるすき家が自宅の近くにできたのですが、その頃は狂牛病の問題で牛丼屋から牛丼がなくなり、豚丼が売られていたんですよね。そのなかでいち早く安全な牛肉を確保し、牛丼の提供を始めたのがすき家で、業界トップに上り詰めたんです。当然ながら月次情報も好調で、私もゼンショーの株式を買い、優待券で牛丼を食べに行っていました。株価も30倍くらいになり、その後は外食チェーンを買収して規模を拡大し、現在は世界進出という成長戦略を掲げています」
ゼンショーホールディングスへの投資をきっかけに、月次情報をもとにした投資判断の手法や長く保有する意義などを実感していった。
「突然株価が10倍になるということは少ないですが、月次で15%ずつでも成長していけば、いずれ10倍になるんですよね。月次で成長を続けていたら、3年先、5年先の大きな成長につながることも見えてきました。また、さまざまな企業を見ていくなかで、増収増益でどんどん成長する企業、もしくは成長限界を超えて日本から世界に出ていくような企業を投資という形で長期的に応援するスタイルが、自分には合っていると感じたんです。いまでも、投資家として社会に貢献できるようなことがしたいと思っています」

