かぶオプコラム

【1年で学ぶ かぶオプ投資術】第5回:夏枯れ相場を味方につける――保有株を働かせるカバード・コール

提供元:株式会社シンプレクス・インスティテュート

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【かぶオプコラム】
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【1年で学ぶ かぶオプ投資術】第4回:相場が大きく動く瞬間を利益のチャンスに ― イベント前のストラドル戦略 | 東証マネ部!

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最近は、自分がほかのことをしている間にAIに仕事をしてもらう、ということも珍しくなくなりました。便利なツールや知識をうまく使えば、同じ時間でもできることが増えていきます。これは、投資でも同じかもしれません。

あなたが夏休みを楽しんでいる間に、保有株には休まず一仕事してもらうことができれば、「株を持っている時間」にも新たな収益機会をつくることができます。

8月は、帰省や旅行などで普段のようには相場を見られず、取引から遠のくという方も多い時期です。例年、お盆のころなどは売買が細りやすく、「夏枯れ相場」という言葉もよく聞かれます。せっかく休暇を取ったのですから、旅行先で一日中株価とにらめっこしていたくはないでしょう。だからといって、休暇の間は全く市場に関わらないというのも少しもったいない気がします。

そこで今回は、株を持ったまま、もう一つの収益を狙う「カバード・コール」を使って、夏休み中に保有株に働いてもらう方法を考えてみましょう。

例えば、1,000円で買った株を100株持っているとします。これまでの値動きから、夏休みの間に上下10%程度、つまり900円から1,100円くらいまで株価が動く可能性はあると考えているとします。この範囲の値動きであれば株を手放すつもりはありません。

では、そのまま何もせずに株を保有したまま夏休みを過ごす場合と、カバード・コールを組んでから夏休みに入る場合とでは、どのような違いがあるでしょうか。

今回は、「上がったとしても1,100円程度まで」と考えているので、行使価格1,100円のコールを売ることにします。仮に、このコールを20円で売ることができたとしましょう。100株分なら、最初に2,000円のプレミアムを受け取ることができます。準備はこれで終わりです。あとは、いったん相場から離れて夏休みを楽しむことにしましょう。

―夏休みのあと、3つの未来―

夏休みが終わったとき、株価はどうなっているでしょうか。分かりやすくするため、ここでは夏休みの終わりがオプションの満期日と重なったと仮定し、3つのケースを比べてみます。

【図:「株だけ」と「カバード・コール」の損益を比較】

※1株あたりの損益(「株式」覧の数字は株式の価格変動による含み損益、「カバコ」欄の数字は株式の価格変動による含み損益とオプションプレミアム分の実現益の合計)。手数料・税金等は考慮していません。

まず、株価が920円まで下落した場合です。
株だけを持っていれば、1,000円から920円へ80円下落していますから、1株あたり80円の損失です。

一方、カバード・コールをしていた場合には、最初に20円のプレミアムを受け取っています。そのため、合計の損益は
-80円 +20円 = -60円
となり、株だけを保有していた場合の-80円よりも損失が小さくなります。コール売りで受け取った20円が、下落による損失の一部を埋めてくれる「クッション」になったわけです。

次に、株価が1,000円のままだった場合です。
株だけを持っていれば、株価はまったく動いていないので損益も0円です。

一方、カバード・コールでは、コール売りで受け取った20円が残ります。夏休みから帰ってきたら、株価は出発前とまったく同じ。それでも、保有株には20円分の仕事をしてもらえたことになります。

では、株価が1,080円まで上昇した場合はどうでしょうか。
株だけを持っていれば80円の値上がり益です。
今回は行使価格1,100円のコールを売っているため、株価1,080円はまだ行使価格を下回っています。したがって、株の値上がり益80円に、コール売りで受け取った20円が加わり、
+80円 +20円 = +100円
の利益となります。

ここで、3つのケースをもう一度眺めてみてください。
株価が下がっても、横ばいでも、上がっても、満期時の株価が行使価格1,100円以下である限り、カバード・コールの損益は、株だけを保有した場合よりちょうど20円ずつ改善しています。下落時でも横ばいでも上昇でも、値上がりが行使価格までは株の値上がり益にプレミアムを上乗せできるからです。つまり、想定したレンジの中で株価が動く限り、「何もしない」よりもプレミアム20円分だけ保有株にもう一仕事してもらえたことになります。
これは、夏休み中のように「多少の値動きは受け入れるので株はそのまま持っておきたい」という場面では、なかなか魅力的に見えます。

―では、予想以上に上がったら?―

もちろん、相場はこちらの想定どおりに動くとは限りません。夏休みから戻ってきたら、予想していた1,100円をあっさり超え、株価が1,200円になっていたとしたらどうでしょうか。

株だけを保有していれば、
1,200円 -1,000円 = +200円
の値上がり益です。

一方、カバード・コールでは、行使価格1,100円のコールを売っています。満期時に株価が1,100円を上回り、コールが権利行使されれば、保有株は1,100円で売却することになります。
その場合の利益は、
・株の値上がり益:+100円
・コール売りで受け取ったプレミアム:+20円
の合計 +120円です。

利益は出ています。しかし、株だけを持っていた場合の+200円には届きません。

ここで、先ほどまでとは状況が変わってきます。想定レンジの中では、カバード・コールがプレミアム20円分だけ有利でした。ところが、株価が想定した上限を大きく超えると、今度はコールを売ったことによって上昇利益が限定されるのです。

プレミアムという追加収益を得る代わりに、予想以上の大幅上昇が起きたときの利益の一部を手放す。これが、カバード・コールのもう一つの顔です。

今回の例でポイントとなるのは、「夏枯れなら株価は動かない」と決めつけることではありません。「この期間なら、900円から1,100円くらいの値動きはあり得る」と自分なりのレンジを考え、その上限にあたるコールを売ります。想定した範囲に収まれば、株をただ持っているよりプレミアム分だけ収益を上乗せできます。

一方、想定を超えて大きく上昇すれば、その上昇利益の一部を手放すことになります。つまりカバード・コールは、「株価が動かないと予想する戦略」というより、「このくらいの値動きなら受け入れられる」という自分なりの想定レンジを決め、その間の時間をプレミアム収入に変える戦略と考えると、使い方が見えてきます。

今回ご紹介したのは、自分は夏休みに入って相場から少し離れてリフレッシュしつつ、保有株には休まずもう一仕事してもらう、というかぶオプの活用法です。もう夏休みが終わってしまった方も、次の休暇には「持っている時間を活用する」投資術として、カバード・コールを思い出してみてはいかがでしょうか。

かぶオプ入門(1)|カバードコール
https://www.jpx.co.jp/ose-toshijuku/movie/kabuop/kabuop_nyumon_2026_01.html
かぶオプ入門(2)|ターゲットバイイング
https://www.jpx.co.jp/ose-toshijuku/movie/kabuop/kabuop_nyumon_2026_02.html
かぶオプ入門(5)|コール買い戦略
https://www.jpx.co.jp/ose-toshijuku/movie/kabuop/kabuop_nyumon_2026_05.html
かぶオプ入門(6)|プット買い戦略
https://www.jpx.co.jp/ose-toshijuku/movie/kabuop/kabuop_nyumon_2026_06.html

(提供元)株式会社シンプレクス・インスティテュート

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