日本:2026年4-6月期決算レビュー ~歴史的に高水準な業績モメンタムが確認された~

提供元:野村證券 投資情報部

TAGS.

2026年4-6月期決算出揃う

2026年4-6月期の決算がほぼ出揃いました。ラッセル野村Large Cap(除く金融)では、前年同期比13.2%増収、営業利益は同43.8%増となった模様です。事前の市場コンセンサスが各々、同+8.1%、同+30.2%だったので、ともに大幅に上振れて着地しました。

個別企業レベルでも、売上高、営業利益ともに76%(4社に3社)が事前の市場コンセンサス予想を上回って着地しています。過去、この比率は概ね50%台半ば~60%台半ばで推移しており、今回の70%台という結果は際だって強い、といって差し支えないでしょう。

業種別では、製造業は鉄鋼・非鉄、機械、電機・精密の上振れ比率が相対的に高くなっており、AI関連需要の広まりの影響と考えられます。非製造業では、建設、運輸など、原油高やそれにともなうコスト増の影響が懸念されていた業種で上振れ比率が高くなっています。想定したほど需要が減退しなかった、価格転嫁が順調に進んだ、ことなどが背景にあると見られます。

四半期 業績の推移

(注1)ラッセル野村Large Cap(除く金融)の四半期・増収率および営業増益率、経常増益率の推移。
(注2)2026年1-3月期までは実績値。2026年4-6月期は、2026年7月1日時点のQUICKコンセンサスが存在する1~3月決算企業のみで集計した事前コンセンサスを点線で、2026年8月18日までに決算発表を終えた企業を対象にした実績を実線で示している。
(出所)QUICKなどより野村證券投資情報部作成

為替の業績への影響は?

会社側の通期業績の見通しにも動きがみられます。2026年8月17日時点で、東証プライム上場企業のうち、2026年度通期会社見通しを期初時点から変更した企業は18.1%となっています。2021~25年度の同時期の平均値14.2%に比べると顕著に多い状況です。4-6月期決算をうけ、通期見通しとの整合性を取らざるを得なくなった企業、通期見通しを上回る可能性が高いと考える企業、が増加していることがうかがえます。

なお、会社側の2026年度為替見通しは、2026年5月時点と比較すると、足元で155円/米ドル超とする企業が増加しています。期初~足元までの実績為替レートを反映させた結果、期初に比べ通期前提が円安米ドル高となった企業の割合が多くなっています。

2026年度 会社側為替前提と為替感応度(経常利益)

(注1)左図は、2026年5月18日時点、および8月17日時点の会社側の2026年度米ドル円レート前提。母集団は前提を公表している全上場企業。
(注2)右図のRNL(除く金融)はラッセル野村Large Cap(除く金融)。ラッセル野村Large Cap(除く金融)および構成業種別の為替感応度で、1円/米ドル円安の際の経常利益(2026年度)変動率。メディア、運輸は表示していない。
(出所)QUICK、野村證券市場戦略リサーチ部などより野村證券投資情報部作成

歴史的にみても強いRI

例年4-6月期決算シーズンは、通期に対する進捗率が1/4にとどまることから、会社側の通期見通しに対する情報発信量は、他の四半期決算発表時に比べて低水準にとどまります。今回も、例年に比べ活発な通期見通しの変更はあったものの、本格的な会社側からの情報発信は中間決算発表以降と見られます。

そのため、この時期はアナリストの通期業績予想の修正に注目が集まります。アナリスト通期予想の方向性を示すリビジョン・インデックス(RI)は、2026年8月17日時点で40.0%となっています。アナリストによる通期予想の修正は現段階では終了しておらず、今後見直しが進むにつれRIはやや低下する可能性はあるものの、歴史的にみて足元のRIは極めて高い水準です。

RIのデータが存在する1970年代以降でもRIが30%を超えることは数えるほどしかありません(下図)。しかもほとんどのケースで、RIが高水準になる前に、大きな『ショック』を経験しており、そのショックからの反動でRIが大きくプラスになっている場合がほとんどです。2025年の米トランプ政権による関税政策による混乱があったことを考慮しても、今回のRIの高さは異例といってもよいでしょう。我が国が永らく続いたデフレから脱却し、物価上昇と企業業績の拡大という循環が生じつつある可能性があります。

リビジョン・インデックス(RI)の推移

(注)ラッセル野村Large Cap(除く金融)の四半期ベースのリビジョン・インデックス。リビジョン・インデックスは(上方修正数-下方修正数)/母集団数×100にて計算。直近値は、2026年8月17日時点。図中の濃いグレーの縦線はRIが30%超えの箇所を示し、薄いグレーの網掛けはRIが30%以下の範囲を示す。
(出所)野村證券市場戦略リサーチ部より野村證券投資情報部作成

幅広い業種がけん引役に

RIを業種グループレベルで見ても、幅広い業種で業績モメンタムが加速していることは明らかです。今回の決算発表シーズン中、7業種グループすべてでRIの持続的な回復・上昇がみられました。決算シーズン前には、中東情勢や原油高の影響から唯一RIがマイナスであった公益インフラでも足元ではプラス圏の推移となっています。我が国のRIは現在世界でもトップグループに位置しますが、業種の拡がりも特徴の一つと言えるでしょう。

業種グループ別リビジョン・インデックス(RI)の推移

(注)ラッセル野村Large Capを構成する業種グループごとの経常利益予想を基準としたリビジョン・インデックス(週次)の推移。0を上回ると上方修正優位、0を下回ると下方修正優位と判断される。2025年10月23日から2026年8月17日までの期間を表示している。2026年4月2日以降は基準年度が2025年度から2026年度に変更されている。RNLはラッセル野村Large Capの略。
(出所)野村證券市場戦略リサーチ部などより野村證券投資情報部作成

ご投資にあたっての注意点

著者/ライター
伊藤 高志
野村證券投資情報部 シニア・ストラテジスト
用語解説

"※必須" indicates required fields

設問1※必須
現在、株式等(投信、ETF、REIT等も含む)に投資経験はありますか?
設問2※必須
この記事は参考になりましたか?
記事のご感想や今後読みたい記事のご要望などをお寄せください。
(200文字以内)

This site is protected by reCAPTCHA and the GooglePrivacy Policy and Terms of Service apply.

注目キーワード