プロが語る!資産形成のすゝめ

「金利のある日本」での新たな投資機会

金利上昇は敵なのか?

提供元:光世証券

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金利のある日本

日本では長らく超低金利時代が続いていました。お金を銀行に預けてもほとんど利息は付かず、「資産を増やすためには投資をするべきだ」といわれてきました。しかし最近は、金融政策の転換や物価上昇などを背景に、銀行の金利引き上げのニュースを聞く機会も増え、「金利のある日本」が少しずつ現実になりつつあります。

「金利が上がれば預金する人が増え、投資には逆風なのでは?」と考える方も少なくないでしょう。でも、投資の世界はそんなに単純ではありません。実は、金利上昇は新しい投資テーマが生まれるサインでもあるのです。

「金利上昇は景気が動いている証拠」かもしれない

そもそも金利は、理由もなく突然上がるものではありません。好景気や物価上昇などを背景に、中銀の金融政策が変化することで、あるいはその変化の見通しによって上昇します。例えるなら、止まっていた風車がやっと回り始めたようなものです。

投資においては、単に「風車が回った」という事実だけではなく、「どこから風が吹いているのか」などその背景に着目することが重要です。

「金利上昇」で上がる株

金利上昇と聞くと、つい「株式市場全体にマイナス」というイメージを持ちがちですが、恩恵となるセクターもあります。

例えば銀行です。貸出金利と預金金利の差が広がれば、投資家の間で収益改善の期待が高まります。

図1.キオクシアHD・銀行株 チャート比較

出典:LSEG WSのデータより筆者作成

この画像では、紫線はキオクシアHD、白線は三菱UFJ、薄赤線は三井住友FGをそれぞれ表しています。2026年6月の利上げ観測を機に、図で示されている銀行株は堅調な推移を始めています。最近では、キオクシアをはじめとするAI・半導体関連株に利益確定売りが見られる局面がある一方で、グラフの通り銀行株が買われる場面も多くありました。トレンド株に注目しがちですが、より俯瞰的に株式市場を見ていればこの動向の恩恵を受けられた可能性もあります。

投資の面白さは、こうした「環境の変化による相場への影響」を見つけることにあると思います。暑くなればアイスクリーム屋さんが儲かるように、その変化で「誰が恩恵を受けるのか」という視点を持つと市場の見え方が変わってくるかもしれません。

投資の世界に正解は一つではない

低金利時代は資産形成における選択肢が少なく、ある意味シンプルでした。預金で資産形成すること自体が難しく、資産を増やすためには自ずとリスク資産へ投資せざるを得なかったからです。

しかし、金利のある世界では選択肢が広がります。日銀は2026年6月に政策金利を0.75%から1.0%に引き上げました。こうした政策金利水準は1990年代以来の水準です。つまり、リスクの高い資産を選ばずとも、元本が保護されている「預金」も資産運用の選択肢として再び現実味を帯びてきたということです。

表1.日銀政策金利の推移

図2.日銀政策金利推移チャート

出典:日本銀行「時系列統計データ検索サイト」

また、利回りが政策金利に連動する形で上昇している国債も、投資先としての魅力を高めています。

図3.日本国債10年利回り

出典:世界の株価 リアルタイムチャート「日本国債10年利回り」

図4.米国債10年利回り

出典:世界の株価 リアルタイムチャート「米国債10年利回り」

日銀が今後も政策金利を引き上げていくのであれば、債券投資から得られる収益が増える可能性があります。例えば、満期10年の変動金利型債は、半年ごとにその時の金利情勢に応じて利率が変動します。これからも金利が上昇し続けると仮定すれば、有効な選択肢となるでしょう。

一方で株式投資においても前述の通り、ポートフォリオ設計を工夫することで「金利上昇」という一見株式投資にとって逆風なイベントでも味方につけることが可能です。そのためには、金利上昇局面で恩恵を受ける金融株や、グロース株から資金が移りやすい高配当・バリュー株をポートフォリオに組み込み、相場全体の激しい値動きに振り回されないことが重要です。さらに利益を追求するのなら、資産の一部を現金のまま保有し、金利上昇を受け下落したグロース株の押し目買い機会を狙うのもいいかもしれません。

金利のある世界では投資商品の選択肢が広がる分、それぞれの資産の性質を考える必要性も増加します。

経済の変化を感じ取り、新しいチャンスを探し、自分なりの組み合わせを考える。そんな楽しみ方もあるのではないでしょうか。

変化はリスクでもありチャンスでもある

日本は今、大きな転換点を迎えています。
「賃金上昇」や「金利のある世界」の到来など、日本社会ではこれまでの常識が変わる動きが見られます。

長年続いた環境が変化することは、リスクと捉える人も多いかもしれません。しかし市場を振り返ると、大きな投資機会の多くは変化の中から生まれてきました。

金利上昇を単なる逆風ととらえるのではなく、新しい風向きとして捉え、追い風にする方法を考えていくことで、これまで見えていなかった投資のチャンスが見つかるかもしれません。

出典
1. 世界の株価 リアルタイムチャート
https://nikkei225jp.com/ 最終閲覧:2026年8月4日
2. 日本銀行 時系列統計データ検索サイト
https://www.stat-search.boj.or.jp/ 最終閲覧:2026年8月4日

(光世証券)

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