プロのアドバイザーによる新サービスが人気
なぜOliveは「人への相談」を強化するのか? AI時代に見据える金融の未来
AIに聞けば、さまざまな疑問に答えてくれる時代が到来した。しかしその一方で、あえて「人に相談する」機能を拡充しているサービスがある。SMBCグループの「Olive」だ。2026年5月末から、Oliveでは資産運用をサポートする新たな機能が加わった。その1つが、プロのアドバイザーに運用などの相談ができる「Olive資産運用サービス」だ。
このサービスを展開するのは、SMBCグループとSBIグループによって設立された新会社、Oliveコンサルティングである。一体どのような会社なのか。そしてなぜ今、人による相談に力を入れるのか。代表取締役社長の本田顕氏と、アドバイザーとして実際に顧客の相談に応じる高橋わかな氏に話を聞いた。
金融の二大グループが、あえて新会社を設立した理由
SMBCグループとSBIグループは、2020年4月に戦略的・資本業務提携を行い、さまざまな取り組みを進めてきた。その連携をさらに発展させ、両グループの強みを生かした資産運用サービスをOlive上で提供するため、2025年8月に新会社が設立された。それがOliveコンサルティングである。SMBCグループとSBIグループの共同出資となっている。
なぜ既存の組織ではなく、あえて新会社を設立したのか。その狙いについて、本田氏はこう答える。
「すでにある組織の中でサービスを考えるのではなく、あえて独立した新会社を設立することで、これまでの慣習や枠組みにとらわれない、お客さまのためになるサービスを一から設計できると考えました」
同社は2026年5月26日から、Olive上で2つの新サービスを展開している。1つが「デジタル資産運用サービス」。マネーフォワードとの連携により、ユーザーの銀行口座・保険・証券などの情報をまとめて、資産全体を見える化する。また、専門家が考える資産ポートフォリオを紹介し、ユーザーが自分のポートフォリオと比較することで、現在の資産配分を見直す機会をつくる。そのほか、市場動向や資産運用についての考え方を発信するコンテンツも用意している。
もう1つのサービスが「コンサルティングサービス」だ。資産に関する相談をプロに無料で行えるもので、これまで三井住友銀行やSMBC日興証券で経験を積んできたアドバイザーが対応にあたる。アドバイザーの顔ぶれや経歴は専用ページに公開されており、それぞれの得意な相談テーマもわかるようになっている。一定の条件を満たしたユーザーは、自分が相談したい内容に合わせて、アドバイザーを選ぶことも可能。毎回同じ人に相談する必要もなく、テーマに合わせて変えることもできる。
「気軽に相談したい方はチャットや電話、じっくりお話ししたい方は面談を行うなど、お客さまに合わせたスタイルを選択できます。1回目はオンライン面談、2回目以降は対面での面談も可能になるので、より深くお話しすることも可能です。平日、土日、祝日いずれも対応しており、お客さまがご自身の予定に合わせて利用できるサービスになっています」(本田)
2つのサービスのうち、特に注目したいのがコンサルティングサービスだ。今はAIに何でも相談できる時代。その中で、なぜ「人」による相談に力を入れるのか。
「AIによって、確かに情報を得ることは容易になりました。しかしその一方で、情報が多すぎて何が正しいのかわからない、AIの回答が本当に自分に合っているのか判断できない、といった悩みも生まれています。その結果、銀行や証券会社の店舗にわざわざ足を運ぶほどではないが、誰かに相談したいという意向は増している。AIの普及は、むしろ人への相談ニーズを高めていると感じています」(本田)
実際にアドバイザーとして相談を受けている高橋氏も、こうした顧客の変化を実感しているという。
「ほとんどのお客さまは、何か知りたいことがあると、まずAIで確認されています。ただ、その答えが正しいのか確信が持てず、私たちアドバイザーに相談されるケースがありますね」




