プロのアドバイザーによる新サービスが人気
なぜOliveは「人への相談」を強化するのか? AI時代に見据える金融の未来
アドバイザーのもとには、どのような悩みが寄せられるのか
サービス開始以降、アドバイザーのもとにはさまざまな相談が寄せられている。どのような内容が多いのだろうか。
「資産運用はもちろん、それ以外にも、お金に関する幅広い相談が行われています。特に私の場合は、プロフィール欄の得意分野に『投資信託』『相続』『退職金』といったテーマを挙げているため、これらに関連する相談が多いですね。たとえば相続なら、お客さまはAIで相続税の大まかな金額や制度の概要は調べられるのですが、その内容に漏れや見落としがないか、より細かく確認したいという方が多くいらっしゃいます」(高橋)
さまざまな相談を受ける中で、高橋氏は心掛けていることがある。必ず相手に“プラスワン”を提供することだ。相手の役に立つ情報、相談してよかったと思える情報を、1つは渡す。それをモットーにしているという。
反対に、アドバイザーとして「やらないこと」も決めている。商品の押し売りやプッシュ営業はしない、ということだ。
「特定の商品を購入するよう、お客さまに強く勧めることはありません。仮に資産が株式に偏りすぎているお客さまがいた場合、債券の比重を増やすなど、資産を分散するようアドバイスは行います。また、それを実現するための具体的な運用方法や、1つの選択肢として金融商品を紹介することはあります。しかし、実際に商品を購入するかどうかは、あくまでお客さま自身に委ねます」(高橋)
押し売りをしないのは、Oliveコンサルティングが会社全体で大切にしている方針だという。本田氏はその点について、こんな考えを伝える。
「お客さまにとっては、押し売りされないことが安心して相談できる土台になります。本当に聞きたいことだけ、気になることだけをプロと話し合える。その状態こそが、本当の意味でお客さま本位のサービスになると思っています。私だって、買い物に行って店員さんに商品を過度にプッシュされたら息苦しくなります。自分がされたくないことはしない、その考えでこうした方針を貫いています」(本田)
新たなファンドラップも提供開始
Oliveコンサルティングでは、ファンドラップの「Oliveラップ」(SBIラップ Oliveコンサルティングコース)も提供している。ファンドラップとは、投資家に代わって金融機関などが資産の運用・管理を行うもの。Oliveコンサルティングのサービスを利用している人は、このラップを申し込める。
Oliveラップの特徴は3つある。1つ目は、ネット上で手続きが完結すること。2つ目は、業界最低水準の手数料であること(※)。
そして3つ目は、このラップで一定額以上の運用を行う人に対して、アドバイザーによる面談などの定期的なサポートがつくこと。ファンドラップはさまざまな銘柄を組み合わせているため、なぜ値上がり・値下がりしているのか、その要因がわかりにくい。こうした素朴な疑問にアドバイザーが答えてくれる。
※一般社団法人 資産運用業協会が公表する「契約資産状況(最新版)(2025年12月末現在)」におけるラップ業務の契約資産状況の上位10社との比較による。2025年12月末時点、Oliveコンサルティング調べ。
金融における「AIと人の協働体制」を築きたい
ここまでに紹介したサービスをローンチしてから、順調に利用者も増えているようだ。サービス開始から約1カ月の時点で、Oliveコンサルティングの預かり資産残高は1兆円を超え、口座数も10万口座を突破した。さらに9月中旬には2兆円を突破している。本田氏は、今後さらにユーザーやサービスを拡大していきたいという。そこでポイントに挙げるのが、人とデジタルの融合だ。
「金融サービスは、人かデジタルかという二者択一ではなく、両方が融合していくと考えています。AIは今後の金融に不可欠な存在ですが、決して人の役割を置き換えるものではありません。大切なのは、人とAIの強みを掛け合わせ、協働することです。それにより、一人一人のお客さまに最適化されたアドバイスを行えると考えています」
たとえば将来的には、顧客の資産状況や課題といった前提情報をAIが聞き出し、その内容をもとに、アドバイザーが一人一人に合った助言をしていく。こうした協働体制を築ければ、アドバイザーは事前の情報確認に時間を費やさず、顧客への提案を検討する時間を増やせる。そんな未来を作り、相談の質を高めたいと本田氏は考える。
人とデジタルの融合により、資産運用における心強いパートナーになる。AIが発展する時代だからこそ、Oliveコンサルティングは「人が持つ価値」に眼差しを向ける。
(取材・文/有井太郎 撮影/森カズシゲ)
※記事の内容は2026年11月3日現在の情報です






