動画でわかる資産形成
ふんわり動画でやさしく『資産形成』をご紹介します。「ETFって何?」という方も是非一度ご覧ください!
投資=ギャンブルって思ってない?
「投資はギャンブルと同じ。一文無しになってしまいそうで怖い…」
投資をしたことがない人に「やらない理由」を尋ねると、損をするリスクを過剰に恐れていたり、ギャンブルと同じように考えていたりする人は少なくない。もちろん、投資である以上、損失が発生するリスクはあるけれども、それはやり方次第。まずは、「投機」と「投資」の違いをしっかり理解しよう。
似ているようで異なる「投機」と「投資」。一般的には、ギャンブル的要素が強い・リスクが高い・保有期間が短いといったときには「投機」、手堅い・リスクが低い・中長期で運用といったときには「投資」という表現を使うことが多い。実際、投資の名著として知られる『ウォール街のランダム・ウォーカー』では、投機と投資の違いが以下のように表現されている。
“投資と投機を区別する基準は、どのような期間で投資リターンを考えるかがはっきり意識されているかどうかと、リターンが合理的に予測できるかどうか、の二点にある。投機家は二、三日あるいは二、三週間の間に大儲けすることを狙って株式を取得する。これに対して、投資家は、何年、あるいは何十年先まで安定的に配当をもたらし、あるいは持続的な値上がりが期待できるような株式を保有する”
(出所:『ウォール街のランダム・ウォーカー』バートン・マルキール:著、井手 正介:翻訳/日本経済新聞出版社)
長い目で安全に資産を増やすにはどちらがいいかは、言うまでもないだろう。
上図は、1980年から、毎月3万円を単純に積み立てた場合(利息なし)と、毎月同じ金額を、日経平均株価に投資した場合との比較。積立貯金より積立投資のほうが高いパフォーマンスを残しているのがわかる。バブル崩壊やリーマンショックなど、一時的に大きな損失が出ても、長い目で見たらそれらを乗り越えており、最終的には複利効果もあって、単純積立の約1.36倍の金額となっている。
じっくりコツコツ増やすことを目的に考える長期投資。中でも、毎月少額からでもコツコツ積み立て投資でき、運用自体をファンドマネージャーにお任せできる「投資信託」は初心者にもオススメだ。
しかし、長期で運用する場合におろそかにできないのが、手数料などの保有コスト。まず、買うときには「販売手数料」が発生。申込価額に対して一定の割合が課せられるのだが、最近は「ノーロード」といわれる手数料がかからないタイプの商品も増えてきた。
次に、「管理費用(信託報酬など)」。これは保有している期間中に発生するコストで、保有する投資信託の純資産総額に対して一定の割合が徴収される。利益が出ていなくても発生することを覚えておこう。販売手数料と管理費用は、スポーツクラブの入会金と月々の会費(※信託報酬は日割りでかかる)に置き換えて考えてみるとわかりやすい。
そして、売却する際に徴収される費用に「信託財産留保額」がある。これは解約時に、現金を返すためにファンドに発生する費用(株式の売買手数料など)を解約した人に負担してもらうもの(必要ない商品もある)。
この3つの手数料の中で、長期投資に最も影響が大きいのが「管理費用」。たかがコンマ数パーセントの手数料の違いと侮ることなかれ。保有している間に常にかかり続けるコストであり、10年20年の間に大きな違いとなる。投資信託を選ぶ際には重要なチェックポイントだ。また、投資で儲かった利益には税金がかかる。分配金や売却益などの運用益には、約20%の税金がかかることも覚えておこう。
投資した金融商品の値動きは予想することしかできないが、これらの運用コストや税金を抑えることは確実なリターンの向上につながる。次回以降に紹介する、「インデックス投資」や「NISA」、「確定拠出年金」などは、保有コストや節税面でのメリットが大きい運用方法だ。
さらにインデックス投資のなかでも、保有コストを最大限節約することができる「ETF」という商品もある。長期運用を考えるなら取り入れてみてはいかがだろう?
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