最もイノベーティブな金融商品『ETF』第三回 -ETFにはリスクはあるの?-
提供元:THEO by お金のデザイン
少額で分散投資ができる、株とインデックス型投資信託のいいとこ取りをした金融商品「ETF(上場投資信託)」の魅力について、「お金のデザイン」の取材でお話しする機会がありましたので、その内容を転載いたします。
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今回は最終回、東京証券取引所で取り扱っているETFの特徴と、気になるETFの「リスク」についてうかがっています。
「東証ETF」の特徴とは?
――前回までのインタビューで、ETFは「透明性」「コスト面」「流動性」という特徴をもつ、プロにも選ばれている商品であるということがわかりました。では、ETFを実際に自分で買ってみたい場合、どのように買ったら良いのでしょうか。
東証ETFで買っていただく場合は、どの証券会社の証券口座からでも、すべての銘柄を買うことができます。投資信託は、買いたいと考えている投資信託を扱っている金融機関の証券口座を開設しないと買うことができませんが、ETFであればどの証券会社でも購入することができます。
――東証に上場しているETFについて教えてください。また「東証ETF」ならではの特徴はありますか。
まずは、すべて円のまま取引ができるということでしょう。海外に上場しているETFを買う場合は外貨に替えてから買わなければなりませんが、東証ETFの場合はすべて円建てなので、円のまま取引ができます。S&P500などのアメリカ株に連動している銘柄に関しても同様です。
ただ、それでもアメリカの市場で買う方もいます。理由としては、アメリカ市場で買った方が多くの取引があって規模が大きい分、信託報酬が日本より少し安くできるという点と、先ほどもお話しましたが「買いたい時に買いたい値段で買う、売りたい時に売りたい値段で売れる」といる流動性の面で、銘柄によってはアメリカで取引した方が優れているからです。
そこで、流動性の低い銘柄も取引しやすくするために、昨年7月に「マーケットメイク制度」を取り入れました。これにより、多くの銘柄で流動性が改善され、思い通りの値段で売買しやすくなってきました。
―― 「マーケットメイク制度」とは何ですか?
「マーケットメイカー」と言われる業者が、「売り」と「買い」の値段を提示してくれるものです。そのことにより、流動性が高まり、投資家は希望の値段で売買することが可能になります。
日経平均株価やTOPIX連動などたくさんの取引があるETFは、売りと買いが多く流動性が高いのですが、取引の少ないETFの場合、希望の値段がつかず、思ったより高い値段で買うことになってしまうケースがあります。
希望の値段で買えないと投資家は余計なお金を払うことになります。
上記例の場合、価格が6,000円のETFに対して、導入以前(左図)は購入するのに6,030円必要でしたが、導入後(右図)は6,010円と20円安く購入することができます。
――ここまでETFの良いところをたくさんお伺いできたのですが、ETFを取引するときのリスクはありますか?あるとしたら、どのようなリスクでしょうか。
そうですね、インデックス(日経平均株価やTOPIXなど)に連動しているので、当然下がることもあり、金融商品ですから元本割れするリスクもあります。
貯金をすべてETFにつぎ込んでしまうのではなく、色々な商品に分けて投資を行うことが大事です。ETFも一つではなく例えば日本株と海外の株などいくつかに分けて買っていくのが良いと思います。
もう一つのリスクとしては、頻繁に起こるわけではありませんが、ETFも「上場廃止」になることがあります。上場廃止になると、取引ができなくなります。
ただ、株式の場合は上場廃止が発表されると株券の価値がどんどん下がりゼロに近くなることもありますが、ETFの場合は通常は取引最終日までほぼ理論価格で取引することができます。ですので、取引最終日前までに売っても良いですし、売らずに持っていた場合でも、時間は少しかかりますが、取引最終日の価値で、後日現金を受け取ることが可能です。
今お話したリスクは、すべて株や投信などでも持ち合わせています。何度も言いますが、ご自身の資産の状況を見ながら、無理のない範囲で、分散して投資をするのが望ましいですね。
――ここまで三回にわたってETFについて教えていただきましたが、最後にETFについて、THEOのユーザーに向けて一言コメントをお願いします。
ETFは、一度投資していただくと良さがわかる商品だと思います。もし個人の方で投資してみたいという方がいれば、ぜひ数千円などの少額からでもはじめてみていただきたいですね。
自分で投資してみるとETFの良さを知っていただけますので、そこから適切な配分で分散投資をしてくれるロボアドに、さらに投資してみるのも良いと思います。そういう風にETFに親しんでいただけると、私たちとしては嬉しいです。
――ETFについての大変興味深いお話、ありがとうございました!
※本稿において、記載されたインタビュー内容の見解は、個人の本インタビュー実施時点における見解です。株式会社東京証券取引所および株式会社お金のデザインの公式見解ではありません。
※本稿は、2019年4月12日にTHEOBlog に掲載された文章です。
(提供元:THEO by お金のデザイン)
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