2021年4月8日、新たなラインナップが登場
日中ETFコネクティビティって何?
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「日本の投資家にとって中国株ETFをより身近に」というコンセプトのもと、日本取引所グループ(JPX)は、2019年、中国の証券取引所「上海証券取引所」との間で、また、2021年には「深圳証券取引所」との間でそれぞれ「日中ETFコネクティビティ」というスキームを構築しました。
日中ETFコネクティビティとは?
制度構築のきっかけは、2018年10月の日中首脳会談での合意を背景とした「日中証券市場協力」にあります。これにより、以下の図に示したように、ファンド・オブ・ファンズのスキームを通じて、中国の証券取引所に上場する中国株ETFを投資対象とするETFが東証に上場することで、日本の投資家は中国の証券取引所に上場する中国株ETFに間接的に投資できるようになったのです(同様に、中国の投資家は東証に上場する日本株ETFに間接的に投資できるようになりました)。
日中ETFコネクティビティのラインナップが拡大
このスキームを利用したETFに、2021年4月8日、新たに2銘柄が加わります。一つは、中国版ナスダックと呼ばれるイノベーション企業向け株式市場「科創板」に上場する、主要なイノベーション企業で構成される「科創板(STAR)50」指数に連動するETFで、もう一つが、今後中心的な存在にしたいとしているグレーターベイエリアのイノベーション企業で構成される「グレーターベイエリア・イノベーション(GBA)100」指数に連動するETFです。
・iFreeETF 中国科創板50(STAR50)(コード:2628)
・iFreeETF 中国グレーターベイエリア・イノベーション100(GBA100)(コード:2629)
中国は近年、イノベーション企業の発展に向けて各種取組みを推進しており、2019年には「科創板」が上海証券取引所に開設されました。また、中国の広東省と香港、マカオの連携を深め世界有数のベイエリアを目指す「グレーターベイエリア(粤港澳大湾区)」構想が掲げられており、とりわけ深圳はイノベーション企業が集積する都市として注目を集めています。
このように、近年注目度が高まる中国のイノベーション企業に特化した株価指数を対象にしたETFが商品ラインナップに加わることにより、日本の投資家にとって投資の幅が広がることが期待されます。
「日中ETFコネクティビティ」のスキームを利用して東証に上場している中国株ETFは以下のとおりです。
対象株価指数 | コード | 名称 | ETF管理会社 |
上海50指数(円換算) | 1309 | NEXT FUNDS ChinaAMC・中国株式・上証50連動型上場投信 | 野村アセットマネジメント(13064) |
SSE 180 インデックス | 2530 | MAXIS HuaAn中国株式(上海180A株)上場投信 | 三菱UFJ国際投信(13444) |
CSI300 | 1322 | 上場インデックスファンド中国A株(パンダ)E Fund CSI300 | 日興アセットマネジメント(13084) |
CSI スモールキャップ 500指数 | 2553 | One ETF 南方 中国A株 CSI500 | アセットマネジメントOne(13694) |
STAR 50 | 2628 | iFreeETF 中国科創板50(STAR50) | 大和アセットマネジメント(13054) |
GBA Innovation 100 | 2629 | iFreeETF 中国グレーターベイエリア・イノベーション100(GBA100) | 大和アセットマネジメント(13054) |
※「iFreeETF 中国科創板50(STAR50)」、「iFreeETF 中国グレーターベイエリア・イノベーション100(GBA100)」は2021年4月8日に上場予定です。
※詳細はJPXウェブサイトをご覧ください。
中国株への関心が高まるなか、「日中ETFコネクティビティ」は、今回新たな銘柄を加え、今後の更なる発展が期待されます。JPXは、これからも投資家の多様なニーズに応えることができるよう、様々な取組みを続けてまいります。
(東証マネ部!編集部)