投資と環境の意外な関係

環境問題や持続可能性は意識している?

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夏の暑さは年々厳しくなり、政府も二酸化炭素排出量の大幅な削減や電気自動車への移行など、環境問題と持続可能性を意識した政策を次々と打ち出している。会社員は日々の中でこうした問題にどのぐらい配慮しているのだろうか? 全国の20〜50代の会社員462人を対象に調査した。

Q. 普段の生活や買い物で環境問題や持続可能性は意識していますか?

環境や持続可能性にできるだけ配慮している 24.9%
環境や持続可能性に多少は配慮している 42.4%
環境や持続可能性は気にしていない 32.7%

日常生活で環境問題や持続可能性に多少なりとも配慮している会社員は全体の67.3%を占め、環境意識は会社員にかなり根付いているようだ。

世代別に見ると、「できるだけ配慮している」と回答したのは20代が33.6%、30代が33.6%、40代が17.6%、50代が19.4%であった。若い世代ほど環境問題や持続可能性に積極的であることがわかる。男女では違いがほぼ見られなかった。

株式や投資信託などに投資を行っている会社員に限定すると、「できるだけ配慮している」が40.3%とかなり多くなった。
それでは、投資をする際にも環境問題や持続可能性は意識されているのだろうか? 投資を行っている会社員に訊ねてみた。

Q. 環境や持続可能性を重視する企業を投資先としてどう思いますか?

環境や持続可能性を重視する企業に投資している 33.7%
環境や持続可能性を重視する企業は投資先として魅力があるが、投資はしていない 30.6%
環境や持続可能性を重視する企業は投資先として魅力がなく、投資もしていない 1.5%
環境問題や持続可能性は投資先を選ぶ基準にはしない 16.9%
わからない 17.3%

投資を行っている会社員のうち、33.7%は実際に環境や持続可能性を重視する企業への投資を行っていた。投資はしていないが魅力を感じている人も30.6%おり、投資を行う人の環境意識の高さがうかがえる。

環境重視の企業に投資している会社員に、その理由を教えてもらった。

「環境や持続可能性を重視する企業を支援したいから」(男性、20代)
「環境保全に貢献したいから」(女性、20代)
「社会貢献をしている企業に魅力を感じるから」(男性、30代)
「企業が率先してほしいですよね」(男性、20代)
「自分の理念と合っているから」(女性、20代)
「世の中のため」(男性、30代)
「未来において大切だから」(男性、30代)
「世界で必要とされている企業に投資する」(男性、50代)
「環境や持続可能性に積極的に取り組んでいる企業は業績の良い会社だから」(男性、40代)
「環境や持続可能性を重視していかないと今後は企業として経営できないから」(男性、50代)
「将来的な投資につながるから」(女性、30代)
「失敗が少ないから」(女性、40代)

環境問題や持続可能性への取り組みを後押ししたいという理由と並んで、環境や持続可能性を重視する企業に投資することが実益にもつながると考えている人が多く見られた。

そもそも社会的責任を果たすことと利益を上げることは相反するのではなく車の両輪であるという考え方が資本主義の本来の姿である。特に最近は、ESG(環境・社会・ガバナンスの頭文字を取ったもの)やSDGs(持続可能な開発目標)という言葉が頻繁に聞かれるようになり、世界中でこれらを考慮した活動を行うことが当たり前のようになってきた。逆に言えば、これらを考慮しない企業・団体は今後衰退していく恐れすらある。投資を行う会社員はその辺りにきっちり意識が向いているということだろう。

〈あわせて読みたい!〉
「SDGs」ってなに?
年金運用機関GPIFが「ESG投資」を重視する理由とは

(三田祐介)

「あなたご自身に関するアンケート」
調査方法:インターネットによる調査
調査時期:2021年3月
調査対象:全国20〜50代の会社員
有効回答数:462件

用語解説

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