経済活動の活発さに比例?
銀行口座はいくつ持っている? どう使い分ける?
インターネットバンキングが一般化し、銀行へ出向かずともPCやスマホから簡単にいくつでも銀行口座が開設できるようになって久しい。会社員はどの程度銀行口座を開設しているものなのだろうか? 全国の20〜50代の会社員462人を対象に調査した。
Q. 銀行口座はいくつ持っていますか?
持っていない 0.9%
1口座 5.9%
2口座 21.3%
3口座 31.8%
4口座 16.2%
5口座 9.4%
6口座以上 14.5%
銀行口座は3つ持っているという会社員が最も多く31.8%であった。次いで多かったのは2口座の21.3%で、2〜3口座を持つという人が過半数となった。1口座だけという人は5.9%で少数派のようだ。
世代別に見ると、1口座だけの人は20代で10.5%、30代で5.3%、40代で5.1%、50代で2.9%と若い世代ほど多く、2口座の人も20代が28.0%と1番多かった。20代はアルバイトや就職のために初めて口座を作るという人も多いと予想され、複数口座を保有していない人が多い傾向にあった。
2つ以上の銀行口座を持っている会社員に、具体的な使い分けを訊いた。
Q. 複数の銀行口座をどのように使い分けていますか?
【2口座】
「住居管理費と生活費を分けている」(男性、50代)
「支払と貯蓄」(男性、40代)
「支払い口座と貯蓄口座」(女性、50代)
「プライベートと家計」(女性、20代)
「公共料金や奨学金の返済用と、日常用」(女性、20代)
「給与振り込みとインターネットバンキング」(女性、50代)
「メインバンクと貯金用」(女性、20代)
「以前の職場の給料振り込み口座を解約していないから2口座ある」(男性、20代)
2口座の人では、「支払い用と貯蓄用」に類する回答が多くを占めた。
【3口座】
「生活費、貯蓄、投資」(男性、30代)
「投資先別」(男性、20代)
「投資と一般関係と貯蓄」(女性、50代)
「給料の振り込み、クレジットカードの支払い、投資用」(男性、20代)
「家庭用、自分の給与、投資用」(男性、40代)
「普段使うもの、住宅ローン専用、休眠」(女性、40代)
「クレジットカードの引き落とし先別」(男性、50代)
「給料受取、引き落としと貯蓄を分けている」(女性、40代)
「子どもの教育費用や生活費などと用途別に分けている」(女性、30代)
「貯蓄用、引き出し用、副業用」(女性、20代)
「給与家賃光熱費支払い、ペット貯金、自分貯蓄」(女性、30代)
3口座になると「住宅ローン」や「投資」も目立ってくる。経済活動の幅の広さが口座数に反映されるのだろうか。
【4口座】
「給与、立替経費入金、投資、貯蓄」(女性、30代)
「貯金を分散させている」(女性、30代)
「メインを1つと給与振り込み口座指定の分が3つ」(女性、20代)
「給料振込みと貯金、保険、税金用と分けている」(男性、30代)
「給料振込口座、水道料金引き落とし、カードその他引き落とし口座、解約検討中口座。給料振込口座は会社からの指定で変更できず、カード引き落とし口座の銀行だと水道料金引き落としに使えないのでまとめられず困っている」(女性、30代)
「メインバンクと貯蓄用と奨学金返済用」(女性、20代)
「給与受け取り、貯蓄、へそくり」(男性、20代)
「貯蓄用、支払い用、給与振込用、日常生活資金」(女性、50代)
「給与振込、貯蓄、公共料金支払、予備」(女性、50代)
4口座では「分散」という回答が目立ちはじめた。ペイオフで保証されるのは1つの口座につき1,000万円までなので意識的に分けて預けているのだろう。振込や引き落としの都合で使い分けざるを得ない場合もあるようだ。
【5口座】
「ひとつは給料用、残りは家賃や光熱費用、クレジットカード用、貯金などと分けている」(女性、30代)
「無料の振り込みを利用する」(男性、20代)
「入金用、支払用、貯蓄用」(女性、30代)
「メインとサブを1つずつ。それ以外はただ解約していないだけ」(男性、20代)
「生活費用と医療費などの緊急費用で使い分けている」(男性、50代)
「給料振り込み口座と支払い用口座と、後は必要に応じて使う」(女性、50代)
「その銀行の特性に合った使い方」(男性、30代)
「給与振込用、あとはクレジットカード支払い用、プライベート用」(男性、30代)
「貯金、給与振り込み、投資用と分けている」(男性、30代)
「振り込み、引き落とし、生活費」(男性、40代)
5口座になると明確に5つの用途を挙げる回答が少なくなった。均等に使い分けるというよりは、メイン以外の口座はその時々で使い分けているケースが多いようだ。
【6口座以上】
「金利、振込手数料の無料回数を参考に使い分けている」(男性、30代)
「定期預金金利、振込手数料無料の条件で使い分ける」(男性、40代)
「資金分散と用途によって使い分けている」(男性、50代)
「貯蓄、引落用、返済用、学費用、給与受取用、自由」(女性、20代)
「メインバンクとネット銀行」(男性、40代)
「貯蓄、生活決済、遊び、投資」(男性、40代)
「ショッピング用など用途ごとにわける」(男性、40代)
「株式投資と貯蓄」(男性、30代)
「ほとんどが休眠で解約予定」(男性、40代)
「支払い用、振込み用、給料用など、用途別に可能な限り、比較的細かく分類して、引き落としなどもそれ専用に他で予想外に落ちたりなどがないように全て分けて管理している」(女性、40代)
6口座以上の多数の口座を利用する人の中には、優遇金利や手数料無料などの特典をテクニカルに活用している人も少なからずいるようだ。
Q. 銀行の預金口座以外で持っている口座はありますか?
証券会社の口座 32.7%
FX専門業者の口座 11.7%
電子マネー口座 16.5%
持っていない 53.0%
(複数回答)
銀行以外の口座は持っていない人が半数以上であったが、証券会社の口座も持っているという人が比較的多く、32.7%いた。
証券会社の口座を持っている会社員に限定すると、銀行口座を6口座以上持っている人の割合は23.1%と高くなり、全体的に所有する銀行口座数が多めになる傾向が見られた。投資を行う人はマネーへの関心が高く、銀行口座の使い分けも活発なようだ。
銀行口座と証券口座間の入出金は手数料無料である場合が多く、また同系列の銀行と証券会社で口座を作って連携させると、入出金がよりスムーズに行えたり、手数料がお得になるサービスを提供している会社もあるので、関心のある人は調べてみるといいだろう。
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調査方法:インターネットによる調査
調査時期:2021年3月
調査対象:全国20〜50代の会社員
有効回答数:462件