インターネットでの買い物やキャッシュレス決済の普及に伴い、決済サービスなどのポイントが毎月貯まるようになっている人も多いのではないだろうか。貯まったポイントを支払いに使わず投資に回すことのできる「ポイント運用」に力を入れているポイントサービスが増えてきたが、会社員はどの程度利用しているのだろうか？ 運用益を目指した投資を行っている全国の20〜50 代の会社員322 人を対象に調査した。

Q. 共通ポイントで投資が擬似体験できる「ポイント運用」を利用していますか？

利用している 48.4％
利用していない 51.6％

投資を行っている会社員の半数弱はポイント運用を利用していた。投資を行っていない会社員も含めた全体では34.7％となる。世代別に見ると、ポイント運用をしている人の割合は 20 代で 69.1％、30 代で55.4％、40 代で37.2％、50 代で28.2％であった。若い世代ほどポイント運用との親和性が高いようだ。ポイント運用をしている会社員に、運用の詳しい内容を教えてもらった。

Q. ポイント運用をどのように利用していますか？最も運用しているものについてお答えください。

手動で申し込んでいる 71.2％
一定額を自動で積み立てている 23.7％
全額を自動で積み立てている 5.1％

ポイント運用はその都度手動で申し込んでいるという人が7 割以上を占めており、自動積立を利用している人は3 割弱にとどまった。ポイントは買い物などに使う楽しみもあるので、余った時にポイント運用に回すという人が多いのかもしれない。

Q. 月あたり平均でいくらぐらいまでポイント運用に回していますか？最も運用しているものについてお答えください。

300円程度まで 21.8％
301〜500 円程度まで 26.9％
501〜1000 円程度まで 24.4％
1001円以上の一定額まで 16.6％
上限を設けず集めたポイントは運用に回している 10.3％

月々のポイント運用額は「301〜500 円程度まで」という人が26.9％で最も多く、1000円程度までで73.1％を占める結果となった。コインで収まる範囲内でポイント運用を楽しんでいる会社員が多いようだ。

Q. ポイント運用での主な投資対象を教えてください。

株式 45.5％
投資信託 46.2％
暗号資産（仮想通貨） 6.4％
その他 1.9％

ポイント運用での主な投資対象は株式と投資信託が人気を二分し、この2つで9割以上を占めた。最近増えてきているビットコインなど暗号資産のポイント運用はまだあまり一般化していないようだ。毎月501 円以上をポイント運用する人の割合は、主に株式に投資する人で 52.1％、投資信託に投資する人で47.2％であった。株式に投資する人の方がやや多めの額を投資している傾向にあるのかもしれない。

最後に、ポイント運用を利用していない人にその理由を聞かせてもらった。

Q. ポイント運用をしていない理由を教えてください。最もあてはまるものをお選びください。

ポイント運用を知らなかったから 32.6％
共通ポイントサービスを利用していないから 9.0％
利用中の共通ポイントサービスではポイント運用が利用できないから 4.2％
少額すぎて煩雑だから 44.0％
投資自体に関心がないから 5.4％
その他 4.8％

「少額すぎて煩雑だから」という理由が最も多く44.0％を占めた。投資を行っている会社員だけに尋ねたため、もっと多くの額で投資をしている会社員にとっては煩雑ということなのかもしれない。次に多かったのは「ポイント運用を知らなかったから」の32.6％だった。投資にアンテナを張っている会社員でも、ポイント運用は意外と盲点なのだろうか。

投資をしている会社員のほぼ半数がポイント運用を利用しており、毎月500円前後の額を手動で追加しているというのが平均像のようだ。

毎月500 円のポイント運用でも、30年間続ければ、元金18万円に対して利回り2％で24.6万円、3％なら29.1万円になる。投資である以上、短期的には目減りすることもあるが、オーソドックスなインデックス型の投資信託などであればコツコツ長期的に積み立てていけば経済成長率の分の利回りは期待できるので、特に若い世代にはポイ活するならポイントがポイントを呼ぶポイント運用から投資に挑戦してみてほしい。

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（三田祐介）

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調査方法：インターネットによる調査
調査時期：2021 年9 月
調査対象：全国20〜50 代の会社員
有効回答数：322件