株式投資の始め方は?知っておきたい3つのポイントも紹介
株式投資の始め方は、決して難しくありません。ただし、メリットだけでなくリスクもあるため、事前にポイントをしっかりと把握しておくことが大切です。
本記事では、株式投資の始め方の流れを、事前に知っておきたい知識や注意点とあわせて紹介します。
株式投資とは
株式投資とは、株式会社が発行する証券(株式)を通じた資産運用の手段です。株式購入で資金面から企業を応援できるため、経済や社会の発展に寄与する社会的意義もあります。
株式投資で得られる主なメリットは、値上がり益(キャピタル・ゲイン)、配当益(インカム・ゲイン)、株主優待の3点です。キャピタル・ゲインは、購入時よりも高く売却した際の売却益、インカム・ゲインは株主に還元される配当金による利益、株主優待は自社製品やサービスの提供が受けられることを指します。
初心者が株式投資で気をつけなければならないポイントについては、以下の記事も参考にしてください。
株式投資の始め方
株式投資の大まかな流れは以下の通りです。
1.証券会社で口座開設
2.証券口座に入金
3.購入する株を選択
4.株を購入
5.対象企業の業績や株価の動きから売却するか保有継続するか判断
株式投資を始めるためには、まず証券会社で口座開設しなければなりません。口座開設には、マイナンバー確認書類、本人確認書類、印鑑、金融機関口座が必要です。
証券会社に口座開設申込書を請求し、申込書に必要事項を記入・押印して提出すると、所定の審査を経たのちに口座を開設できます。
所要日数は申し込み方法や証券会社によって異なりますが、数日から10日程度が一般的です。ただし、NISAなどの非課税口座を開設したい場合は、税務署での審査が入るため、通常の口座開設より時間を要します(口座の種類については後述)。
なお、ネット証券の場合、オンライン上で口座開設に必要な事項の入力や本人確認書類の提出ができます。近年は店舗を構える証券会社でも、口座開設手続きがオンライン上で完結するところが増えてきました。
実際に株を購入する際の方法については、以下の記事もご参考にしてください。
「株の買い方を4STEPで紹介!押さえておきたい2つの注意点も説明」
株式投資を始める前に知っておくべき2つのポイント
株式投資には、独自のルールや専門用語もあるため、最初の頃は戸惑うこともあります。株式投資で失敗しないためにも、株式投資を始める前にいくつかのポイントを理解しておくことが大切です。
ここでは、口座の違いを理解しておく、株式選びで悩んだら知っている会社に注目するといった2つのポイントについて、解説していきます。
1. 口座の違いを理解しておく
証券口座は、特定口座、NISA口座、一般口座といった種類があります。どの口座を選ぶかによって、税金や確定申告にも関連するため、違いを理解しておきましょう。
まず、特定口座は、証券会社が顧客の代わりに一年間の上場株式等の譲渡所得を計算し、「年間取引報告書」を交付する口座です。特定口座の源泉徴収ありを選べば確定申告は原則不要ですが、源泉徴収なしは基本的に確定申告をしなければなりません。
NISA口座は、NISA(少額投資非課税制度)を適用できる口座です。NISAは年間120万円、つみたてNISAは年間40万円を上限に、新規購入した株式の譲渡益や保有中の上場株式の配当金などが非課税となります。
一般口座は、特定口座でもNISA口座でも管理していない上場株式などを管理する口座です。自分で一年間の上場株式などの譲渡損益を計算し、確定申告しなければなりません。
2. 株式選びで悩んだら知っている会社に注目
東証一部に限定しても、上場会社数は2,000社を超える(2021年12月末時点)ため、株式投資を始めようにもどの銘柄を選べばよいか迷うこともあるでしょう。まずは、自分で情報を入手しやすい身近な会社や業界を選ぶことがポイントです。
また、高く売れるように割安株や、将来的に成長が見込める成長株に注目する方法もあります。ただし、一社にこだわり過ぎると大きな損失を被るおそれもあります。最初のうちは、会社や業界を満遍なく購入する分散投資でリスクの低減を図ることも選択肢の一つです。
証券会社を選ぶ際の2つのポイント
株式投資に欠かせない証券口座を開設するためには、まず証券会社を選ばなければなりません。どの証券会社で口座開設するかが、今後の株式投資にも影響を与えます。
証券会社を選ぶ際のポイントは「手数料やラインナップで選ぶ」「売買のしやすさで選ぶ」といった点です。
1. 手数料やラインナップなどで選ぶ
株式を売買する際には、取引成立額に応じて所定の手数料がかかります。手数料は証券会社によって異なるため、事前に比較しておくことが大切です。
また、自分が求める商品が証券会社のラインナップに含まれているのかもチェックしておきましょう。最初のうちは、投資セミナーの開催機会が多い会社に注目する方法もあります。
2. 売買のしやすさで選ぶ
自分にとって、売買しやすい証券会社を選ぶことが大切です。証券会社には、ネットで取引するネット証券と店舗を構える店頭証券会社があります。
ネット証券を利用するメリットは、手数料が比較的安い点、取引開始から店舗に一度も行かずオンラインで手続きできる点、いつでもスマホで取引できて便利な点です。ただし、担当者から直接アドバイスをもらえないため、自分で投資判断を下せるだけの知識を身に付けておく必要があります。
一方、プロに投資の相談をしたいのであれば、ネット証券と比べて手数料が割高でも店頭証券会社を選ぶと安心です。
株式投資を始める際の3つの注意点
株式投資によりさまざまな利益が期待できる一方で、価格変動リスクや信用リスクなどのリスクが発生します。価格変動リスクとは売却時に受け取る金額が株式購入時に支払った金額を下回るリスクで、信用リスクとは投資した会社が破綻するリスクです。
株式投資で失敗しないために、ここで3つの注意点を押さえておきましょう。
1. いきなり高額投資から始めない
投資金額が大きければ、リターンが大きく期待できる反面、リスクも高くなります。最初のうちは株式投資に関する知識が少ないため、いきなり高額投資をせずに、少額投資から始めることがポイントです。
株式の売買単位は通常100株・200株・300株のように100株単位ですが、株式ミニ投資の制度を利用すれば10株単位で購入可能なため、少額投資ができます。ただし、証券会社によって株式ミニ投資の制度が利用できない場合もあるため注意しましょう。
2. 一喜一憂しすぎないようにする
短期的な目線で考えていると、毎日株価の値上がり・値下がりに一喜一憂してしまいます。結果として、株価が気になって本業に集中できないこともあるでしょう。
初心者は、長期投資や分散投資でリスクを軽減して長いスパンで考えることが大切です。一度買ったものを長期保有する方が、売買にかかるコストを抑えられる点もメリットといえます。
また、単純に数字だけで判断しないためにも、株価チャートの見方を理解しておくことが大切です。詳しくは、以下の記事を参考にしてください。
「株価チャートの見方は簡単!ローソク足とトレンドに注目してみよう」
3. 控除対象扶養親族は証券口座選択に注意する
控除対象扶養親族の学生や、控除対象配偶者の専業主婦・主夫などの場合、株式投資を含めた年間の合計所得が48万円を超えると扶養から外れる可能性があるため注意が必要です。ただし、運用する口座で特定口座(源泉徴収あり)を選んでおけば、扶養から外れずに投資を続けられます。
株式投資を始める際には、自分の状況にあった口座を選択するようにしましょう。
株式投資の始め方を理解して証券口座を開設
株式投資により、キャピタル・ゲイン、インカム・ゲイン、株主優待といったメリットが得られます。株式投資を始めるためには、まず証券会社で口座を開設しなければなりません。
口座開設時には、手数料やラインナップ、売買のしやすさなどの観点で証券会社を決めた上で、自分の状況にあった証券口座を選択することがポイントです。
ライター:Editor HB
監修者:鈴木 靖子(ファイナンシャルプランナー、AFP認定者)
監修者の経歴:
銀行の財務企画や金融機関向けサービスに10年以上従事。企業のお金に関する業務に携わる中、その経験を人々の生活に生かすためFP資格を取得。現在は金融商品を売らない独立系FPとして執筆や相談業務を中心に活動中。フリーランスがお金の知識を持つことの大切さを実感しており、フリーランス向けマネーブログを運営している。