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2023年、大幅賃上げは実現できるのか?

提供元:三井住友トラスト・アセットマネジメント

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大幅な物価高により民間企業の賃上げに注目が集まっている

12月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)は前年同月比+4.0%と41年ぶりの上昇率となりました。

2023年の春季労使交渉が始まりましたが、連合は物価の上昇にともない5%程度の賃上げ要求を出すなど、賃金の上昇に大きな期待が寄せられています。一部の企業では、大幅な賃上げが既に発表されており徐々に賃上げへの圧力は大きくなっています。

物価変動の影響を考慮した実質賃金は、1990年代に減少しはじめ、最低だった2014年からはやや回復しているものの、2018年はピークの1992年から▲8%も減少しました【図1】。

日本の企業は欧米企業と比べて、賃上げよりも雇用維持を優先し、労働者側もそれを許容してきました。それにより賃金上昇圧力は事実上消滅し、労働生産性が低迷、賃金は下落といった悪循環に陥っているとみられます。

【図2】は2022年にベースアップ(ベア)を実施した民間企業の割合です。従業員が5,000人以上の企業では44.0%、300人未満では27.8%と大きく差があります。下請け企業などが多い中小企業では、原材料高などによるコスト増を取引価格に十分に転嫁できず、賃上げにつながっていないとみられます。

業種別では、運輸・郵便業で48.8%、建設業で39.3%と、かねてから人材不足が深刻な業種では賃上げが進んでいます。一方、電気・ガス・熱供給・水道業、教育・学習支援業は15%前後です。これら業種は、生産性の改善余地が乏しく、公共的な側面からも自由な価格設定がしづらいため、賃上げが難しいと言われます。

2023年の春季労使交渉では、構造的に価格転嫁が難しいとされる中小企業が、取引先との交渉や業務の効率化を通して賃上げを実現させるかがカギとなりそうです。

日本企業の生産性の低さや実質賃金の低下は長年の課題でしたが、今回はこの流れを一変させる絶好のチャンスになるのかも知れません。

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(提供元:三井住友トラスト・アセットマネジメント)

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