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世界経済悪化のリスクは顕在化するのか

提供元:三井住友トラスト・アセットマネジメント

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IMFがリスクシナリオを提示、成長率大幅鈍化も

4月11日、IMF(世界通貨基金)は経済見通しを公表、2023、24年の世界経済成長率の予想を前回1月から各々▲0.1%引き下げ、+2.8%、+3.0%としました。シリコンバレーバンク(SVB)の破綻(3月)から始まった欧米での金融不安が影響しています。

現状では、金融不安が広がるかどうか断定できないことから、小幅な下方修正となっていますが、今後、金融部門の下振れ圧力が一段と強まる場合には、2023年の世界経済成長率は+2.5%程度まで鈍化するとしています。

これは、世界金融危機が発生した2009年と新型コロナショックに見舞われた2020年を除き、2001年の世界的な景気後退以来の弱い伸びとなります。さらに、世界金融情勢が急速に引き締められる「リスクオフ」イベントが発生した場合(確率15%程度)は、2023年の成長率が+1%まで減速すると試算しています。

1月に経済見通しを発表した際、IMFは中国のゼロコロナ政策解除などを理由に、2023年の実質成長率の予測を上方修正し、報告書には「世界的な景気後退の際にしばしば起こる世界の国内総生産(GDP)のマイナスなどは想定していない」と明記していました。また、総括として、「複数のポジティブ・サプライズがあり、多くの国・地域で経済の回復力が予想以上だった」とコメントしていました。この3カ月で、IMFの経済認識は様変わりしたと言えるでしょう。

リスク要因として、「インフレの高止まり」を挙げています。エネルギーと食料価格の急落で世界のインフレ率は鈍化していますが、(食品、エネルギーを除く)コアインフレ率は、多くの国で低下の兆しを見せていません。

3月米CPI(消費者物価指数)においても、総合指数は前年同月比+5.0%と、9カ月連続で鈍化しましたが、コア指数(食品、エネルギーを除く)は同+5.6%で、前月(同+5.5%)から加速しています。 コアインフレの高止まりは、労働需給ひっ迫による賃金上昇が大きな要因と考えられます。

インフレが収まらないことから、金融引き締めを続けざるをえず、その結果、経済への悪影響が避けられないという事態が現実化してきているということになります。今回のSVB破綻も、金融引き締めの影響とみられており、警戒は当面続くことになりそうです。

IMFは、現時点のメインンシナリオでは成長率の大幅な下振れを見込んでいません。しかし、今後の信用収縮への警戒が強く示されている点は注意が必要です。

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(提供元:三井住友トラスト・アセットマネジメント)

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