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投資信託のトレンドが分かる!

2023年6月 投資信託の資金フロー

提供元:三菱アセット・ブレインズ

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投資信託は個人の資産形成における中心的な金融商品として多くの人が利用している。投資信託の資金流出入などの動向は、資産形成を考えるうえで重要な情報だろう。

そこで、毎年1000ファンド以上の投資信託を評価・分析する三菱アセット・ブレインズより、以下で2023年6月における投信市場の動向(注)についてご紹介する。
(注)ETF、DC専用、SMA専用、公社債投信等を除いた公募投信

1.投信市場における資金の流出入動向

「前月の資金流出超から一転し、当月は流入超」

資金流出入は約3,520億円の資金流入超と、前月(約1,000億円の流出超)から一転し、流入超となった。

資産別の資金流入では、流入額の大きい順に、外国債券(約1,300億円)、外国株式(約960億円)、エマージング株式(約750億円)となった。当月は外国債券ファンドが計7本新規設定され、資金を集めたことが寄与した。また、エマージング株式は9ヵ月連続で資金流入超となった。主に景気が堅調に拡大しているインドに関連するファンドを中心に流入した。

資産別の資金流出では、国内債券(▲約80億円)、エマージング債券(▲約35億円)の順に流出超となった。国内債券は9ヵ月連続で資金流出超となった。日銀は足許で金融緩和政策を維持しているものの、将来的な政策修正も意識されたことから売りが優勢となった。

個別ファンドでは、前月に引き続き「インベスコ世界厳選株式オープン(ヘッジなし・毎月決算型)」(インベスコ)(約870億円)が資金流入で1位となった。2位はeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」(三菱UFJ国際)(約620億円)、3位は6月16日に新規設定された「GSグローバル社債ターゲット2023-06(限定追加型)」(GS)(約600億円)となった。

主要資産の資金流出入動向(過去3ヵ月と直近月)

※合計には、グラフ表示していない、その他資産も含む

2.投信市場のパフォーマンス動向

「前月に引き続き、すべての資産カテゴリーでリターンがプラス」

6月の金融市場は、主要国における追加利上げ継続の懸念が強まり国内外の株式は一時下落するも、その後は警戒感が後退し堅調に推移した。金利は主要国の金融引締め継続姿勢を受けて日本を除く各国で上昇した。

株式市場は、米国の堅調な経済指標やインフレ率の鈍化などからおおむね上昇した。

米欧株式は、月前半は堅調な米雇用統計などが好感され株価は上昇した。月中旬は、FOMC(米連邦公開市場委員会)で利上げの休止が決定し上値を追う展開となった。月下旬はFRB(米連邦準備制度理事会)が年内2回の追加利上げを示唆したことやECB(欧州中央銀行)が金融引き締め姿勢を堅持したことから一時下落するも、その後は米国を中心にインフレ率が鈍化したことなどから再び上昇した。

日本株式は、月前半は米国の株高を受けて上昇した。月中旬以降は、外国為替市場で円安がさらに進行し輸出関連株の追い風となったことなどから株価は一段と上昇し、日経平均株価は1990 年 3 月以来の高値をつけた。その後は利益確定売りが優勢となり、やや上値が重い展開となった。

債券市場は、米欧金利はおおむね上昇(債券価格は下落)し、国内金利は小幅に低下(債券価格は上昇)した。

米10年国債利回りは、月前半は米雇用統計が予想を上回ったことなどから米国の底堅い景気を好感し3.80%付近まで上昇した。月中旬はもみ合う展開となるも、その後は追加利上げ継続の姿勢が強まり3.85%付近まで上昇した。

独10年国債利回りは、月前半から中旬にかけてECB政策理事会が利上げを決定したことなどから2.50%強まで上昇した。その後、経済指標の悪化から2.30%台まで低下したことから、前月末比では小幅な上昇となった。

日本10年国債利回りは、月前半から中旬にかけて横ばいとなったが、月後半は日銀が金融緩和政策の維持を決定したことから、一時0.36%付近まで低下した。

為替市場は、米ドル・円、ユーロ・円ともに円安が進行した。米欧の金融引き締め政策とは反対に、日本は金融緩和政策維持を決定し、国内外の金利差が拡大したことが影響した。ユーロ・米ドルでは、利上げペースの鈍化が見込まれる米国とは対照的に、ユーロ圏では当面の金融引き締め継続の姿勢が示されていることからユーロ高が進行した。

これらを背景に、当月はすべての資産カテゴリーでプラスのリターンとなった。
外国株式は追加利上げ継続の懸念から一時売りが優勢となるも、ハイテク株を中心とした上昇や外国為替市場で円安が進行したことからリターンは上昇した。エマージング株式は、経済成長が期待されるブラジルやインドを中心に株価が上昇したことがプラスに寄与した。

なお、直近3ヵ月、12ヵ月のリターンではいずれも国内株式が1位となった。為替市場で円安が急速に進行したことの他、新型コロナウイルス禍からの経済活動再開によるインバウンド需要の高まりや国内企業の資本効率改善の動きなど複数の要因から、海外投資家の積極的な日本株買いが強まった。

パフォーマンス上位5資産のランキングと実績

3.新規設定ファンドの動向

「設定本数は減少するも、設定額は増加」

当月の新規設定本数は28本、設定額は約1,150億円となった。前月対比で設定本数は20本増加し、設定額は約370億円増加した。設定額は上位4本で全体の約9割を占めており、内3本が外国債券ファンドであった。

新規設定ファンドのうち、設定額が最も多かったのは、「GSグローバル社債ターゲット2023-06(限定追加型)」(GS)(約480億円)、次いで「One G・ターゲット利回り債券ファンド2023-06(限定追加型) 」(AM-One)(約230億円)となった。

1位のGSグローバル社債ターゲット2023-06(限定追加型)は、信託期間が約5年の債券持ち切り運用による限定追加型のファンドで、世界の企業が発行する米ドル建てまたはユーロ建て債券に投資し、原則として対円で為替ヘッジを行う。当ファンドシリーズの設定は、前回の2022年12月に続き3本目である。

新規設定金額、設定本数の推移

※ETF、SMA専用、公社債投信等を除いた公募投信

最後に、6月の資金流入上位15ファンドを掲載しておく。

資金流入上位15ファンド一覧

(三菱アセット・ブレインズ)

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