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ついに視野に入ってきた名目GDP600兆円~「戦後最大の国民生活の豊かさ」は手に入るのか~
提供元:三井住友トラスト・アセットマネジメント
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アベノミクス「新・第1の矢」の実現が目前に
78回目の終戦記念日だった15日に公表された4-6月期名目GDP(国内総生産)は、前期比年率+12.0%と急増し、実額(季節調整済み年率換算)は590.7兆円と、節目の600兆円に迫りました。
政府は2015年にアベノミクスの「新・3本の矢」として、(1)『希望を生み出す強い経済』、(2)『夢をつむぐ子育て支援』、(3)『安心につながる社会保障』を掲げました。
同年9月24日の記者会見で、安倍首相(当時)は(1)に関する数値目標として名目GDP600兆円を示し、「ターゲットは、「戦後最大の経済」、そして、そこから得られる「戦後最大の国民生活の豊かさ」です」と説明しました。内閣府は一時、2020年度にも到達可能との試算を示していました。コロナ禍もあり遅れていましたが、達成がいよいよ視野に入ってきたことになります。
名目GDPの増加は、様々な面で明るい話題をもたらします。例えば株式市場の過熱感を測るバフェット指数は、「時価総額/名目GDP」で計算されます。分母の名目GDPの増加は、株価を割安に見せる方向にはたらきます。また、政府の財政健全化指標である「基礎的財政収支/名目GDP」の改善も見込めます。
こんなはずじゃなかった?
もっとも、足元の動きは歓迎すべきことばかりではありません。日銀の「生活意識に関するアンケート調査」では、暮らし向きDI(「ゆとりが出てきた」-「ゆとりがなくなってきた」)は2023年6月時点で▲52.7です。政府が600兆円目標を掲げた2015年9月時点(▲41.0)よりも悪化し、リーマンショック後間もない2009年9月以来の低水準となっています。
暮らし向きにゆとりがなくなってきた理由(複数回答)は、「物価が上がったから」(89.2%)が最多で、「給与や事業などの収入が減ったから」(36.1%)が続いています。
名目GDPの急増は物価上昇によってもたらされた面があり、実質賃金は減少が続いています。名目GDP600兆円は、「戦後最大の国民生活の豊かさ」という当時の政府が描いていた姿とはやや異なる形で実現するのかもしれません。
日銀が掲げる『賃金上昇を伴う形での物価安定』が、より重要になっていると言えるでしょう。
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