2024年に生まれ変わるNISA

「新しいNISA」の口座は自動的に開設されるって本当?

「現行NISA」と「新しいNISA」の証券会社を変えたいときはどうすればいい?

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2024年1月、「NISA」が生まれ変わる。非課税保有期間や口座開設期間が無期限となり、非課税保有限度額は1800万円に拡大するのだ。

既に、現行の「一般NISA」や「つみたてNISA」を使っている場合、2024年からの「新しいNISA」も併用できるようだが、証券会社を変えたいときはどのようにするといいのだろうか? 新旧「NISA」の併用や必要となる手続きについて、日本経済新聞編集委員の田村正之さんに教えてもらった。

「現行NISA」と「新しいNISA」は併用できる

「現行の『一般NISA』『つみたてNISA』と2024年から始まる『新しいNISA』は、まったく別物の制度なので、それぞれ活用することができます。既に『一般NISA』または『つみたてNISA』を使っている人も、2024年からは『新しいNISA』も併用できるというわけです」(田村さん・以下同)

ただし、「併用できる」とはいっても、「一般NISA」「つみたてNISA」での新規買い付けはできなくなる。

「2024年以降、それぞれの非課税保有期間中は非課税で運用することができます。『一般NISA』なら5年、『つみたてNISA』なら20年です。ただし、運用できるのは2023年までに買い付けした投資信託や株式などに限られ、2024年以降に新たに買い付けることはできなくなります」

例えば、「つみたてNISA」を使っている場合、2023年12月末までは年間投資枠の40万円まで買い付けられるが、2024年以降は毎年40万円までの買い付けができなくなるのだ。

「併用できるとは言いましたが、2024年以降に積立投資をする制度は『新しいNISA』に一本化され、『一般NISA』『つみたてNISA』は、非課税で運用する箱としての機能が継続すると考えるといいかもしれません」

「現行NISA」口座があれば「新しいNISA」口座は自動で開設される

「一般NISA」「つみたてNISA」と「新NISA」は併用できるとのことだが、「新しいNISA」の口座は改めて開設しなければいけないのだろうか。

「既に『一般NISA』または『つみたてNISA』の口座を持っている場合は、その口座を開設している金融機関で自動的に『新しいNISA』の口座が開設されます。改めて口座開設の手続きを行う必要はありません」

金融庁のホームページでも、次のように説明されている。

【現行のNISA(一般・つみたて)を利用している者については、新制度開始時に新しいNISA口座(つみたて投資枠及び成長投資枠)が自動的に設定されるなど、新制度の手続が複雑とならないよう手当てしています。】

現在「一般NISA」「つみたてNISA」の口座を持っておらず、「新しいNISA」を活用したいという場合は、新たに口座開設の手続きを行う必要がある。

「新しいNISA」の開始に合わせて証券会社を変える方法

「一般NISA」「つみたてNISA」の口座を開設している証券会社で、自動的に「新しいNISA」の口座が開設されるのは手間がなくて便利だが、別の証券会社に変更することは可能なのだろうか。

「現行の『NISA』の口座を持っている証券会社ではなく、別の証券会社で『新しいNISA』の口座を開設することはできます。ただし、金融機関を変更するための手続きをしなければなりません。2023年10~11月の間に手続きを始めることで、2024年1月から『新しいNISA』の口座を別の証券会社で利用できます」

A証券からB証券に変更したい場合、まずはA証券に「金融商品取引業者等変更届出書」を提出。その後、A証券から届く「勘定廃止通知書」をNISA口座の申込書に添えて、B証券に提出することで、金融機関変更の手続きが完了となる。

変更後のB証券では、NISA口座開設にあたって税務署の審査が入るため、変更までに多少の時間を要する。そのため、2024年が始まる時点からB証券で「新しいNISA」を活用したいという場合は、田村さんの言うように2023年10~11月に手続きを始めておきたい。

ちなみに、2024年に入ってからでも、「新しいNISA」での買い付けを始める前であれば、金融機関の変更は可能。9月までに金融機関変更の手続きを行えば、2024年中に別の証券会社に変えられる。

「金融機関を変更しても、『一般NISA』『つみたてNISA』の口座はA証券に残ります。5年または20年の非課税保有期間は運用し続けられるので、そのまま口座を持っておくことができます。特に『つみたてNISA』の場合は、運用を20年間継続することで利益が出やすくなるため、『新しいNISA』の開始に伴って投資信託や株式をあわてて売却することなく、持ち続けることをおすすめします。ただ、20年という長い間、A証券の口座で商品を保有していることを忘れないように。もし、非課税保有期間中に商品を売却しなかった場合は、自動的に課税口座に移され、それ以降に発生した利益には税金がかかってしまうので、注意が必要です」

「一般NISA」「つみたてNISA」の口座を持っている証券会社から変えたい場合は手続きが必要になるものの、「新しいNISA」の口座自体は自動的に開設される。2024年になったらすぐに活用できるというわけだ。まだ「現行NISA」の口座を持っていない人は、既に持っている人が金融機関を変更するケース以上に口座開設に時間を要することが予想されるため、早めに作ることをおすすめする。
(取材・文/有竹亮介(verb))

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日経新聞編集委員が解説! 2024年に生まれ変わる「新しいNISA」とは

お話を伺った方
田村 正之
日本経済新聞社編集委員。証券アナリスト(CMA)、社会保険労務士、ファイナンシャルプランナー(CFP)の資格を持ち、年金など社会保障のフル活用と長期分散投資を組み合わせた総合的な資産形成術を発信している。著書に『人生100年時代の年金・イデコ・NISA戦略』『“税金ゼロ”の資産運用革命 つみたてNISA、イデコで超効率投資』など。田村優之の筆名で小説も執筆し、98年に開高健賞受賞。経済小説『青い約束』(原題「夏の光」で松本清張賞最終候補)は14万部を販売。
著者サイト:https://www.nikkei.com/
著者/ライター
有竹 亮介
音楽にエンタメ、ペット、子育て、ビジネスなど、なんでもこなす雑食ライター。『東証マネ部!』を担当したことでお金や金融に興味が湧き、少しずつ実践しながら学んでいるところ。
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