FIREしてみたい?するならいくら必要?

「FIRE」って知ってる?してみたい?

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FIREとは、Financially Independence Retire Earlyの略であり、日本語に訳すると「経済的自立と早期リタイア」を意味する。このFIREについて、会社員はしてみたいと考えているのだろうか。FIREについての意識を全国の20~40代の会社員1,404人を対象に調査した。

Q1. FIREについて知っていますか?

よく知っている 43.2%
聞いたことはあるがよく知らない 29.2%
知らない 27.6%

FIREについて知っているか訊いたところ、約4割が「よく知っている」と回答した。「聞いたことはあるがよく知らない」も加えると、大半の人が「FIRE」という言葉について聞いたことがあるようだ。最近はメディアなどでも話題となっているためだろう。

Q2. 経済的に自立して早期退職するFIREをしてみたいと思いますか?

してみたいと思う 58.9%
してみたいと思わない 22.3%
わからない 18.8%

FIREをしてみたいか訊いてみたところ、全体の6割弱が「してみたいと思う」と回答した。実際にできるかどうかは別として、FIREについて興味を持っている人は多いようだ。

Q3. FIREしてみたいと思うと答えた方は、その理由を教えてください。(複数回答)

仕事から解放されたい 57.8%
時間に縛られずに過ごしたい 66.3%
好きな場所で暮らしたい 36.5%
好きな事をして過ごしたい 45.5%
組織や人間関係から解放されたい 25.3%
その他 0.5%

Q2で「してみたいと思う」と回答した人に理由を訊いてみると「時間に縛られずに過ごしたい」「仕事から解放されたい」「好きな事をして過ごしたい」といった回答が多く寄せられた。会社に所属していると、勤務時間や仕事内容に縛りがあるためか、自由なイメージがあるFIREに憧れている人が多い印象だ。

上記の回答割合について専門家であるファイナンシャルプランナーの祖父江仁美さんに意見を訊いてみた。「今の世の中は働くことやどのような生活がしたいのか明確なゴールが見えにくいですね。働きがいを見出せなかったり、頑張って働いても給料が上がらなかったり、老後の年金に不安を感じるなど、そういった方には『FIRE』を目指すことが生きる希望となるきっかけになっているのかもしれません」との見解だった。

Q4. いくら資産があればFIREできると思いますか?

2億円以上 22.2%
1億円以上2億円未満 31.8%
5,000万円以上1億円未満 25.0%
3,000万円以上5,000万円未満 11.2%
1,000万円以上3,000万円未満 3.8%
1,000万円未満 1.8%
わからない 4.2%

いくら資産があればFIREできると思うか訊いたところ「1億円以上2億円未満」が31.8%と最も多く、次いで「5,000万円以上1億円未満」が25.0%、「2億円以上」が22.2%となった。

祖父江さんにFIREを実現するために一般的に用いられる「4%ルール」について訊いてみた。「一般的に『FIRE』の定義として使われているのは、運用などをしてお金が入り続ける状態をつくった人です。この状態をつくるためには、ウィリアム・ベンゲンの4%ルールが、必須と言われています。4%ルールとは、物価上昇なども考慮し、生活費を投資元本の4%以内に抑えられれば、資産が目減りせずに生活できるという考え方のことです。厚生労働省の各世帯の所得等の情報によると中央値が440万円ですので、仮に440万円の利息収入をつくるとしたら、1億1,000万円の資産が必要となります。(1億1,100万×4%=440万)

ただし、1億1,000万円の資産があれば、必ず『FIRE』できるかと言えば、そうとは言えません。毎年4%の利息が、必ず生み出せるとは言えないからです。株式投資の場合、景気の悪化や、昨今だと新型コロナウイルス騒動などの環境リスクが伴いますし、不動産投資の場合、空室や家賃下落のリスクなどがあります。また中央値の440万円より生活水準が高ければ、1億1,100万円以上の資産が必要です」とのことだ。(参考:厚生労働省各種世帯の所得等の状況(PDF)

続けて総合的な意見を祖父江さんに訊くと「FIREしたい理由が、会社を辞めたいから、働きがいがないからといった理由ならば、仮にFIREできたとしてもその後の人生が幸せとは限りません。投資信託や株式などで、コツコツと資産運用していけば、4%ルールに基づいた資産運用は可能です。仕事を辞めたいからFIREするではなく、経済的自立をして自分の人生を楽しむためにFIREを目指すという視点で、資産運用に取り組んでみてください」とのことだった。

仕事から解放され自由で魅力的なイメージのあるFIREだが、FIREすることの目的を明確に持つことが大切だ。今回紹介した4%ルールの中で解説したように、生活水準によっても必要な資産は変わるため、資産を確保するためにできることから始めることが重要といえるだろう。

(藤田祐依)

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調査方法:インターネットによる調査
調査時期:2023年11月
調査対象:全国20~40代の会社員
有効回答数:1,404件

お話を伺った方
祖父江 仁美
ファイナンシャルプランナー。お金に関するお役立ち情報を自身のブログで発信しつつマネー講師として活躍中。
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