新規上場ETF・ETNの横顔

2025年2月20日上場

328A:グローバルX プライシングパワー・リーダーズ-日本株式 ETF

提供元:Global X Japan

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2025年2月20日にグローバルX プライシングパワー・リーダーズ-日本株式 ETF(銘柄コード:328A)が新規上場することから、この新しいETFの特徴、組成や設定のねらいについてご紹介いたします。

基本情報

銘柄名・
コード
グローバルX プライシングパワー・リーダーズ-日本株式 ETF(328A)
ファンドの特色 一般消費財および生活必需品セクターに分類される日本の大型株のうち、過去3年間の粗利益率の変動が最も小さい20銘柄から構成される、「ブルームバーグ日本株プライシングパワー・セレクト・リーダーズ指数(配当込み)」との連動を目指すETFです。20銘柄は、各セクターから10銘柄ずつ選定されます。
対象指標 ブルームバーグ日本株プライシングパワー・セレクト・リーダーズ指数(配当込み)
対象指標の概要 ブルームバーグ日本株プライシングパワー・セレクト・リーダーズ指数は、Bloomberg L.P.が開発した、一般消費財および生活必需品セクター※1に属する日本の大型株のうち売上高総利益率(粗利益率)の変動が最も小さい20銘柄から構成される株式インデックスです。

◆原則として日本国内上場銘柄を母集団とし、以下のプロセスによって組入銘柄を選定します。

✓組入候補銘柄の選定
母集団のうち、以下の基準を満たす銘柄が組入候補銘柄として選定されます。
・浮動株時価総額が2,000億円以上
・日次平均売買高が5億円以上
・一般消費財および生活必需品セクター※1に分類される銘柄(ただし、一般消費財セクターに属する産業のうち、住宅建設※2に分類される銘柄は除外します)
※1 業種名は、ブルームバーグ業種分類基準(BICS) Level1によるものです。
※2 産業名は、BICS Level3によるものです

✓組入銘柄の選定
・組入候補銘柄群のうち、一般消費財および生活必需品の各セクターから浮動株時価総額上位35銘柄を選定
・各セクターの浮動株時価総額上位35銘柄のうち、過去3年間の売上高総利益率のばらつき(標準偏差)が最も小さい銘柄を10銘柄ずつ選定

✓構成銘柄の組入比率
・原則として浮動株時価総額加重平均によって算出されます。
・1銘柄につき10%が上限となります。
・セクターウェートは30%が上限となります。ここで、セクターとはBICS Level3によって分類される各産業のことを指します。
・上記の制約を考慮したうえでセクターウェート上限比率が満たされない場合、セクターウェート上限比率を10%ずつ段階的に緩和し、制約が満たされるまで構成比率を調整します。

✓構成銘柄の見直し
原則として、毎年9月に構成銘柄および構成比率の見直しを行います。

計算期間 毎毎年2月11日~8月10日、8月11日~翌年2月10日
(※最初の計算期間は2025年2月19日から2025年8月10日まで)
分配金支払基準日 毎年2月10日、8月10日(年2回)
管理会社 Global X Japan株式会社
信託受託会社 三井住友信託銀行株式会社
売買単位 1口単位
信託報酬 0.275%(税込0.3025%)以内
上場日 2025年2月20日(予定)

新しいETF組成の思い

グローバルX プライシングパワー・リーダーズ-日本株式 ETFは、一般消費財および生活必需品セクターに分類される日本株のうち、より強い価格決定力を有すると考えられる20銘柄から構成されるETFです。

足元で日本のCPI(消費者物価指数)は目標である2%を越えた水準で推移しており、日銀によると今後も2%前後が続く見通しです。こうしたインフレ進行から日本の名目GDP(国内総生産)は上昇基調にありますが、実質GDPも拡大しており、直近では個人消費の寄与が目立ちます。また、総合的な物価動向を表すGDPデフレーターの推移からは、企業によるインプットコストの高まりを価格転嫁する動きが示唆されています。今後、更なる賃上げによる実質賃金のプラスが定着すれば、消費拡大と安定的な値上げの好循環から消費セクターの業績拡大が予想されます。

上記のような経済・物価動向を受け、当ETFでは日本の消費セクターにおける「プライシングパワー(価格決定力)」を有する企業に注目しました。強い価格決定力を持つ企業は差別化された製品・サービスやブランド力を武器に、コストを価格転嫁しても顧客離れが起きづらい(=顧客ロイヤリティが高い)ため、消費拡大と安定的なインフレの恩恵をより享受できます。加えて収益源が安定しているため、相対的に強い下落耐性が期待できます。

したがって、価格決定力の強い企業への投資を目指す当ETFは、インフレリスクに対抗する1つのソリューションだけでなく、日本の消費セクターにおけるクオリティ銘柄へのアクセスも提供できると考えています。

新しいETFの特徴

企業の強さを測る尺度「プライシングパワー」

プライシングパワー(価格決定力)とは、企業が市場での価格を自ら決定する能力を指します。自社が決定した価格でも、消費者が購入することをいとわないような商品やサービスを提供することが可能な企業は、プライシングパワーのある企業だと言えます。一般的に、プライシングパワーのある企業は以下のような特徴と強みをもっていると考えられます。

《特徴》
1. <ブランドの強さ>:消費者が信頼し、愛用する強力なブランドを持っていて、多少価格が高くても消費者が購入し続ける
2. <差別化された製品・サービス>: 独自の特徴や価値を持つ製品・サービスを提供し、競合他社と明確に区別される。技術革新やデザイン、品質などで他社との差をつけている。
3. <市場シェアの大きさ>:大きな市場シェアを持つ企業は、市場での価格設定に影響を与えやすくなる。
4. <強力なバリューチェーン>:購買から製造、販売に至るまで効率的かつ効果的なバリューチェーンを持ち、コスト管理に優れている。

《強み》
1. <競争力の維持>:価格競争に巻き込まれにくく、独自の市場ポジションを保持。
2. <柔軟な価格戦略>:市場の変化に柔軟に対応し、価格を調整する能力がある。
3. <持続可能な成長>:高いブランド価値と顧客ロイヤルティに支えられ、長期的な成長を継続

プライシングパワーを銘柄選定に活かす

米国など過去40年にわたりインフレが定着してきた地域においては、プライシングパワーがある企業かどうかが銘柄選定における重要な要素となっています。プライシングパワーのある企業は、原材料費が高騰した局面など、いかなるビジネス環境においても必要な時に必要なだけ価格を引き上げ、利益率を維持し、時には拡大することが出来ると考えられるからです。

米国の企業を対象にした、プライシングパワーのある企業を組み入れた、Bloomberg Pricing Power IndexのパフォーマンスがS&P 500指数を長期的にアウトパフォームしていることからも、プライシングパワーを持つ企業への投資が有効であることが伺えます。また、2002年以降米国をはじめとする先進国の企業の多くが株主総会や決算発表の場において「プライシングパワー」と言う言葉を多用しており、特に2020年以降にその回数が増え、また、インフレという言葉とセットで使われるようになるなど経営者にとってもビジネス上重要な要素になっています。

(注)期間は2007年3月末から2024年12月末まで、月次データ。株価指数は配当込みの指数値を使用しています。また、株価指数は2007年3月末を基準日に100とし、指数化してあります。
(出所)BloombergよりGlobal X Japan作成

長らく物価が上がりにくかった日本においても近年はインフレが進行しており、企業間で取り引きされる商品の価格を指数化した物価指数である企業物価指数及び、消費者物価指数は近年上昇基調で推移しています。プライシングパワーのある日本企業で構成されるブルームバーグ日本株プライシングパワー・セレクト・リーダーズ指数とTOPIXの売上高を比較すると、プライシングパワーのある企業の方が売上高が伸びており、2022年以降のインフレが進行した局面でその傾向が顕著になっています。原材料費や賃金コスト、円安により上昇している輸入コストなどのコスト上昇分を価格に転嫁できる、プライシングパワーのある企業への投資は、今後日本においても注目が高まる可能性があります。

(注)期間は2010年1月から2024年12月まで、月次データ。2010年1月を100とし、指数化してあります。
(出所)BloombergよりGlobal X Japan作成
(注)売上高は2016年を100とし、指数化してあります。
(出所)BloombergよりGlobal X Japan作成

利益率の安定性に着目して、20銘柄に厳選投資

プライシングパワーのある企業を選別する際、如何にして、プライシングパワーの有無を定量的に判断するかが重要になります。プライシングパワーがある企業と言うのは、高い利益率を維持している会社とも言えますが、単純に利益率の高さだけに着目するのは正しくないと考えられます。利益率は原材料価格、人件費などのコストの上昇により簡単に侵食される性質があるからです。そのようなコスト上昇時においても一定の利益率を維持できるかどうかが重要であり、当ETFの連動対象指数では売上高総利益率のばらつき(標準偏差)の小ささに着目し、利益率の安定性の高い企業を選定しています。

対象指数の2024年12月末時点の構成銘柄には、乳酸菌研究を核とした研究開発技術力などによって構築されたブランド力をもつヤクルト本社や、産業車両関連事業を展開し、フォークリフトで世界トップのシェアをもつ豊田自動織機などの銘柄が含まれています。対象指数のパフォーマンスを見てみると、長期的にはTOPIXを上回って推移しており、また、TOPIXが下落した年にTOPIXをアウトパフォームしていることから、下落相場でも底堅いパフォーマンスを発揮することが期待されます。プライシングパワーに着目して銘柄を選択することで、インフレや景気悪化に影響されづらい、本質的に優れた企業の持続可能な成長を享受できると考えられます。

(注)2024年12月30日時点 (出所)BloombergよりGlobal X Japan作成

連動指標のパフォーマンス

【ブルームバーグ日本株プライシングパワー・セレクト・リーダーズ指数(配当込み)のパフォーマンス推移】※1

【ブルームバーグ日本株プライシングパワー・セレクト・リーダーズ指数(配当込み)の暦年別の騰落率】※2

※1 ブルームバーグ日本株プライシングパワー・セレクト・リーダーズ指数の算出開始日は2024年12月9日。算出開始日以前の指数に関する情報は全て指数算出会社がバックテストしたデータ。期間は2015年9月28日から2024年12月30日まで。各指数は配当込みの指数値を使用しています。また、指数値は2015年9月28日を基準日に100とし、指数化してあります。
(出所)BloombergよりGlobal X Japan作成
※2 ブルームバーグ日本株プライシングパワー・セレクト・リーダーズ指数の算出開始日は2024年12月9日。算出開始日以前の指数に関する情報は全て指数算出会社がバックテストしたデータ。2015年はバックテスト算出開始日である2015年9月28日から年末まで。
(出所)BloombergよりGlobal X Japan作成

※上記は、過去の実績・状況または作成時点での見通し・分析であり、将来の市場環境の変動や運用成果を示唆・保証するものではありません。また、税金・手数料なども考慮しておりません。

【参考情報】

● 情報ベンダーコード
(ETFコード)
Quick:328A/T、Bloomberg:328A JT Equity、Refinitive:328A.T
(対象指標)
Bloomberg:BJPPSLT Index

● 対象指標の算出要領
https://assets.bbhub.io/professional/sites/27/Bloomberg-Japan-Pricing-Power-Select-Leaders-Index3.pdf

※指数のディスクレイマーについては下記をご参照ください。
「Bloomberg®」およびブルームバーグ日本株プライシングパワー・セレクト・リーダーズ指数(配当込み)は、Bloomberg Finance L.P.および、同インデックスの管理者であるBloomberg Index Services Limited(以下「BISL」)をはじめとする関連会社(以下、総称して「ブルームバーグ」)のサービスマークであり、Global X Japan株式会社による特定の目的での使用のために使用許諾されています。ブルームバーグはGlobal X Japan株式会社とは提携しておらず、また、グローバルX プライシングパワー・リーダーズ-日本株式 ETFを承認、支持、レビュー、推奨するものではありません。ブルームバーグは、グローバルX プライシングパワー・リーダーズ-日本株式 ETFに関連するいかなるデータもしくは情報の適時性、正確性、または完全性についても保証しません。

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