経済の基礎、「金利」を攻略しよう
日経記事で学ぶ~幸福寿命を延ばす投資術7
提供元:日本経済新聞社
本コラムは東証マネ部!で連載した「日経記事でマネートレーニング」の続編で、投資や資産形成の幅広いスキルや基礎的なノウハウの習熟を目的としています。拙著「幸福寿命を延ばすマネーの新常識」(日本経済新聞出版刊)を大幅に再構成・加筆し、日経電子版の注目記事なども織り交ぜつつ、総合的な金融リテラシーの底上げを目指します。
投資で財を成すには経済の基礎的な情報を消化する力が必要となります。株式投資で有望株を見つけるようなノウハウとは違い、経済の全体像を理解するリテラシーです。この力を養うと金融ニュースがわかるようになり、マーケットの動きを追えるようになります。逆にこの力を欠いていると大局観を分析できず、「上がっているから買う」「みんなが買っているから買う」「億り人が注目しているから買う」という他人任せの投資行動に走りがちになります。
たとえれば、経済の基礎知識はアスリートの足腰と似ています。足腰の鍛錬はすべての運動、スポーツの基礎です。野球であれば足腰が安定しているほど投球コントロールが良くなり、バッティングがうまくなります。基礎力のうえに技術が乗っかる格好で、経済の基礎力を養うことで投資のノウハウも活きてくるのです。
退屈かつ難解だが全体像理解に不可欠
経済の基礎リテラシーはやはり「景気」と「金融」の2つのジャンルに尽きます。特に後者の金利や金融政策は景気、物価、投資といった経済のすべての事象と密接に絡み合います。金利を攻略すれば景気や物価の行方や、投資マネー(資本)の動向を先読みできるようになります。
ところが厄介なことにどういうわけか難しいのです。基礎なんだからもっと平易なジャンルだろうと思いきや、やたらとっつきにくく、嫌気がさしてきます。では、その読みにくい記事をさっそく日経電子版から拾ってみましょう。
どうでしょう? この記事に好感をもてる方は相当奇特ですね(笑)
下線を引きましたが、意味不明の用語のオンパレードです。いきなり長期金利と見出しに出ていますが、長期金利ってなんでしょうか? 預貯金の金利ではないのでしょうか?
そもそも金利の定義って説明できますか? 長期金利があるなら短期金利もあるはずですが銀行が決めるのでしょうか?
債券価格や利回りという記述がありますが、債券と金利はどうつながるのでしょうか? 金利と利回りは同じ意味でしょうか? 10年や2年やら期間が出ていますが、これが長期金利と短期金利なのでしょうか?
あぁ、やっぱり嫌になってしまいます。でも、ここで離脱してもらうと困るのでもう少々お付き合いを。。。