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2025年11月26日上場

467A:グローバルX 米ドル建て投資適格社債 ETF(為替ヘッジあり)/468A:グローバルX 米ドル建て投資適格社債 ETF

提供元:Global X Japan

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2025年11月26日に【グローバルX 米ドル建て投資適格社債 ETF(為替ヘッジあり)】(銘柄コード:467A)および【グローバルX 米ドル建て投資適格社債 ETF】(銘柄コード:468A)が新規上場することから、この新しいETFの特徴、組成や設定のねらいについてご紹介いたします。

基本情報

銘柄名・
コード
グローバルX 米ドル建て投資適格社債 ETF(為替ヘッジあり)(467A)
グローバルX 米ドル建て投資適格社債 ETF(468A)
ファンドの特色 Global X Investment Grade Corporate Bond ETFの受益証券を通じて、米ドル建て投資適格社債に投資し、信託財産の着実な成長と安定した収益の確保を目指して運用を行います。ヘッジありについては、実質組入外貨建資産について、為替変動リスクを低減するため、為替ヘッジを行ないます。
ベンチマーク なし
運用方針の概要 Global X Investment Grade Corporate Bond ETFの受益証券を通じて、米ドル建て投資適格社債に投資し、信託財産の着実な成長と安定した収益の確保を目指して運用を行います。主要投資対象であるGlobal X Investment Grade Corporate Bond ETFの運用プロセスは以下の通りです。
◆ユニバース
Bloomberg U.S. Corporate Index
◆スコアリングによる候補銘柄の絞り込み
クオンツ・ファクター・モデルとAI(人工知能)モデルを用いたスコアリングによって、ユニバースから候補銘柄を選定します。
クオンツ・ファクター・モデルでは、以下のプロセスで銘柄を評価します。
・ユニバースの構成銘柄を、業種・投資格付・満期によって56のピア・グループに区分
・市場のデータや各企業のファンダメンタルズを基に、有効なファクターを検証・抽出
・抽出されたファクターは、6つのスタイル(バリュー・モメンタム・サイズ・クオリティ・グロース・ベータ)に分類
・ファクターの分類やウェートは、クレジット市場の強弱局面によって調整
・各銘柄にスタイルごとのスコアを付与
・スタイル別のスコアによってピア・グループ内の銘柄をパーセンタイルで順位付けし、各ピア・グループ内の平均順位トップ銘柄が投資候補銘柄となる
AIモデルでは、以下のプロセスで銘柄を評価します。
・ユニバースの構成銘柄を、業種・投資格付・満期によって35のピア・グループに区分
・各ピア・グループに対し、個別の順位付けのためのモデルを開発・使用
・各モデルは、10個のDNN(ディープニューラルネットワーク)※を活用
・各DNNを用いてマクロ指標や発行体情報、債券特性などの様々なデータを分析
・各DNNが各ピアグループ内の銘柄にスコアを付与
・付与された10個のスコアを組み合わせ、各ピア・グループのトップ銘柄が投資候補銘柄となる
※ DNN(ディープニューラルネットワーク)とは、人間の脳の神経回路を模した機械学習モデルの一つで、複雑なパターンや関係性を学習することができるモデルのことです。
最終的には2つのモデルによって算出されたスコアを組み合わせた最終的なスコアから候補銘柄を絞り込み、運用者の裁量によって組入銘柄および組入比率を決定します。
計算期間 毎年1月11日~3月10日、3月11日~5月10日、5月11日~7月10日、7月11日~9月10日、9月11日~11月10日、11月11日~翌年1月10日
(※最初の計算期間は2025年11月21日から2026年3月10日まで)
分配金支払基準日 毎年1月10日、3月10日、5月10日、7月10日、9月10日、11月10日(年6回)
管理会社 Global X Japan株式会社
信託受託会社 三井住友信託銀行株式会社
売買単位 10口単位
信託報酬 税込0.1675%程度
上場日 2025年11月26日(予定)

新しいETFの特徴

注目の高まる米国の投資適格社債

近年、米国の投資適格社債(Investment Grade Corporate Bonds)に改めて注目が集まっています。その理由の一つは、これら社債の利回りが現在歴史的に見ても高水準にあるためです。2008年の世界金融危機以降、金融緩和政策などにより、米国の長期金利は長らく低水準に抑えられていましたが、近年の金利上昇により米国の投資適格社債の利回りは2009年以前の高水準に近づいています。

また、投資適格社債は、「投資適格(Investment Grade)」という名称が示す通り、信用格付けが一定以上(たとえば S&P社の格付けの場合BBB-或いはそれ以上)であり、比較的信用力の高い社債を対象にしている点が大きな魅力です。

倒産リスクや信用悪化リスクが比較的高い社債であるハイイールド社債(ジャンク債)の利回りは投資適格社債よりも高いものの、より高いデフォルト(債務不履行)リスクが内在していることが一般的で、例えば、世界的な格付け会社であるフィッチ社の作成したグローバルの社債ポートフォリオにおいては、投機的格付けの社債(いわゆるハイイールド社債)の2024年のデフォルト率が約4%であった一方で、投資適格社債のデフォルトは1件も記録されませんでした。

(注)米国投資適格社債はBloomberg US Corporate Bond Indexの最低利回り、米国ハイイールド社債はBloomberg U.S. Corporate High Yield Bond Indexの最低利回り。期間は2005年9月末から2025年9月末まで、月次。
(出所)BloombergよりGlobal X Japan作成

投資適格社債指数の構造的特性が示すアクティブ運用の優位性

対象指数にトラックすることを目指すインデックス運用は多くの資産クラスで有効ですが、米国投資適格社債市場には固有の課題があります。

米国投資適格社債の代表的な指数である、Bloomberg US Corporate Bond Indexは約8,500銘柄を含む非常に広範な指数です。指数に採用されていない社債の銘柄もあることから、米国投資適格社債市場は非常に銘柄数の多い市場であることが伺えます。

(注)2025年9月末時点。米国投資適格社債:Bloomberg U.S. Corporate Bond Index、米国株:ラッセル3000、世界株:MSCI オール・カントリー・ワールド指数、米国ハイイールド社債:Bloomberg U.S. Corporate High Yield Bond Index、米国小型株:ラッセル2000、米国大型株:S&P500
(出所)BloombergよりGlobal X Japan作成

米国投資適格社債指数を対象にしたインデックス運用には、指数に含まれる銘柄数が多いことや指数の構成銘柄の加重方式に起因して、例えば以下のような構造上の問題点があると考えられます。

1. 構成銘柄の債券の発行総額に基づいて加重される、「発行総額加重方式」が採用されている場合、多くの債券を発行している企業、つまり借金を多くしている企業が指数内で大きなウェイトを占めることになります。結果的に借入額の多い企業への過大投資につながり、信用リスクの高い発行体へのエクスポージャーを増やす可能性があります。

2. インデックス運用では原則指数に含まれるすべての構成銘柄を保有せざるを得ないため、魅力に欠ける銘柄や低利回りの債券もポートフォリオに含める必要があります。

3. 指数のリバランスへの追従を追求することにより、不利な価格での売買を強いられる場合があり、特に流動性が不十分な場合のある社債市場ではこのような売買がインデックス運用のパフォーマンス低下の要因となり得ます。

一方で、アクティブ運用はこうした制約を受けません。リバランスのタイミングに縛られず、価格発見の機会を活かして公正価値での取引を追求できます。また、クレジット分析やセクター見通しなど、一般的な米国投資適格社債指数には反映されない要素を判断材料に組み込む柔軟性を持ちます。企業行動、金利見通し、地政学的要因といったイベントも考慮し、よりきめ細やかなリスク評価を実施できる点が特長です。

また、当ETFの信託報酬は実質0.1675%(税込)程度となっており、アクティブETFとしては比較的低コストで米国の投資適格社債市場にアクセスする機会を投資家に提供します。

(注)上記は代表的な特徴を記載したものであり、全てを説明しているものではありません。

AIモデルも活用した多角的な債券評価アプローチを採用して高品質な投資適格社債へのアクセスを実現

投資適格社債市場の広大さを踏まえ、当ETFの投資対象ETFのポートフォリオマネージャーは2つのモデルを活用してスクリーニングを行います。

● 定量的ファクターモデル
● ディープニューラルネットワーク(AIモデル)

これらはいずれもスクリーニング補助のためのツールであり、最終的な投資判断はアクティブ運用チームが行います。

分析の具体的なプロセスとしては、投資適格社債の代表的なベンチマークであるBloomberg US Corporate Bond Indexを対象に、債券を信用格付け・年限・セクター別に分け、ピアグループを形成します。これにより、デフォルトリスクや金利感応度、セクター特有の景気サイクルといった要因を制御しつつ、相対価値の比較分析を行います。

(注)上記はイメージであり、全てを説明しているものではありません。
(出所)Global X U.S.よりGlobal X Japan作成

各ピアグループ内では、市場およびファンダメンタル指標(例:利回り水準、利益成長率など)を用いたファクター分析を実施します。これらの要因は、景気拡大・回復・低迷・修復といったクレジットサイクルの局面に応じて動的に調整され、強気・弱気市場の両局面で柔軟に機能するよう設計されています。

さらに、市場データ、マクロ経済データ、企業財務データなどをインプットとして、訓練されたAIモデルが銘柄ごとの期待リターンを分析し、投資魅力度をランキング化します。AIモデルは、AIを活用した運用戦略のパイオニアである、Wealth Spot社が開発したAIモデルを活用します。

分析結果に基づき、当ETFの投資対象ETFのマネジメントチームは運用者自身の洞察とリスク管理の観点も組み合わせて、最終的な投資判断を下します。2025年10月17日時点で、投資対象ETFには、91銘柄の債券が組み入れられており、ゴールドマン・サックス・グループやギリアド・サイエンシズが発行体ベースでは上位銘柄となっています。

(注)2025年10月17日時点。投資対象ETF:Global X Investment Grade Corporate Bond ETF(米国上場、ティッカー:GXIG)。債券格付けはムーディーズ社、フィッチ社、S&P社の中間格付け。格付け機関3社のうち、2社による格付けしかない場合は低い方の値、1社による格付けしかない場合はその格付けが採用されています。四捨五入およびキャッシュ等の比率の関係で比率の合計が100にならないことがあります。
(出所)Global X U.S.、BloombergよりGlobal X Japan作成

金利の不透明感が続く中、信用リスクと利回りのバランスにおいて投資家に魅力的な選択肢となり得る米国投資適格社債に投資する際は、どういった手段で投資するかという観点が重要です。

当ETFは、米国投資適格社債をインデックス運用する際の潜在的な構造的非効率性、特にパフォーマンスを損なう可能性のある強制リバランスや発行総額加重の問題に対処することを目指しつつ、積極的な銘柄選定と動的ファクター分析を通じて、規律あるリスク管理を維持しながらリターンを提供することを目標としています。当ETFを通じて、比較的低コストで高品質な米国投資適格社債へのアクセスを実現することが期待できます。

【参考情報】

● 情報ベンダーコード
(ETFコード)
グローバルX 米ドル建て投資適格社債 ETF(為替ヘッジあり)
Quick:467A/T、Bloomberg:467A JT Equity、Refinitive:467A.T

グローバルX 米ドル建て投資適格社債 ETF
Quick:468A/T、Bloomberg:468A JT Equity、Refinitive:468A.T

用語解説

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